エコット家計簿のススメ

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「中岡博士のちょこっとエコ」

#12 もったいない!/省エネできる新家電も

2012年9月25日掲載(陸奥新報


 2005年に来日したノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが、日本に昔からある言葉「もったいない」を世界語にしてくださいました。大量生産・大量消費・大量廃棄に慣れてしまった私たちの暮らしには、昔の記憶としてしか残っていません。エネルギー資源や地球環境を考えなければ人類の未来に陰りが見えている中で、とても分かりやすい言葉ではないでしょうか。
 しかし、「もったいない」と思って長く使い続けることが、逆に環境に悪いという例外もあります。エアコン、冷蔵庫、テレビのように、科学技術の進歩で性能が大幅に向上したものがその例です。
 「わが家の冷蔵庫は買ってから15年くらいになるが、いまだ健在。新しいのは良いと聞くけど、もったいなくて買い替えられない」というような話をよく聞きます。何を基準に考えたらよいのでしょうか。ここで登場するのが省エネカタログとエコット家計簿です。
 省エネカタログは、経済産業省が家電品などの性能一覧を公表しているものです。例えば400リットルクラスの冷蔵庫をみると、年間の電気代が5,000円を切るものから9,000円程度のものまで販売されていることが分かります。しかも、最高の性能を持つ製品を15年前と比較すると、現在は消費電力が3分の1程度にまで減っています。すなわち年間1万円の電気代の差が出るわけです。


 また、エコット家計簿によると、二酸化炭素(CO2)の排出量は年間155キログラムの差になります。新製品に買い替えたとして、価格を12万円だとすると冷蔵庫の製造に276キログラムのCO2が排出されますが、旧製品を使い続けるよりも、この場合は2年もたたないうちに排出量はずっと少なくなります。真の「もったいない」を理解し、賢く暮らすことが大事なのです。
 12回にわたってお伝えした連載も最終回となりました。省エネが大切だからと言って、単に昔に戻れば良いのではありません。エネルギーを無駄なく効果的に使う努力することで、資源や環境を大事にし、お財布にも優しい暮らしを目指してほしいと思います。
 
(エコット政策研究センター代表・中岡章、千葉県在住)
 
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