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天狗党争乱 編

<詩歌>

武田
耕雲斎
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死 62 歳>

辞世
「咲く梅の風に空しく散るとても 香りは君が袖にうつらん」
         (歎涕和歌集、慷慨詩歌集)

「かたしきて寝ねる鎧の袖の上に おもひぞつもる越の白雪」
         (一人一首伝、殉難拾遺)
「君がためまことの道や尽さなん ありて甲斐なき我が身ながらも」
         (殉難後章、慷慨詩歌集)
おほん君の仰せごとかうふりて都にまうのぼりける時のうた
「東路の野辺の若草踏分けて 雲井につげむ君の言の葉」
「あられふるみなとの浜を 出でしより 那須野の原の矢たけびもなし」

         (殉難拾遺)
「雨あられ矢玉のなかはいとはねど すすみかねたる駒が峯の雪」
         (振気篇)
藤田
小四郎
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死 24 歳>

「かねてよりおもひそめてし真心を けふ大君につげてうれしき」
「さく梅は風にはかなくちるとても にほひは君が袖にうつして」

         (殉難後章)
國分
新太郎
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死 21 歳>

「尽してもまた尽しても尽しても 尽し甲斐なきしづがま心」
「しひて吹くあらしの風にあふ花は いさぎよくちれいさぎよくちる」
「咲きそめて風にちりなんさくらばな ちりては後にしる人ぞしる」

         (殉難後章)
武田
魁助

水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死>

「梅ばちの花のにほひに かされて わが身のはてを知らぬつたなさ」
         (殉難後章)
川上
清太郎
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死>

「いかにせんかぢも網手も捨をぶね よるべも浪にただよふぞうき」
「月かげやとく仰がまくおもほへば なほ立ちかすむ夜半のうき雲」
「雲の上の人に見せばや春雨に つるが羽ごろもぬるるすがたを」
「しら雪の消ゆるひまさへ待ちわびて しのび音になく谷のうぐひす」
「白雲(雪?)の積る中だにいろかへぬ 松をこころのともとこそ見め」

         (殉難後章)
原内
蔵介
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死>

「大君の國やすかれといのる身は はかなくつもるこしのしら雪」
「うらめしやなくうぐひすの初声を ききてやさとるはるの明ぼの」
「雲の上の人に見せばや春雨に つるが羽ごろもぬるるすがたを」
「あめはれてめもはるばると青柳の いともみだれておもふころかな」

         (殉難後章)

信蔵
水戸
藩士
<元治2年2月4日 敦賀で刑死>

「たとへ身は敦賀の里にさらすとも などたゆむべきもののふの道」

         (殉難後章)
竹中
萬次郎
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「降りつもる木の葉に道は埋もれて かすかに通 さとの柴人」

         (殉難後章)
伊藤
健蔵
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「おもふことうたて敦賀の越の雪 とけてのどけきはるや待つらん」

         (殉難後章)
黒澤
五三郎
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「東路を出でて日数をふるゆきの いつかおもひのとけずやはある」
         (殉難後章)
杉山
弥一郎
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「春来れば猶消えやらぬ雪の間に きかまくおもふうぐひすの声」
         (殉難後章)
大和田
外記
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「すべらぎのうきをとむらふかひもなく また来るはるをいかに過ぐらむ」

         (殉難後章)
福田
為之助
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「國のためさきがけせしはものの夫の 今やむかしの人ぞ恋しき」

         (殉難後章)
森川
長吉郎
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「春はなほ我にてしらぬ山ざくら こころのどけき人はあらじな」
「すらすらと雪や氷をふみわけて いつしかとけん賤が真ごころ」

         (殉難後章)
米川
文蔵
水戸
藩士
<元治2年2月14日 敦賀で刑死>

「えみしうついさをもとけずいたづらに おくる月日のかずをしぞ思ふ」
「あら玉のとし立ちかへる世の中に 我が身もかへる死出のやみ路に」

         (殉難後章)
中村
藤三郎
水戸
藩士
<元治2年2月19日 敦賀で刑死>

「しきしまの大和ごころを尽しても あだとなる世やいかにしてまし」
「みち風の池の氷もとけそめて 深やまのおくにはる風ぞふく」

         (殉難後章)

 <参考文献>『勤皇文庫 第五編 詩歌編』(大正10年)、『維新志士勤皇詩歌評伝』(昭和13年)、『志士詩歌集』(昭和17年)

<小伝>

じゅんびちゅう。

<参考文献>『維新志士勤皇詩歌評伝』、『勤皇文庫 第五編 詩歌編』
『徳川慶喜』(中公新書)、『幕末維新人名辞典』(新人物往来社)、『明治維新人名辞典』(吉川弘文館)
『幕末維新 新撰組・勤皇志士・佐幕戦士たちのプロフィール』(新紀元社)


01/6/8

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