Maintenance Note No.8
99年6月13日 電動空気入れでタイヤは今日も元気
タイヤの空気圧管理は基本だが自前で空気を入れるのは難しい
電動で空気を入れられる便利アイテムをゲットした

 唐突ですが,みなさんはタイヤの空気圧はまめにチェックしますか?
 バイクのハンドリングを左右する最も大きな要素はタイヤだと言っても間違いではないだろう。そのタイヤは適正な空気圧がないと,本来の性能を発揮してくれない。
 ある日,東名高速を走っていたボクは,バイクが真っすぐ走ってくれないと思いつつも東京から浜松まで走ってしまった。料金所を過ぎてすぐさまチェックすると,なんとリアタイヤのパンクで空気がかなり抜けてしまっていた。トレッド表面はでろでろに融けて,まるでスリックタイヤでレースをした後のようだった。
 これは極端な例だが,タイヤの空気圧が低すぎるとロクなことはない。直進しなくなる,バンクすると不安定になる,タイヤが異常摩耗するなどなど。オフロードバイクでは,林道でわざと空気圧を落すことはあるそうだが,オンロードの場合,良いことは1つもない。
 慣れてくると,空気圧が0.3kg/cm2低いだけでも,違いを感じるようになる。たいていは,コーナリング中に荷重がかかった状態で腰砕けのような感じがしたり,スロットルを開けていった時に思ったように曲がらなかったりする。
 タイヤの空気は,場合によっては1カ月でもかなり減ってしまう。タイヤの性能を発揮し,バイク本来のハンドリングを楽しむには,まずタイヤの空気圧をしっかり管理することが基本中の基本だ。最低でも月に1回はチェックしたい。 
いつも工具箱に入っているエアゲージ


これが電動エアコンプレッサーだ
エアゲージは2輪用がオススメ
 とまあ,偉そうなことを言ってみたものの,ボクもそれほどシビアに管理しているわけではない。空気圧の管理は,簡単なようで結構難しい面がある。例えば,ツーリングに行った先でガソリンを入れる際にチェックしてもらおうとしても,その時はタイヤが暖まった状態なので,正確な空気圧を計れない。正しくチェックするには,最低でも自前のエアゲージが必要だ。
 普段のメンテナンスや,ツーリングに出発する前に,エアゲージで数値をチェックしておく。指定空気圧はバイクによって異なる。一般的には,太くて扁平率の高いタイヤほど,必要な空気圧は高くなる。例えば,SRXの純正リアタイヤ140/60R17は2.25kg/cm2だが,YZF-R6の180/55R17は2.5kg/cm2に指定されている。
 エアゲージは2輪用に市販されているものが各種ある。普通のアナログ計器のほかにも,ペンタイプやデジタルタイプなどがある。ボクはエーモン(自動車用品をたくさん出している)の2輪車用を使っている。たいへんトラディショナルで芸はないが,目盛が細かくて0.01kg/cm2まで読み取れるところが気に入っている。バイクによっては0.05kg/cm2単位で指定される車種があるので,できるだけ細かな数値が読み取れる物がよいだろう。
 エアゲージがあれば空気圧のチェックはできるものの,エアが足りなかった場合に補充することができない(減らすのはエアゲージに機能がある)。だからといって,ガソリンがあるのにスタンドへ行って空気を入れてくださいとも言えない。これが悩みの種だった。
グガガガガと空気を入れる
 ところが,ボクはダイクマ(安売り屋ね)で画期的な製品を見つけてしまったのだ。なんと,電動で空気を入れられるコンプレッサーだ。パッケージにはビーチボールから車のタイヤまでOKと書いてある。ずいぶん守備範囲が広くて,かえって不安だが,うまくいけば長年の悩みを解消できる。
 この電動コンプレッサーは,車のシガレットライターソケットから12Vの電源を取り,本体内のポンプを動かして空気を吹き出すというもの。使ってみると,これが思ったより具合がいい。バイクのタイヤに0.2kg/cm2程度の補充をするなら,数10秒で済んでしまう。
 半面,気になるところもたくさんある。まずは振動と音。どうやら内部でピストンを動かしているらしく,モーレツに振動する。放っておくと,ブルブルしながら勝手に動いて行ってしまうほどだ。音も「グガガガガ」とうるさいので,夜には使えない。
 エアゲージも搭載しているのだが,これがかなりいい加減なうえに,振動でブルブルしてしまって指針が読み取れない。仕方がないので,ある程度エアを入れたら,ちゃんとしたエアゲージで計って調整するようにしている。また,バイクや自転車なら大丈夫だが,4輪のタイヤに使おうとすると力不足のようだ。入らないことはないのだが,えらく時間がかかってしまう。
 そうは言っても,買った値段が2700円くらいだったので,多少の不都合は仕方ないと諦められる。ウチでは自転車のタイヤにも活躍しているので,コストパフォーマンスは良いだろう思っている。

追加情報: 通販の広告に充電式の空気入れなるものが載っていた。バッテリー式でコードレスなので使いやすいというのがウリらしい。便利そうだが,バッテリー駆動で本当にバイクや車のタイヤに対応できるのか,ちょっと不安。ちなみに,お値段は1万2800円と高かった。
シガーライターソケットから電源を取る



最後にエアゲージで調整する