Maintenance Note No.37
2001年2月4日 simple greenはフィルター清掃に使えるか
たまにはR6のまじめな整備をしよう。エアクリーナーフィルターの清掃だ
一般的な灯油の代わりに,洗浄力抜群のsimple greenを試した

 すっかりビジュアル系モディファイ一直線になったYZF-R6だが,たまには真面目に基本整備をしようということで,今回はエアフィルターの清掃だ。それでも,単に清掃するだけでは面白くないので(面白い必要はないのだが),フィルターの洗浄に「simple green AUTOMOTIVE」を試すことにした。湿式フィルターは灯油で洗うのが普通だが,果たしてsimple greenはどんな効果を発揮するのだろうか。
新品同様に復活
 R6のフィルター清掃は結構面倒くさい。ストレート吸気のため,エアクリーナーボックスはタンク下に鎮座している。タンクの前半分にはガソリンの代わりに空気が入っているようなものだ。だから,まずタンクを外す必要がある。
 タンクはヒンジで後方にティルトアップするのだが,なぜか90度以上には上がらないため,そのままでは整備できない。つっかえ棒をするという手もあるが,外れると危ないので素直にタンクを取り外した方が作業しやすい。ガソリンコックをオフにして,タンクから出るブリーザー/空気入れホース,ガソリンホース,燃料計のカプラーを外してから,ようやくタンクを取る。タンクはSRXよりもずっと大きいので,ガソリンが入っているとかなり重く感じる。
 エアクリーナーボックスのふたを開けるとフィルターが見える。8000kmを走行後のエアフィルターは黒ずんでいて,虫の死骸やら草の種などが付着しているが,予想していたよりはきれいだった。フィルターは湿式なので洗浄すれば再使用できる。
 まず,simple greenの原液をトレイに注いで5倍程度に薄める。さらに,フィルターには直接原液をスプレーして,よくもみ洗い。フィルター表面のゴミは柔らかいブラシを使って落とす。冷たい水に手がかじかむが,我慢して洗っていると新品同様にきれいになった。
simple greenは満点とはいかないが
 ただし,simple greenは溶剤ではないので,フィルターに付いた古いオイルを完全に洗い流すことはできなかった。また,すすぎ洗いと,その後の乾燥にも時間がかかる。独特の匂いがガレージに充満してなかなか消えないのもマイナスポイント(嫌な匂いではないが)。灯油が手元にない場合にはよい代用品になるが,手間を省くとまではいかなかった。
 フィルターにオイル(MOTULだ)を染み込ませ,タンクを取り付けたらおしまい。フィルターがクリーンになったところで試運転だ。1速で1万2000rpmも回すと,みるみるフロントが浮いてくる。相変わらずパワフルだ。もっとも,ボクなんかでは10馬力くらい減っていても分かりゃしないだろう。120psのR6でも,パワーが足りないと思う日が来るのだろうか(いや来ないだろうな)。

自動車清掃用のsimple green
自動車清掃用のsimple green



清掃前

清掃後
心配していたほどひどくないが
ラムエアなので汚れやすいかも