IS350 Version L
IS350 Version L
 IS350に乗って初めて、バイクと同じように加速する車があることを実感した。318馬力のV6エンジンがフルパワーを発揮すると、ノーズを持ち上げながら飛ぶように加速する。適度に引き締まったサスペンションは固さを感じさせないが、コーナーでは不安なロールをすることもなく、ステアリングを切っただけ曲がっていく。カーナビと協調制御する6速ATは、ワインディングでも常に適切なギアを選択し、車任せでも感動するほど速い。なんてイージーなのだろう!
 カーテレマティクスとはじめとするエレクトロニクス装備の先進性は驚きを通り越して呆れるほど。レーダークルーズで高速道路を走っていると、自動運転をしているような錯覚に陥る。その一方で、シートの出来やスイッチ類の使い勝手など、車の本質的なホスピタリティはアウディに及ばない。単に速くて便利な車なのか、いつまでも乗っていたくなる奥深い車なのか、3年後の判断が楽しみだ。
アウディ A4 2.0SE
 塊感がある力強いデザインと圧倒的な品質感に惹かれて新しい愛車となったのが、このアウディ A4だ。充実した装備に内外装の仕上げの良さは、アウディならではのもの。CVTの独特な走行感には戸惑いを覚える一方で、「未来の自動車はすべてこうした乗り味になるのかもしれない」とさえ思えるほどの先進性がある。
 低速時のフラット感は306に一歩譲るが、リアのスタビリティが高くて高速でも安心感たっぷり。ハンドリングに曖昧なところがなく、ステアリングに伝わるすっきりした手応えはたまらない。この“精密な機械感”は、YZF-R6に一脈通じるところがある。車が大好きな息子と一緒にドライブへ出かけたり、レース観戦にサーキットへ通ったりと、週末ごとに活躍した。乗り換えてから、欧州のメーカーは車の本質を知っていると、改めて思わされた素晴らしい車だ。 
プジョー 306スタイル
 BlueJetsには、SRXとR6のほかに3台目があった。なんて言うと大げさだけど、プジョー306 Styleはボクの愛すべき車。ピニンファリーナの手による彫刻的なボディラインに惚れ込んで購入した。購入当時は都心でさえ滅多に見かけないほどマイナーなのも気に入った。
 スペック面では全く見るべきところはないが、実際に乗ってみると大型車のようにフラットな乗り心地や高速でも確かな直進性、低回転から実用的なエンジン、広いキャビンとラゲッジスペースなど、基本性能の高さを実感できる。
 一方で、装備は首をかしげたくなるところがたくさんある。例えば、オーディオはステアリングリモコンで操作できるのにミラーは手動とか、マップランプとルームランプは合計4個も付いているのに、後席ドアを開けてもルームランプが点灯しないとか、ちぐはくな装備がいろいろ。最高170km/hしか出ないくせに、220km/hスケールのスピードメーターというのも笑える。でも、そんなところも含めて306が好きだった。