Maintenance Note No.51
2001年11月3日 マフラーの音量を測定
自分のマフラーがどらくらいの音量なのか知っている人は少ないだろう
精密騒音計を使ってハヤシのチタンオーバルの音量を測定した

 マフラー交換といえば,カスタムの王道。実際,お気に入りのマフラーを付けているライダーは多いだろう。しかし,自分のマフラーがどれくらいの音量なのかを知っているだろうか? メーカーによっては音量を公開していたり,JMCAの認定を受けていることで,分かることもあるが,全然知らないというライダーもまた多いだろう。
 ボクがSRXに装着しているハヤシカスタムのチタンオーバルスリップオン(詳細情報はこちら)も音量が分からない。車検に通るように設計してあるから,近接騒音が99dB以下であることは間違いないはずだが,現実にどれくらいなのかは測ってみないことには分からない。
精密騒音計で測定
 たまたま精密騒音計なる物を入手した。といっても,計測器メーカーから仕事で借り出した物なのだが,バイクで休日出勤したのをいいことに,マフラーの音量を測ってみたのだ。音量規制の一般的な測定方法に準じて,マフラーの排気口から45°ずらした後方50cmに計測器を置いた。
 気になる結果は,まずアイドリング(1200rpm)では約78dB(A)。といっても分かりにくいだろう。だいたい電話のベルが70dB,大声の会話が80dBくらいと言われる。マフラーからわずか50cmの距離で測っていることを考慮すると,結構静かと言ってよさそうだ。走っている時は数秒で通りすぎてしまうバイクも,信号待ちや朝の暖機では数十秒〜1分くらい同じ場所で音を出し続けるわけだから,アイドリングで静かだというのは重要だ。
 次いで,巡航時に持続することの多い回転数である2500rpmでは89dB(A)で,音は一気に大きくなる。10dB違うと,聴感上は2〜3倍になったと感じる。5速2500rpm,60km/hで走っていると,乗っている本人は風切り音の方が大きくて,排気音はほとんど気にならないのだが,バイクの後方ではそれなりの音がしているというわけだ。
 近接排気騒音の計測では,最高出力を発生する回転数の50%での音量を測る。それにならうと,ボクのSRXは3000rpmが計測ポイントということになり,その時の音量は92dB(A)だった。規制が99dB(A)以下で,多くの社外マフラーが95〜98db(A)であることを考えると,ハヤシのチタンオーバルは静かな部類に入ると言ってもよさそうだ。実際,スーパートラップ(ディスク5枚)から交換した際に,静かになったと感じたから,単気筒用のマフラーとしては十分な消音性能を持っている。まあ,それでももう少し静かだといいなと思うことはあるのだが,シングルで消音性能と抜けの良さを両立するのは非常に難しいから,このあたりが妥協点としてはよいのかもしれない。
 最後に,念のため付け加えておくが,今回の計測は(計器は非常に正確だが)計測方法がいい加減なので,マフラーの音量や商品性を正確に表しているわけではないことをお断りしておく。あくまでも参考値として見てもらいたい。
内部はストレートながらバッフルを内蔵
内部はストレートながらバッフルを内蔵




精密騒音計を使って計測した
精密騒音計を使って計測した