Maintenance Note No.19
2000年1月16日 カーボンフェンダーでグレードアップ
R6用のアフターパーツはまだ少ないが,その1つにカーボンフェンダーがある
装着は楽々だが,締めすぎと増し締めに注意なのだ

 ミレニアムを迎えるまであと1週間という週末,NAPS練馬店の年末セールに行ってきた。お目当てはR6用のカーボンリアフェンダー。セール期間中はなんと5%割引で買える。しかも,取り寄せOKで,購入額が1万円以上なら自宅に宅急便で送ってもらえるというサービス付き。特にマジカルレーシングの製品は店頭在庫している店が少なく,以前購入したFZ400用の段付きスクリーンはメーカーから直接送ってもらったが,送料+代引き手数料がかかるため割高になる。今回のセールを逃すわけにはいかない。
 マジカルレーシングのR6用カーボンリアフェンダーは2万4000円。届くのは年明けになるだろうということだった。が,12月29日の朝に巨大なダンボール箱が届いた。開けてみると中には男の子が入っていた…,わけではなく,ピカピカのカーボンフェンダーが鎮座していた。取り出して見てみると,曲線を多用した凝ったデザインで,単体で見るとエイリアンの頭のようでもある。

締めすぎるとパキッとなるのだ
 慌ただしい年末年始が過ぎて,1月16日,ようやくフェンダーを交換した。R6の小さなリアフェンダーは,トラス状のスイングアームに申し訳程度に付いてる。YZF-R1のそれに比べて,無塗装で小さいため全く目立たない。その点,マジカルレーシングのカーボンフェンダーはお目立ち度が高い。
桃から出てきた桃太郎



フェンダーとチェーンケースを兼ねる複雑な造形
あるのか無いのか分からないSTDフェンダー








トラスアームを覆う形が斬新
 リアフェンダーの本来の機能は,リアサスペンションユニットに泥水などがかからないようにすることだが,高速走行中はリアタイヤが巻き起こす乱流を整流する効果もあるという。カーボンフェンダーはノーマルよりも遙かに大きいのでその効果も期待できそうだ。「そんなの気休めだ」と思う人もいるかもしれないが,GP500マシンのNSR500だってリアフェンダーを装備しているし,R6は簡単に200km/hをオーバーするのだから,あながち「気分だけ」とも言い切れない。と,自分に2万4000円分の言い訳をしつつ,交換作業を始めた。
 作業の前は,ほんの10分で終わるだろうと思っていたが,意外にも時間がかかってしまった。その理由の1つは,ノーマルのフェンダーやリアのブレーキホース固定用金具のボルトに,ネジロック剤が使われていて外しにくかったこと。一部のボルトはソケットがかけられず,回すのが面倒だった。同様に装着も単純作業にしては時間がかかった。
 作業自体は簡単で,ノーマルのフェンダーとチェーカバーを取り外し,代わりにカーボンフェンダーを取り付けるだけのこと。カーボンフェンダーはフェンダーとチェーンケースを兼ねたデザインで,発想は斬新だ。取り付ける際には,外したボルトのうち2本は使わない。ちょっと厄介なのは,ボルトをどれくらいのトルクで締めたらよいのか分からないこと。市販のカーボンパーツは,カーボンとは言っても所詮はカーボンクロスを樹脂で固めただけ(ウェットカーボン)なので,ボルトを強く締めすぎると樹脂の表面が割れてしまうのだ。その直前くらいでやめておくのだが,今回も1カ所だけ「パキッ」とやってしまった。
 交換後のスタイルはなかなかよろしい。以前のスクリーンもそうだったが,マジカルレーシングの製品は精度や質感が高い。カーボンパーツとしても出来は良い方だ。R6以外のフェンダーやカウルなどのラインナップがあるので,オーナーは一考の価値があると思う。
 1時間ほど走ってから,ボルトを増し締めする。パーツ交換後の増し締めは必須作業だ。締めたボルトは走行後に必ず緩む。ボクはこの作業を忘れたがために,取り付けたパーツを数日後に落としたことがある。フェンダーなら落としても走行に支障はないが,特に性能に関わる部品を交換した場合は,増し締めをお忘れなく。