美味しいしいたけ
〜しいたけの栄養分と効能〜

椎茸は、栗・シイ・クヌギ・コナラなどの枯れ木に生える食用きのこです。
各種のビタミン類、ミネラルが豊富に含まれ、このビタミン類にはB1,B2,B6等のほか、
他の食品には少ないD2の母体であるエルゴステロール
が含まれており、紫外線に当たるとD2に変わり、骨や歯の発育を助ける働きをします。
また、鉄や胴などの造血のために必要な無機質やリンが他の食品より多いのも特徴です。
椎茸にはグアニール酸が含まれており、これが独特の旨味を出すため、料理には欠かせません。

椎茸には驚くほどの効能があります

◆風邪を治す ◆コレステロールを下げる(高血圧・動脈硬化・心筋梗塞を防ぐ)
◆腎臓病に効く ◆胆石をとかす(胆嚢予防に) ◆糖尿病の治療に ◆胃腸障害に
☆低血圧・貧血の治療に ◆骨や歯の発育を助ける ◆小児ゼンソクに ◆ガンの予防に
◆疲労回復に ◆熱に弱いビタミンの破壊を防ぐ ◆美容に ◆水虫の治療に
◆冷え性に ◆不眠症にまた、吹き出物など治りにくい皮膚病には、干し椎茸3〜4個を
そのまま湯船に入れてゆっくり入浴すれば、効果があるといわれています。


〜しいたけの歴史〜

しいたけは、最も古くから人工栽培が行われてきたきのこであり、
その起源は寛永年間にまでさかのぼります。
一部のきのこについては、昭和はじめ頃に菌床栽培と呼ばれる、
原木をそのまま使用せずに、オガコと栄養物を混合した人工培地での栽培が始まりました。
しかし、しいたけでの菌床栽培は研究者達の長年の夢であり、
なかなか実用化されるまでは至りませんでした。
1978年に種苗法という「新品種育成者の権利保護制度」が発足して、しいたけの品種改良が
活発に行われるようになり、それと並行して栽培技術の研究・開発も進み、
1980年代より実栽培が行われるようになり、菌床栽培によるしいたけが市場に
出荷されるようになりました。
限りある森林資源の有効利用と生産効率の向上、更には品質の向上を目指し、現在では菌床栽培
によるしいたけが主流となりつつあります。


〜菌床栽培とは〜

菌床を利用したしいたけ栽培には、本格的な施設での「促成栽培」と簡易設備での
「自然栽培」があります。
促成栽培は、空調機を利用したハウス栽培であり、温湿度を管理したクリーンな環境
で年間を通して計画的なしいたけ生産が行えます。一方、自然栽培は、空調設備などを用いず、
初期投資額を抑えた簡易な設備で自然環境を上手く利用した栽培が可能です。
自然栽培には、秋から冬に向かってきのこを発生させる「秋〜冬発生型自然栽培」と
春から夏に向かってきのこを発生させる「春〜夏発生型自然栽培」があり、
両栽培を取り入れることにより、自然栽培での周年栽培も可能となりました。

・栽培工程

1.菌床の原料となる「広葉樹オガコ」、「バイデル(栄養体)」をミキサーで混合し、
さらに水を加えて含水率を調整した培地を詰め機で袋詰めします。

2.この菌床を殺菌釜で殺菌・冷却後、無菌的にしいたけの種菌(種に相当するもの)
を接種(播種)します。

3.種菌接種後の菌床は、一定温度の空調培養室、もしくは自然温度の培養室、
または林内の栽培棚で培養を行います。

4.培養が完了した菌床は、高温抑制処理あるいは夏期カット処理といった工程を経て、
しいたけの発生管理に移ります。

美味しいしいたけの出荷まで

〜上面発生栽煤〜

この栽培方法の特徴は、菌床の上面より上の部分で栽培袋を取り除き、菌床上面からのみしいたけを
発生させることにあります。
普通栽培方法と比較して、この栽培方法のメリットとしては次のような点があげられます。

1.しいたけは菌床の上面のみに発生させるため、栽培棚に並べる菌床の間隔を狭めることができ、
発生室への菌床の収容密度を従来の栽培方法と比較して1.5〜2倍に高めることができます。

2.上面からしいたけが発生するため、収穫の際、菌床を持つ必要がなく作業が非常に楽です。

3.発生と発生の間に行っていた浸水操作が不要なため、日常の労力が軽減されます。

4.一度に発生するしいたけの芽数を調節できること、また、常に水分を充分に供給できるので、
常に大形のしいたけを継続して収穫することが可能で、原木栽培物と同等以上の品質のしいたけを
得ることができます。

以上のように、従来の普通栽培と比較して、総合的に労働生産性があがり取り扱い菌床数を
増やすことが可能で、さらに、きのこの品質向上が見込める新しい栽培方法です。

上面菌床栽培 上面菌床で出来た美味しいしいたけ


〜しいたけ菌床栽培の現状〜

しいたけ菌床栽培の方法としては、培養が完了した菌床を袋から取り出して菌床の全面(上面+側面)
からきのこを発生させる「普通栽培方法」と、菌床の上部からのみ発生させる「上面栽培方法」があります。

これまでは、培養が完了した菌床を一定の間隔をおいて栽培棚に並べ、菌床全体からきのこを発生させる
「普通栽培」が主流でしたが、 近年の技術革新により「上面栽培方法」(特許技術)が開発され、
しいたけの工場的生産への道が切り開かれました。現在、全国規模で「上面栽培方法」を取り入れたシス
テムが稼動を始めています。


 

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