Maintenance Note No.15
99年11月27日 フロントブレーキのローターを交換
SRXが3度目の車検を迎えた。これを機に,ブレーキローターを交換する
選んだのは伊ブレーキング社のSTREMX01だ

 SRXが3回目の車検を迎える。6年で3万8000kmを走り,ヤレ具合も進みつつある。目下の課題はフロントブレーキだ。SRXのブレーキはいろいろな事情があって,現在の形に落ち着いた。スタンダードのローターは,7000kmあたりでジャダーが出るようになった。ブレーキをかけると,レバーがぶるぶると震える現象だ。ディスクローターにわずかでも歪みがあると,油圧で増幅されてレバーに反力が返ってくるのだ。このローターはクレーム処理で交換した。
 ところが,交換したローターはわずか3カ月でまた同じ症状が出た。頭にきたので,リプレイスパーツを使うことにした。その時に選んだのが,M&Sの「SK5レーザー」だ。同時に,キャリパーはブレンボの鋳造に換えている。それ以来5年間,2万8000kmを走って現在に至る。
 SK5レーザーは,ステンレスでも鋳鉄でもない炭素工具鋼なる素材を使う。選んだ理由は,その当時新製品だったこと,ホールではなくスリットというデザインが珍しかったこと,そしてスタンダードのインナーローターを流用するため価格が安かったことが決め手になった。5年も使っておいて言うのもなんだが,SK5レーザーはあまり良いローターとは言えない。制動力は十分だが,初期の効き方がやや甘く,雨で濡れるとかなり甘くなる。ステンレスではないので,錆びてしまうのもイマイチ。形が気に入っていたので使い続けたが,それも限界に来た。
 ここ数カ月はわずかだがジャダーが出るようになった。ローターをよく見ると,かなり摩耗が進んでいて,パッドの当たり面とそれ以外の部分で段差が付いている。0.5mmくらいは減っている感じで,これはもう摩耗限界だ。さらに,ローターをつかむと,周方向にガタガタと1mmくらい動いてしまう。フローティングピンかインナーローターが摩耗したのだろう。これはもうダメだ。
雑誌のテストどおり摩耗が早かったSK5レーザー




デザインが気に入ったSTREMX01。フローティングピンはなぜか9本
ブレーキング社の製品はWGPでも使われている
デザインで魅せるイタリア製ローター
 というわけで,ローターを交換することにしたのだが,純正は価格が安いものの過去に苦い思い出があるので使いたくない。SRXで使える純正以外のローターとなると,ブレンボのステンレスか,プラスμの鋳鉄くらいしかないと聞いた。ブレンボは6万数千円と結構高め。プラスμはいまさら鋳鉄は使いたくないのでNG。いまやレーサーだってステンレスの時代なのだ。
 いろいろ探してみると,イタリアのブレーキング社がSRXに使えそうなローターをラインナップしていることが分かった。輸入元のBJD( 03-3851-8785)に電話してみると,「STREMX01」というローターがPCDもオフセットもSRXにぴったりで,そのまま装着できるという。写真を見るとインナーローターのデザインがカッコよくて,いっぺんに気に入ってしまった。価格も5万4000円とリーズナブルだ。
 こうして,車検に出すついでにフロントブレーキのローターを交換することにした。車検では,ついでにオイルとオイルフィルター,前後ブレーキフルードを交換してもらうことにした。1週間ほどでSRXは車検から戻ってきた。ちなみに,かかった費用は車検整備が8万8000円,ローターが5万4000円,オイルやフルード,それらの交換工賃が合わせて2万8000円で,合計17万円だった。これで,ボクのボーナスの取り分は全部なくなってしまった…。
 STREMX01はなかなかカッコイイ。大胆な肉抜きのインナーローターは,軽量なSRXの雰囲気にマッチしている。ゴールドのアルマイトは,フレームの色にもぴったりだ(完全自己満足モード)。効き味も悪くない。まだようやくアタリがついたところだが,SK5レーザーよりも初期からの食いつきが良い。ローターのホールが多いから,雨の日でもそれほど効きが悪くなることはないだろう。このSTREMX01は,MONSTERやFZRなどにも使えるらしい。ほかにも,たくさんの車種に対応した製品があるそうなので,ブレーキカスタムを考えている人は,検討してみてはいかが?