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「中岡博士のちょこっとエコ」

#2 資源がなくなる?/再生されない化石燃料

2012年7月24日掲載(陸奥新報


 東日本大震災の際、皆さんはどうされていましたか? 私はそのころ、青森市にある弘前大学北日本新エネルギー研究所に勤務しており、3月12日に千葉県の自宅へ帰る予定を立てていました。しかし、11日夜は地震による停電と津波警報のために宿泊場所が閉鎖され、青森駅前の避難所で過ごしました。
 間もなく停電は復旧したものの、電気は不足、ガソリンはなかなか給油できない、食べ物は届かない、スーパーに行っても物がない…などなど、それまでの便利な暮らしからは想像できないような生活環境になってしまいました。東日本大震災は私たちに大きな衝撃を与え、暮らし方を見直す機会を与えてくれたように思います。
 今回は「エコット家計簿」開発のきっかけとなった、エネルギー資源の現状について解説します。

「中岡博士のちょこっとエコ」エネルギー資源の可採年数

 世界中で消費されるエネルギー資源量は、石油に換算して年間100億dにもなります。1人当たりでみると、年間1・8dです。しかし、地球上にはエネルギーをたくさん使って生活している人と、そうでない人がいます。日本人は世界平均の2・2倍の4dになります。
 世界で使われているエネルギー資源の80%は石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料ですが、地面の中から掘り出して使っているだけで、再生されることはありません。地球上に人類が発生したのが数万年前。それから長い間、植物主体のエネルギー資源を使い、200年前の産業革命以降に利用したのが化石燃料。でも、いつか必ず使いきってしまうエネルギー資源です。おおよその予測では、あと100年もすると、確実にエネルギー資源が不足する時代がやってきます。
 考えてみると、長い人類史上たった300年が化石燃料を使えた時代で、私たちはその間にたまたま生まれて豊かな生活を享受しているのです。私たちの子孫、そして人類の未来のために、エネルギー資源を大切にしなければと思うわけです。

(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)  
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