俺は携帯のディスプレイに真奈の携帯の番号を呼び出し、発信した。
――だが。
それと同時に、突然建物の中からけたたましいアラームが響き、周囲を包んだのだ!
それは明らかに、何かの警報だった。
「な……どうなってるんだ!?」
思わず切っちまった携帯を眺めながら、俺はわけがわからずにいた。
「僚!」
中をのぞき込んでいた泰明が、振り返って俺を呼んだ。
「どうした!」
「サングラスとスキンヘッドが動く! 2階へ行くみたいだ!」
「何!?」
俺も続いてのぞき込むと、確かに2階へ駆け上がろうとするやつらの背中が見えた。
そして――。
――相変わらず鳴り続けるアラームの中から、1発の銃声。
続いて、2発、3発。
さらに、マシンガンの乱射の音――。
「なぜ……なぜだ!?」
俺と泰明は、ふたりでその場に座り込んでしまった――。
警官隊は、それから30分後にやってきた。
そして中に突入し、犯人グループ4人を現行犯逮捕した。
だが――。
人質は、全員殺されていた。
真奈も、レイラも、花梨も、その他の6人も……誰ひとりとして、助からなかった。
……俺にはわからない。
なぜ、人質に危害は加えないと言っていたあいつらが、一転してこんなことをしやがったのか。
そして、あのアラームの意味も……。
俺が携帯を鳴らしたことと、何か関係があったのだろうか。
もし、そうだとしたら……。
あまりにもタイミングがぴったりすぎたため、俺はそんな思いにさいなまれた。
……何を考えたって、すべては無駄だ。
もう、真奈はいないんだから――。
アラーム
(エンディング No.37)
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