Maintenance Note No.48
2001年8月25日 R6にバッテリー液漏れ発生か?
ある日,ガレージの床に奇妙な液体が落ちているのを発見した
シート下から漏れていたためバッテリー液が漏れたかと思い慌てたが…

 最初にお断りしておくが,今回のメンテナンスノートは整備や改造の参考には全くならない。ただ,あまりにもおかしな話だったのでレポートすることにしたのだ。
 新品のタンクが装着されて戻ってきたボクのYZF-R6。その数日後,ガレージに佇むR6のリアタイヤの下に目をやると,茶色い液体が床にたまっている。ちょうどリアスプロケットの真下辺りだ。色はオイルにそっくりだが,チェーンやスプロケからオイルが漏れるはずはない。洗車したときの汚れた水がどこかにたまっていて,それが落ちたのだろうと思い,さして気にすることもなくそのまま忘れていた。
またしても茶色の液体が
 ところが一週間ほど後,またしても全く同じ位置に同じく茶色の液体が落ちているのを発見した。一体何なんだ? さすがに今度は気になって,液体がどこから出ているのかを調べ始めた。
 垂れているのは,まずチェーンから。その上をよく見ると,スイングアームから落ちてきている。スイングアームの上面には液体が伝ってきた跡がある。それをエンジンの方へ辿っていくと,シートカウルの下面からスイングアームに何かが漏れているのが分かった。シート下にあるのはバッテリーだ。すわ,液漏れか!
 R6は当然シールタイプのMFバッテリーだが,MFだからといって絶対に液漏れしない保証はない。しかも,バッテリーは横倒しで積まれているから,バッテリー液が漏れてシートカウル下の水抜き穴から出てきているというのは十分考えられる。だとすると厄介だ。慌ててシートを外し,バッテリーを取り出す。しかし,MFバッテリーに異常はない。おかしいなあ。だとすると液体の正体は?
 さらにシートカウルの内部をよくよく見ると,バッテリーの横にあるわずかな隙間に,溶けてドロドロになったアメを発見(しかも2個)。数カ月前,ツーリングに行く際にリアシート内部の荷物入れに放り込んだ「のど飴」だ。それがなぜこんなところに…。
 もしかして,謎の液体は溶けたアメってこと? 床にたまった茶色い液体を,指にすくって恐る恐る舐めてみる。甘い…。ここでボクはあまりにバカバカしい結末にひとり大笑いしてしまった。なんのことはない,シート下に紛れ込んだアメが高温で溶け,シートカウル下の水抜き穴からスイングアームに垂れて,スイングアームを伝ってスプロケの下まで流れていたのだ。
 リアシート下にあるR6の荷物スペースは前方に隙間があるため,小さな物を入れておくと隙間をすり抜けてシートカウル内のスペースに入り込んだりすることは分かっていた。このため盗難警報装置のリモコンが荷物スペースから消えて慌てたことがある。しかし,まさかアメがバッテリーの横に飛び込むとは想像しなかった。R6のオーナーは,荷物スペースに小さな物を入れないよう注意した方がよいだろう。
ガレージの床にできたこのシミは?
ガレージの床にできたこのシミは?

スイングアーム上面を伝って来ている
スイングアーム上面を伝って来ている

さて,これは何でしょう?
さて,これは何でしょう?

アメの色は…,オイルにそっくり?
アメの色は…,オイルにそっくり?