……もう、戻ろう。 俺がこの世界でするべきことは、もう何ひとつない。
それに……。
正直なところ、つらさを感じ始めていたのだ。 みどりが俺自身を認識してくれないことに。 そして、自分の姿を外から見ることに……。
あふれる涙をパーカーの袖で拭い、階段をゆっくりと上っていく。
物置の前を見ると、思った通り、そこにはあの赤いひずみ……タイムゲートが出現していた。 俺はそれに歩み寄り、ためらうことなく中に飛び込んだ。
続きを読む
読むのをやめる