Maintenance Note No.62
2002年8月4日 フラッシングでエンジン内の汚れを取る
オイルを交換しても全量入れ替わるわけではないから汚れは残る
そこで、2回続けてオイル交換することでエンジンのクリーニングを試みた

 SRXのオイル交換に関して、以前からずっと気になっていたことがある。現代的な水冷エンジンに比べると、SRXの空冷エンジンはオイルの汚れが激しい。ボクは3000〜4000kmで交換しているが、オイルはいつも真っ黒だ。
 そこで考えるのが、いわゆるフラッシングだ。オイル交換の際に、いったん別のオイルを入れて循環させ、エンジン内部をクリーニングしてから新しいオイルを入れるというもの。
 そうすれば、さぞかしきれいになるだろうと思うのだが、カー用品店で売られているフラッシング用のオイルは使うに気になれない。エンジン内部のオイルは通常の交換作業では100%入れ替えることは不可能。必ず元のオイルが残ってしまう。得体の知れないフラッシング用オイルを入れれば、それが混じった状態で走ることになってしまうからだ。ならば、いつも使っているオイルでフラッシングすればよいわけだが、それだけのためにオイルを2リッター以上消費するのは抵抗感があって実現していなかった。

いつものように出てきたオイルは真っ黒


交換直後だというのにオイルはひどく汚れている
新しいオイルはカストロールの「GPS 15W-50」
詳細は「Impressions」を参照してもらいたい
必ず同じオイルを使う
 機会はひょんなことから巡ってきた。なぜかオイルパンのドレンボルトが外れないのだ。手持ちの工具では回すことができず、ボルトを舐めると嫌なのでさっさと諦めた。SRXはオイルタンクにもドレンがあるから、これでもオイル交換は可能だが、当然抜けないオイルが増えてしまう。ならば、これを期にフラッシングをしてしまおうというわけだ。
 オイルとオイル処理用のボックスはいつもの2倍用意する。オイルタンクから出てくるオイルは真っ黒だ。フラッシング用として入れるオイルは、通常使用しているのと同じカストロール「GPS 15W-50」だ。近所にオープンした用品店の開店セールで安くゲットした。もちろんオイルフィルターも交換だ。
 これで15kmほど走って、オイルをエンジン各部に行き渡らせる。既にこの時点で、ニュートラルが出やすくなるなど、オイル交換の効果は現れている。
交換したオイルも真っ黒
 ガレージに戻ってから、どんなオイルが出てくるのかとドキドキしつつドレンボルトを外すと…、最初と同じくらい黒いオイルがドバドバ出てきて閉口した。元のオイルが多少残っていたにしても、この汚れ方は一体何なんだ? 15kmの走行でオイルが劣化することはないから、すべてはエンジン内にあった汚れなのだ。
 同じオイルを入れて再度試走すると、さらにシフトフィールが良くなっている。実質的なメリットはその程度だが、エンジン内の汚れがきれいに洗い流されたかと思うと、えも言われぬスッキリ感が精神的にはたいへんよろしい。
 きちんとオイル交換をしても全量交換はできないし、汚れはエンジン内に残ってしまうから、フラッシングする意味はあるだろう。ポイントは、必ず同じオイルを使うことと、安くて性能の良いオイルを見つけることだ。環境にも財布にも優しくないから、決してお勧めはしないけど…。