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ことの始まりは7月の初めに遡る。東亜システムクリエイトという会社からメールが届いた。社名を聞いてピンと来た人はスルドイ。「マルチエキサイト」という名のスパークプラグを販売している会社だ。メールの内容は、そのプラグをモニターしてみないかという話だった。 ボクのSRXはちょうどプラグの交換時期だった。使用中のプラグは、耐久性を調べようと交換時期を引き伸ばしていたが、それもそろそろ限界だ。そこで、NGKの「イリジウムIXプラグ」にするか、東亜システムクリエイトのマルチエキサイトプラグにするか検討しているところだった。マルチエキサイトは以前から興味はあったものの、高価なため実際に使うことはなかった。ところが、この春から値下げしたというニュースを知り、候補に入れた。そんな折、製品モニターの話が来たため乗ることにしたわけだ。 低回転で変化あり マルチエキサイトは非常にユニークな構造のプラグだ。一般的な側方電極が無く、一見すると中心電極のみのように見える。実際には中心電極の根元の方にあるブリッジプレートと呼ぶ電極部が側方電極の代わりをしている。 交換作業はいつもと変わりなく、丁寧に作業しても15分ほどで終わる。少しの試乗だけではプラグの違いは分かりにくいから(結局分からないこともあるが)、300kmほど走っての感想を書こう。 最初に気づいたのが排気音の変化。低回転での音が硬質に聞こえる。爆発の状態が変わっているのだろうか? しばらく乗って感じたのは、2000〜3000rpmでややギクシャクすること。ほんの少しの違いではあるが、スロットルを開け始めたときに車体が強く押し出される感覚がある。低回転でトルクが出ているからかもしれない。 その一方で、中回転〜高回転では違いを感じなかった。高回転型の4気筒エンジンよりも、SRXのような単気筒にマッチする可能性がある。エンジンの始動性も変わらない。元々、ボクのSRXは真冬以外は瞬時に始動するから、変わりようはないのだが…。耐久性については、後にImpressionsのコーナーで報告しよう。 さて、これまで書いてきた印象は、その直前まで装着していたデンソーの「イリジウムパワー」との比較だ。ノーマルプラグよりアドバンテージのあるイリジウムプラグと比べての話だから、ノーマルと乗り比べればまた違った効果を確認できるかもしれない。 |