Maintenance Note No.11
99年10月3日 マフラーからの排気漏れを修理
タイヤSRXのマフラーから排気が漏れていたの直した
ついでに,振動で壊れたり取れたパーツをいろいろ直したのだ

  前回に引き続き,今回もSRXの話題だ。今年の1月に久しぶりにマフラーを交換した。それまではスーパートラップのメガホンタイプを5年近く使っていたが,もう飽きてきたのと,もっと静かでちゃんとパワーの出るマフラーはないものかと探していたのだ。
 結局,結論としては静かで馬力が出るのはご存じヨシムラの「サンパー」しかないのだが,これはもう生産中止で簡単には手に入らない。次に良さそうなのはスーパートラップのインターナルタイプ。トラップディスクがサイレンサーに内蔵されているタイプで,露出してる一般的なスーパートラップよりも静か。排気管長が長くてサイレンサー容量が大きいおかげで,低速トルクが犠牲にならないところも良い。
 付けてみると,このインターナルスーパートラップなまずまずの性能で,今までのマフラーよりも若干静か。質感はイマイチだが,安いので納得できるレベル。やけに太いサイレンサーは力強くて気に入った。
ジョイント部に見える黒い部分が排気漏れの跡

バンドを緩めればサイレンサーは外れる

ジョイント部に液状ガスケットを塗る

これで完成。排気漏れはなくなった
  ところが,しばらくしてサイレンサーの取り付け部から排気漏れを発見。排気管の全周に渡って数カ所から漏れている。ただ,外から見て目立つ部分ではそれほどでもなかったので(簡単に言うと面倒くさかったので),そのままにして日が経ってしまった。しかし,これはあまり良いことではない。サイレンサーの前で排気が漏れると,騒音や性能面で影響が出る可能性がある。
 そこで補修と相成った。まずサイレンサーの部分を外す。これはボルトを2本外すだけで,スポッと抜けてしまうのでラクチン。ジョイント部を見ると,単に排気管にサイレンサーが差し込まれているだけ。これでは漏れても不思議はない。
 排気漏れを止めるには液状ガスケットを使う。手元に新品があったので,ジョイント部分をきれいにしてから周りに塗る。これで,元どおりにサイレンサーを付け直せばおしまい。作業は簡単だ。もし同じような症状が出ている人がいたら,簡単なのでトライしてみてはどうだろう。
 ところが,作業が終わってから,ふと液状ガスケットのチューブを見ると,「ラジエーター,水漏れ防止に最適」などと書いてある。むむっ,水と排気じゃえらい違いだ。液状ガスケットに種類があるとは知らなかった。近くの用品店に行って確認すると,確かに3種類の製品がある。つまり,超高温用(ヘッド,マフラーフランジの排気漏れ止め),燃料系用,水回り用の3つだ。どれもシリコーン系だが,特徴が違うらしい。
 ちょっと心配だったが,翌日SRXに乗ってみると,排気漏れは完全に止まっていた。どうやら大丈夫そうだ。もしまた漏れたら,今度は高温用の液状ガスケットを使うことにしよう。
振動でありとあらゆるものが落ちるのだ
 今回はさらに3カ所の不具合を直した。ボクのSRXは常にどこかが不調だ。最近気になっていたのは,ブレーキレバーを握ってもトップランプが点灯しないのと,ニュートラル以外のギヤポジションで,クラッチレバーを握っていてもスターターが回らないことだ。
 ブレーキレバーの方は,ストップランプを点灯させるスイッチを取り外してみると,錆が出ているうえに,スイッチを保護しているゴムブーツが変形して水などが侵入していたようだ。これはもう交換かなと思いつつも,CRC 5-56をスイッチ内部に吹き込んで,ゴムブーツを元に戻したら,これだけで直ってしまった。ついでに,カプラーとの接点をきれいにしたら,完全に動作するようになった。これで,ストップランプを点灯させるためだけにリアブレーキを踏む必要はなくなった(使わないんだよね)。
 クラッチの方はもっと簡単だった。クラッチレバーを握るとレバーの根本にあるスイッチが作動し,ニュートラル以外のギアポジションでもセルフスターターが回るようになっている。もちろん安全対策で,1速に入れたままエンジンが始動しないように配慮しているわけだ。この機構は動作しなくても普通にエンジンはかかるから,それほど不便ではない。ただし,発進時にエンストした時,わざわざニュートラルにしてから再始動するよりも,すばやくエンジンをかけられる。
 このスイッチを確認すると,何とそこに接続するカプラーが外れていた。抜け防止の爪があるにもかかわらず外れてしまうとは,SRXの振動がいかに悪影響を与えるかよく分かる。SRXは排気量600ccを超える単気筒エンジンだから振動は相当なもの。バランサー付きなのでSRに比べたら随分マシだが,それでもガタガタとよく揺れる。
 これまで振動が原因でいろいろなものを落っことしてきた。ボルトが1本抜けるようなのは日常茶飯事で,一番難儀したのはナンバープレートを落とした時だった。家に帰ってSRXをしまおうとしたら,ナンバーがないのだからびっくりした。
レバーを握ってもストップランプが点灯しない


錆びていたストップランプスイッチ



 ナンバープレートは陸運局で再発行できるが,それはナンバーが破損した時に確認できるくらいプレートが残っている場合のみで,なくなってしまうと紛失届を出したうえで新しいナンバーを取得する必要がある。交番へ行って「ナンバープレートを落としたので紛失届を書きたいのですが…」と言った時の,警官の呆れた顔をは今でもよく覚えている。
 つい先日は,右のリアウインカーが取れそうになっていた。もちろん,原因は振動で取り付け部のナットが緩んだためだ。対策としてネジロック剤を使おうかとも思ったが,外す時が面倒なので,同じ径のナットを買ってきて,ダブルナットにした。こういう場合プロはどうするのか知らないが,ボクの経験ではナットの緩み防止には二重にナットを取り付けるのが効果大だ。ボルトの長さに余裕があれば,お勧めできる方法だと思う。
 これで3つのマイナートラブルは解消した。ついでに,春の千葉ツーリングの途中で脱落した左のタンデムステップも,適当なボルトを買ってきて付け直した。これがないと,11月に控えている車検に通らないかもしれないからね。ああ,これも取れた原因は振動だった…。