エコット家計簿のススメ

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「中岡博士のちょこっとエコ」

#10 かばんの中身は?/値段で環境負荷を計算

2012年9月18日掲載(陸奥新報


エコット家計簿の学校での取り組み事例を二つをご紹介します。学校の生徒さんは家計全般を把握できるわけではありませんが、自分の持ち物やお小遣いの中で把握できます。



 学校に出向いてエネルギーや環境のお話をした最後に、生徒の皆さんに「筆箱の中身は?」と題して計算をしていただきます。最近の生徒さんの筆箱にはたくさんの筆記用具が入っていますので、それぞれ買った時の値段を集計してもらいます。
 エコット家計簿の中で文房具の1000円当たりの係数は、エネルギー消費が8・7メガカロリー、二酸化炭素(CO2)排出量が2・4キログラムです。例えば合計金額が4000円とすると、35メガカロリーのエネルギーを使い、10キログラムのCO2を排出したことになります。そこで皆さんに「それだけ環境に負荷をかけているのだから、大事に最後まで無くさずに使ってください」と伝えます。
 時間のある時には、通学かばんに入っていたものを全て評価してもらいます。教科書、ノート、筆記具、体操着、飲み物、弁当、携帯電話、部活の道具など。これらをエコット家計簿の中の費目に分けて書き出し、それぞれの係数を掛け、かばんの中身の総エネルギー量とCO2排出量を計算してもらいます。
 また、お母さんたちの集まり(の時)には、ハンドバックの中身を評価してもらったり、身に付けているもの全てを計算してもらったりします。もちろん、洋服や装飾品など全てです。読者の皆さんもお出掛けの際に身に付けているもの全てを計算してみてください。「エ! こんなになるの!」と思われるような数字が出てくると思います。
 お分かりのように、私たちは毎日多くの物を使って生活しています。これらの物が作られて処分されるまでに、多くのエネルギーが使われ、たくさんのCO2が排出されているのです。必要な物だけを買い、買ったら大事に使い、とことん使い切ることが環境に優しい暮らしにつながります。
 
(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)
 
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