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#11 照明は何がお勧め?/省エネ効果高い蛍光灯

2012年9月25日掲載(陸奥新報


 省エネ・節電推進のため、最近耳にするのが発光ダイオード(LED)照明への切り替えです。去る6月13日、経済産業省と環境省は国内で白熱電球の製造を自粛し、販売を抑えるように要請しました。そして環境副大臣が「消費電力の削減余地の大きい家庭向け照明が、なるべく早くLED電球に切り替わるよう協力をお願いする」と言われました。
 しかし、LED電球が省エネ効果に最も優れているかどうかは、消費者の立場としてよく考えなければなりません。電球に明かりをつけた時の消費エネルギーだけでなく、電球を製造するのに要した間接エネルギーと合わせて省エネ性を考える必要があります。
 とりあえず電球メーカーのカタログを使い、室内照明用の60ワット級で考えてみます。消費電力は白熱電球が57ワット、電球型蛍光灯11ワット、LED電球11hで一日8時間30日間付けたとします。また、一個の値段は白熱電球100円、蛍光灯300円、LED電球3,000円とし、電気代は1キロワットアワー当たり25円とします。
 ここで「なぜ、蛍光灯もLEDも11ワットなの?」と疑問を持たれたあなたは将来、省エネ模範生です。そうなんです。部屋の照明に使う限り、蛍光灯もLED電球も電気消費量は同等です。ですから、蛍光灯からLED電球へ替える必要はありません(ただし、スポット照明用はLEDの方が省エネです)。消費電力だけで見れば、蛍光灯もLEDも白熱球の5分の1です。
 ここでエコット家計簿の登場です。二酸化炭素(CO2)排出量は、間接エネルギーである電球の製造分(「家具・家電」に分類)が1,000円当たり2・3キロなので、100円の白熱球なら0・2キロ、300円の蛍光灯は0・7キロ、3,000円のLEDは6・9キロとなります。
 一方、電気代分のCO2排出量(1,000円当たり15・5キロ)を1カ月で計算すると、白熱球が電気代342円で5・3キロ、蛍光灯とLEDはともに66円で1キロです。1年間同じように使えば、製造代と電気代合わせて白熱球が4,202円で排出量64キロ、蛍光灯は1,092円で12キロ、LEDは3,792円で19キロと、違いは明らかです。
 白熱球をまだ使っているなら、球切れを待たず、すぐに蛍光灯に取り換えることが環境にもお財布にも優しい選択となります。



 
(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)
 
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