Maintenance Note No.46
2001年6月30日 パワーチェックでマフラーの特性をチェック
ダイノマシンでSRXのパワーをチェックした
パワーカーブを見ることでマフラーの特性がよく分かった

後輪が高速回転する様子は迫力満点
後輪が高速回転する様子は迫力満点
手前にあるのは音の測定器


maxpoower: 41ps maxtorque: 4.8kg-m
maxpower: 41ps maxtorque: 4.8kg-m



計測にはノートパソコンを使う
masudaさんのdb1はハイカム+FCR
計測にはノートパソコンを使う


計測中は冷却のために前方から送風する
makotoさんのカタナもFCR付き
計測中は冷却のために前方から送風する

 ある日,1枚のハガキが届いた。大森にあるバイクショップ,ブルーライトニングレーシング(BLR)からだ。CBR1100XXのターボキットの発売キャンペーンとして,1000円でパワーチェックをしてくれるというのだ。通常料金は5000円だから破格の安さ。これを利用しない手はないと,仲間を誘ってBLRへ赴くことになった。
41馬力を記録
 今回参加したのはボクのほかに,勤務先のバイク仲間であるmasudaさんと,1100カタナとSRX(1JK)に乗るmakotoさんだ。キャンペーンには優待券としてのハガキが必要なので,二人の分は今回参加を見送ったNOZZY氏に融通してもらった。
 BLRが導入しているシャシーダイナモは有名な「ダイノマシン」。ここでパワーチェックするのは3回目。実は最初に訪れたのは仕事でだった。2回目は2000年1月にSRXを持ち込んだ(メンテナンスノートNo.18参照)。その後,マフラーをスーパートラップからハヤシカスタムのチタンオーバルに替えたので,今回はその実力を試そうというわけだ。
 ベンチにSRXを載せて,エンジン全開! 轟音が耳をつんざくかと思いきや,意外に静かだった。ちなみに音量まで測定して,結果はピークで114dbだから,実際それほどうるさくはないようだ(規制値は全開で計測するわけではない)。
 気になる結果は41馬力。前回の計測では40.4馬力だったから,ほんの少しだけパワーアップ(前回のグラフはこちら)。まあ,この程度では測定誤差の範囲だろうが,数値が上がるとやっぱりうれしいものだ。ところが,トルクの方は4.8kg-mで,前回からマイナス0.2kg-mとなってしまった。これも誤差に近いけれど,気分は良くないなあ。ただし,前の計測は真冬の寒い時期で,今回は気温が30℃近かったので,その分を差し引きすれば満足すべき結果だろう。
マフラーの特性が明らかに
 パワーカーブを見ると,3250〜3400rpmに少し谷があるものの,きれいな直線で上昇している。トルクの方も,その谷を除けば気持ちが悪いほどフラットだ。ボクのSRXは2500rpm以上ではどこでも同じようなトルクが出るので乗りやすい。数値でもそれがはっきりと分かる。
 トルクの谷は実際に乗っていても感じられる。体感では3200rpmから少しだけ回転の上昇が鈍るのだ。この点についてはマフラーを交換した時にメンテナンスノートのNo.42で指摘した。注意してないと気付かない程度なのだが,ちょっと残念な点だ。この谷はスーパートラップ時には出なかったことと,ハヤシカスタムの試乗車に乗った際にも感じたことを考え合わせると,チタンオーバルマフラーの特性なのだろう。
 ボクのSRXは621ccでFCRφ35が付いている。3SXのカタログスペックは42馬力,4.9kg-mで,シャシーダイナモでの実測では15〜20%くらい落ちると言われているから,吸排気系のモディファイだけで41馬力ならば,まずまずの結果と言えるだろう。ところで,同行したmasudaさんのbimota db1はハイカム効果で70馬力オーバー,makotoさんのカタナはFCR効果で101馬力と大健闘だった。
 パワーチェックをすると,結構いろいろなことが分かるものだ。吸排気系を替えて,その効果を目で見たければ,これほど分かりやすいものはない。一度は経験してみることをオススメする(計測の手間を考えると5000円でも高くはない)。ちなみに,BLRは双子のオーナーがフレンドリーで技術にも定評がある。SRXなんかよりもR1やR6などの方が得意だと思うので(たぶんね),チューニングなども相談して損はないだろう。