Maintenance Note No.21
2000年3月26日 「花咲かG」の威力を試す
以前から気になっていた「花咲かG」をついに購入した
バイクをピカピカに光らせるという,噂のケミカルの実力を試す日が来たのだ

 1年ほど前から気になっているケミカルがある。その名も「花咲かG」。なんともふざけた名前だが,抜群のツヤ出し効果で,このところマスコミに取り上げられることも多い製品だ。今回はこの花咲かGを使ってSRXを磨いてみた。
レストアラーが自分のために作った
 花咲かGの出生には,あるストーリーがある。開発元はファクトリー・ミルウォーキー。名前から分かるようにハーレーのレストアを中心に営業するショップだ。ここの代表(といっても一人らしいが)が,レストア作業をしているうちに,満足できるポリッシャーやワックスがないとことから,自ら作り上げたのが花咲かGというわけだ。その効果が認められ,口コミで噂が広がり,販路の拡大とともに,雑誌などにも取り上げられるようになったというわけ。
 その効果は,クリーナー,ポリッシャー,ワックスの要素を併せ持つという。ボクは今までバイクを磨く時には,まず塗装面をきれいにして,コンパウンドで細かい傷をならし,傷消しワックス(車用)で傷を埋めて,最後にワックスかフッソ系のコートをかけていた(このあたりの詳細はまた別の機会に)。効果は文句なしで,傷は消えてピカピカになるのだが,いかんせん手間がかかる。その点,これらの効果をひと拭きで発揮するという花咲かGは魅力的だ。
チューブに入った花咲かG
チューブに入った花咲かG
バイクパーツショップなどで売っている
左が磨き前,左側が磨き後
左が磨き前,左側が磨き後

フィラーキャップの汚れも落ちた
タンク全面を磨いた。結構光る
アルミパーツがみるみるツルピカに!
 さっそく,SRXのタンクで試してみる。表面の埃を拭き取った後,花咲かGをチューブから出して,ウエスでひたすら磨く。磨き終わったら,きれいにふき取ればおしまい。ふき取りに力はいらないから,作業性はすこぶる良い。
 写真のタンクの右半分が花咲かGで磨いた後,左半分は磨く前だ。違い分かるだろうか。もちろん磨いた方はきれいなのだが,期待していたほどピカピカになるわけではない。クリア層に入った傷が消えないから,“濡れたように光る”というふうにはならない。ただ,これだけ簡単な作業できれいになるなら,使う意味はあると思う。
 次にメーターパネル磨きにトライ。こちらはびっくりするほど効果があった。SRXのアルミメーターパネルは,ヘアライン仕上げになっているせいか,汚れが擦り込まれたようになって落ちにくい。結構まめにクリーナーで掃除していても,薄黒い汚れは容易に落ちない。
 ところが,花咲かGで磨いてみると,黒い汚れが浮き出るように取れて,いったん拭き取ってからさらに磨くと,ワックスを塗ったようにツルツルになったのだ。これには驚いた。写真の右半分が磨いた部分で,左側とは明らかに違うのが分かるだろう。同じようにトップブリッジも磨くと,キーホルダーなどで汚れたり傷ついた部分も,かなりきれいになった。
磨いた右半分はツルピカに
磨いた右半分はツルピカに
トップブリッジもきれいになった
トップブリッジもきれいになった。左と比べてほしい

ツヤの出過ぎと磨きムラには注意
 ほかにも,いくつかの部分で試したところ,以下のような特徴が浮かび上がってきた。つまり,@花咲かGは塗装面よりも,アルミやメッキ,プラスチックパーツのしつこい汚れを落とすと同時に,ツルピカにする効果が高い。A塗装面のごく浅い傷(擦れてわずかに白くなったような部分)を目立たなくすることはできるが,コンパウンドのように深めの傷を修整することはできない。Bツヤが出るから,ツヤを出したくない部分には使わない方がよい。渋いマット調仕上げまでピカピカになってしまう。C磨くにはある程度の力が必要なので,パーツが立て込んでいるような力を入れにくい場所では磨きムラが出やすい。このメーターパネルがまさにそうで,速度計の回りのあたりは力を入れにくいために,ほかの部分ほどピカピカになっていない。
 このように,決して万能ケミカルというわけではないが,メリットの多い製品で,評判になるのもよく分かる。価格が2300円と少々お高いが,かなり使いでがあるので,コストパフォーマンスは悪くはないだろう。あなたなら買いますか?