Maintenance Note No.40
2001年3月4日〜14日 タイヤ交換と格安車検
R6のメンテナンスはいよいよ仕上げ段階
タイヤを交換し,1万4700円という格安車検にトライした

 R6はチェーン交換,オイル・オイルフィルター交換,エアクリーナー清掃を終えて,最後にタイヤを替えればメンテナンスメニューが終了する。そして,仕上げは車検だ。
このタイヤは何だ!
 標準装着のダンロップD207はとっくに交換時期を過ぎていたが,D207RRという名前で報道されていた新モデルの登場を待っていたのだ。ところが,D208という名前で4月1日に発売されることになったこのタイヤは,レース用であるD207GP☆の後継モデルだという(後日,実際にはD208とD208GPがあるという情報が入った)。3月31日のサーキット走行会前に交換する必要もあり,新しいタイヤはブリヂストンのBT-010に決めた。実は天下のブリヂストン製品を使ったことがないので,ここらで経験しておくのもよいだろう。
 ナップスに出かけて,なじみの店員さんにタイヤ交換を頼む。今日はR6だと言うと,すぐさま在庫を引っ張り出してきた。D208の話などをしながら手続きをして待つこと30分。新しいタイヤを履いたR6を引き渡された。ところが,折しも雨が降り始め,慌てて帰路につく。いきなり新品タイヤでウェットというにのはまいったが,それでも軽くスラロームをして感触を確かめる。非常に軽快で,これがBT-010の特性かと思ったのだが…。
 濡れながら家に着き,ガレージの前で車体を拭く。すると,フロントフェンダーとタイヤの隙間が異様に狭いことを発見。普通なら指が1本入る程度は空くはずだが,指どころか爪しか入らないほどクリアランスが小さい。いくら製品が違うからといってこれほどタイヤ外径が変わるはずはない。ん? なんだかサイドウォールが高いな。よく見ると,120/70と書いてある。おいおい,R6のフロントは120/60だよ〜。妙に軽快だったのはこのせいだったのか。
 すぐ店に電話すると,店員が勘違いをしていたのが判明。ボクも雑談に気を取られて,サイズとちゃんと確認しなかった。雨が降っていなければ,走る前にチェックしたので気が付いただろう。運が悪かった。店の方では来店すれば交換してくれるという。今回はボクの確認ミスもあるので,替えてくれるのなら文句はない。1週間後にもう一度タイヤ交換をすることになった。
フェンダーとのクリアランスは1mmくらい
フェンダーとのクリアランスは1mmくらい
新品タイヤを履いてゴキゲンれが見納めだった
新品タイヤを履いてゴキゲン
しかしアクラはこれが見納めだった
1万4700円の格安車検
 3月はR6の車検がある。ユーザー車検をすれば安上がりだが,車検場が最も込み合う時期に,いつになるか分からない予約を取って平日に出向くのには無理がある。仕事が暇な時期なら考えないこともないのだが。
 R6のメンテナンスはきっちりやっているし,実際調子がよい。コンディションには絶対的な自信があるので,いわゆる車検整備はせずに,単に車検代行をだけをやってくれるところを探したが,車と違ってバイクでそういう店は見つからなかった。
 代わりに,目にとまったのがベストバランスインターナショナル(BBI)のホームページ。そこでは,最も簡単な「ライト車検」というメニューが4700円で,代行費用が1万円だという。普通のバイク屋に車検を頼むと,整備と代行で3〜4万円くらいはかかるから,1万4700円は格安と言うほかない。しかも,無料で代車まで貸してくれるという。
 さっそく電話して予約する。3月10日に再びナップスに出向いてタイヤを交換する。今度は大丈夫だ。その足でBBIへ直行。ところが,住所を頼りに店を探すが,なかなか見つからない。ふと道沿いにバイクが数台置いてあるのを発見。その横にある,トタン張りの小屋のような建物をよくよく見ると,ベストバランスインターナショナルと書いてある。
 こう言っては失礼だが,建物はかなりみすぼらしい。こんな店で大丈夫か,と思いつつ引き戸を開けると…。中にはバイクがびっしり並んで,どれもメンテナンス中だった。店の中がバイクで埋まっているので,中に入れてもらえず,外で書類を書いたり話をする。ちょっと不安も感じたが,対応してくれたメカニックの感じがよかったので任せることにした。
 ただ,借りられるつもりでいた代車がなかったため,ヘルメットを抱えて電車で帰るはめになった。BBIは業平にあるので,浦安からはバイクなら25分くらいだが,電車ではその倍もかかった。
整備記録簿の真偽は?
 週末を挟んで4日後,BBIに電話すると,もう車検は終わったという。平日に取りに行く暇はないし,次の週末は雨の予報。おまけに代車が借りられなかったので店まで行くのが面倒だ。納車を頼むと6000円もかかるという。ホームページで書いてあった代車をあてにしていたと話すと,4000円にまけるという。でも,バイクで25分のところに4000円はないだろうと交渉すると,3000円にしてくれた。納車費用を値切るヤツはあまりいないだろうなあ。
 納車されたR6に付いていた整備記録簿を見て仰天した。もちろん,異常や要交換パーツはなかったのだが,なんと「プラグ清掃 OK」と書かれていたのだ。R6オーナーならすぐ分かるだろうが,プラグを外すためには,タンク,ラムエアダクト,エアクリーナーボックス,さらに泥よけ板を取り去る必要があり,非常に手間がかかる。普通にバイク屋で頼んだら,工賃だけで1万円くらいはかかる内容だ。
 それを4700円の整備料金でやってくれたというのか。にわかには信じ難い。さらに,ブレーキパッドの厚みも書き込まれていた。リアのパッドを外すには,マフラーの脱着が必要なはずだが,そうした形跡は見られなかった。
立派な整備記録簿が付いていた
立派な整備記録簿が付く
 さすがに後から「本当にプラグ清掃をしたのですか」とも聞きづらいので,本当のところは分からない。ボクとしては,全く点検してくれなくても文句はなかったのだが…。実際のところどうなのか確かめられなかったものの,愛車の整備状態に自信があるなら,この「ライト車検」で十分だろう。なんと言っても,自賠責の保険料や税金を足しても,4万5000円(納車費用を除く)で車検を通せるのだから。
 そうそう,ポジションランプを改造したビルトインウインカーは,そのまま車検を通った。これで,保安基準に適合することが証明されたわけだ。
 車検が済んでタイヤも新品になった。仕事の帰りにタイヤの皮むきでもしようと思って,R6で会社へ行った。それが,あんな不幸な出来事に遭うことになるとは思いもしなかった。続きは次回に。