Maintenance Note No.22
2000年4月1日 破損対策にもなるか? カーボンシートカウル
だましだまし使っていたシートカウルがまた壊れた
強度アップの期待も込めて,スラクストンのカーボンシートカウルへ交換した

 SRXには構造上の弱点がいくつかあるが,その中でもシートカウルの欠陥には最も悩まされてきた。シートカウルをフレームに固定するステーが振動で折れてしまうのだ。これまでこのトラブルでシートカウルをダメにしたことがある。今回もまたステーが折れた。折れたのはもう半年以上前のことだ。シートカウルがガタガタと動くのでチェックしてみると,片方のステーが折れて,もう一方のステーも半分位までひび割れが進行し,あと少しで完全に脱落する状態になっていた。
 慌ててシートカウルを外し,2液式の強力な接着剤を使って補修する。しかし接着面が小さいため心もとない。そこで,ステーをゴム板ではさむように接着し,もしまたポッキリ折れても,カウルが脱落しにくくした。また,ゴムを介することで振動も低減できる。しかし,所詮こんなちゃちな補修では長くはもたない。いよいよステーの痛みが進んで,また脱落の危険が増してきた。
黒いシートにはカーボンが似合う?
 普通なら,新しいシートカウルを注文して取り替えればおしまいなのだが,ボクのSRXはカスタムペイントしているので,新品のカウルをいきなり塗り直すというぜいたくな作業が必要だ。もちろん,作業はペインターにお願いするのだが,それに要する時間やコストは馬鹿にならない。これを書いているのはペイントを頼んでから3週間後なのだが,いまだに出来上がっていない。
 ではその間ずっとSRXに乗っていないかというと,そんなことはない。毎日のように乗っている。実は,カーボンのシートカウルを買ってしまったのだ。99年の初め,とあるバイク誌がSRXを特集した。そこではバイクガレージ スラクストンのカーボンパーツやマフラーなどが紹介されていた。SRXのカーボンパーツは少ないから誌面を食い入るように見つめ,ミーハーな私は次の日にはカーボンのエアクリーナーボックスカバーを注文していた。
折れたステーを補修して使っていたが
折れたステーを補修して使っていたが





補修してもまた折れる。構造的欠陥だ
補修してもまた折れる。構造的欠陥だ

大きめのワッシャーと併用で固定


ちょっと分かりにくいかステーが曲がっている



曲線が強調されて迫力がある
曲線が強調されて迫力がある


テールはちょっとBuellのようでもある
テールはちょっとBuellのようでもある
     その際にカーボンシートカウルもあったのだが,自分にはカスタムカラーのカウルがあるし,誌面に載っていた写真ではイマイチSRXに似合わないような気がしたのだ。しかし,である。似合わないと思ったのは,ノーマルのSRXのシートがツートンカラーで,リアシートの部分がグレーになっているため,黒々としたカーボンとはマッチしなかったのだ。だが,ボクのシートは張り替えてあるため全面ブラック。カーボンシートカウルとも合うのではないか,と気が付いてしまった。おまけに,樹脂成形とはいえ,カーボンなら純正より強度が高く,破損対策になるかもしれない。そう気が付いてしまったらもう止まらない。またしても翌日にはスラクストンに電話して,3万4000円なりのカーボンシートカウルを発注していた。
    フレーム側のステーが曲がっていた
     シートカウルはすぐに届いた。箱を開けると,少々グロテスクなシートカウルが入っている。しかし,思ったより質感は高い。持ってみるとそれなりに重いが,剛性が高く,ノーマルのようにぐにゃぐにゃしない。取り付けステーの部分も頑丈そう。これなら簡単に折れることはないように見える。
     取り付けは簡単なはずだが…。スラクストンのカーボンシートカウルは,ステーの取り付け穴がノーマルよりも小さく,純正のやや特殊なボルトを使わなくても,大きめのワッシャーと通常のボルトやネジでとめられる。前のステーが折れた時に脱落したボルトを発注していなかったので,手元にある6mmの皿ネジと大きめのワッシャー,それに緩み防止のためにスプリングワッシャーを使って固定することにした。
     装着しようとネジを締め込んでいくと,パキッと音がして,シートカウルの表面の樹脂に小さいひびが入った。この手の製品では珍しくはないが,そんなに強く締めた覚えはない。
     そこでハタと思い出した。ネットで知り合った祁門さんが掲示板で指摘していたステーの曲がりである。シートレール(フレーム)側の取り付けステーが曲がっていて,シートカウルが正しく装着できないという話だ。
     果たして,ステーをよく見てみると,両方とも車体中央側へ向かって傾いている。この状態でシートカウルを付ければ,カウル側のステーも内側へ無理に曲げられてしまう。先ほどパキッとなったのは,ネジを締めることで無理矢理曲げられたからだ。その状態ではステーにストレスが掛かり続けるから,折れやすくなってしまう。プライヤーでステーが正しい方向になるように修整してから改めて取り付けた。
 さて,装着した姿はなかなかよい。全面黒のシートなので,シートカウルまで一体化したように見えなくもない。このカーボンシートカウルはノーマルと全く同じ形状ではなく,ほんのわずかではあるが横への張り出しが大きくなり,立体的な曲面がより強調されている。後から気付いたのだが,夜にブレーキランプが光ると,シートカウルが透けて赤く見える。ちょっと笑ってしまったが,これもまた面白い。カスタムカラーのカウルはもちろんよいが,たまにはカーボンというのもいいものだ。長く乗るバイクは,時々見た目を変えてやると新鮮な気持ちになる。飽きるまではしばらくこの姿で走ろう。
 最後に,こちらもやはりネットで知り合った大阪のa1さんにいただいたclub@SRXのステッカーを貼った。おしゃれな青いステッカーが,黒いカーボンのカウルに映える。ふふ,これを見て誰か声をかけてくれるかな。これからは,同じSRXと見るとすぐにバトルしてしまうのは自重しよう。でも,ステッカーを貼ったSRXを見たことがない。都内にいるのだろうか…。
※祁門さんとa1さんのホームページへは
Linxからどうぞ
    club@SRXのステッカーが映える
    club@SRXのステッカーが映える


    実際にはもっと透けて見える
    実際にはもっと透けて見える