Maintenance Note No.31
2000年12月10日 ブレーキリフレッシュ作戦 パーツ選び編
くたびれてきたSRXのブレーキをリフレッシュする
マスターとキャリパーはブレンボ。しかもアルマイト加工品をチョイスした

 前々回のメンテナンスノートで書いたように,我がSRXのブレーキシステムは経年劣化でかなりくたびれた状態にある。そこで,ブレーキのリフレッシュするため,マスターシリンダー,ホース,キャリパーを一新することにした。まずはパーツ選びからだ。
シングルキャリパーには13mmのマスター
シングルキャリパーには13mmのマスター
リザーブタンクはクラッチ用を
 バイクのパーツ選びは楽しいものだ。雑誌やカタログを見ていると夢が膨らむが,予算の制約を考えると現実に引き戻される。リーズナブルなコストで,そこそこのパフォーマンスを持つパーツとなると,おのずと選択肢は限られてくる。
 マスターシリンダーはブレンボのOEM用13mmとした。ドゥカティ向けの製品なので1万4000円弱と安価で,ブレーキランプスイッチも付いている。これに別体式のリザーブタンクとステー,タンクとマスターをつなぐホースのキットを組み合わせる。タンクは小型のクラッチマスター用をチョイス。実は,祁門さんのSRXにもこれが付いていて,スマートだったので真似をさせてもらった。キャリパーが1個しかないので,パッドが減ってもフルードはさほど減らないだろうという読みだ(だから,ダブルキャリパーでは避けた方が無難)。
ブルーのブレンボに一目惚れ
 キャリパーは少々迷った。最初に考えたのは,今と同じブレンボの鋳造だが,同じものというのもちょっとツマラナイ。R6の一体鋳造(住友電工製)を付けようかとも思った。ブルーアルマイトのキャップが似合いそうだったが,黒い無骨なキャリパーボディがSRXにマッチしない気がしてやめた。ちなみに,R6の一体鋳造キャリパーはピッチが100mmで,ボディの幅はブレンボ鋳造よりも少し厚い程度(90mm)なので,ボルトオンでSRXに流用できそうに見える。ただし,ブレンボよりも100g近く重く,焼結パッド込みの価格は3万円とやや高い。
 どうしようかと思いつつナップスへリサーチに行って見つけたのが,ブルーアルマイト加工したブレンボの鋳造。青く輝くボディを一目見て即決。これならブルーの我がSRXにぴったりではないか!

 キャリパーブレンボブルーアルマイト加工キャスト
 マスターシリンダーブレンボOEM用13mm
 リザーブタンクブレンボクラッチマスター用
 ミラーアダプターポッシュM10×1.25mm 正ネジ
 ブレーキホースGOODRIDGE700mmステンレスフィッティング
 バンジョーボルトアクティブアルミ 1mmピッチ
 エアブリーダーJP DURA-BOLTアルミボルト
 パッドピン
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ステンレス
 その他タンクステー,ゴムホース,銅ワッシャー,平型端子,ブレーキフルード
今回購入したパーツ。パッドピンは400円とお買い得
 この青ブレンボはナップスのオリジナルで,通常のキャストキャリパーをアルマイト加工に出し,再び組み立てて売っているそうだ。ボディを締結しているボルトもステンレスのキャップボルトに変更されていてスタイリッシュだ。
 ところが,1週間後の年末セール初日に買いに行くと,青ブレンボは既に売り切れて入荷待ちになっていた。それでも4〜5日で入るというので,送ってもらうことにした。ついでに,キャリパーに取り付けるエアブリーダーボルトも購入。当然,ブリーダーは元から付いているが,鉄製らしく質感が低いので,7000系のアルミを使用したというボルトにした。
耐久性ならステンフィッティング
 ブレーキホースはもちろんステンメッシュだが,今回こだわったのはフィッティング類がステンレスのホースにすること。今のアルミフィッティングには亀裂が入るなど,耐久性に問題がある。R6のように走行距離も乗る回数も少ないバイクならよいが,通勤に使うSRXではすぐに壊れてもらっては困る。
 ところがステンフィッティングのホースは品揃えが限られていて,自動的にGOODRIDGE(販売はアクティブ)になった。ホース長はノーマルと同じ700mmだ。このホースにはバンジョーボルトも付いているが,ピッチがヤマハやホンダに適合する1.25mmなのでブレンボには使えない。ブレンボに付けるには1mmピッチのバンジョーボルトを別途用意する必要がある。ボルトはいくらでも売っているが,残念ながらピッチが1mmで適切な長さのステンレス製ボルトは見つからず,ここだけアルミになってしまった。
 パーツ一式を買い込んで,幸せな気分で帰宅。キャリパーの入荷が待ち遠しい。その前に,マスターとホースは取り替えちゃおうかな。そうすれば,マスター単体の効果も分かるし,ちょっと不安のあるエア抜きも練習できるし,ちょうどいい。フルードとワッシャーは無駄になるが,数100円で済むから惜しいほどではない。という具合に軽い気持ちで始めた交換作業で,これほど苦労するとは,その時は想像していなかった。
 以下,次回に続く(まだキャリパーが届いてないんだよね)。

バンジョーボルトは色を変えてみたが…
バンジョーボルトは色を変えてみたが…

ピカピカ光るバンジョーが美しい
ピカピカ光るバンジョーが美しい