これまでSRXに履いていたミシュランのMACADAM 100Xは驚くほど耐摩耗性の高いタイヤだった。1万1400kmを走行しても、リアタイヤは真ん中が少し平らになっただけで、サイドは新品とあまり変わらないほど。しかし、フロントはブレーキングによって偏摩耗し、寿命を迎えることになった。いい加減、飽きてきたこともあって新しいタイヤに交換した。 第一印象はすこぶる良し ブリヂストンの「GPR-80」を入れるつもりでショップへ行くと、ミシュランの「Pilot SPORT」が思ったより安かったため、急遽方針を変更。Pilot SPORTは評価の高いタイヤだけに、SRXとのマッチングを試したくなった。 結論から言えば、とても気に入った。乗り始めてすぐ気付いたのが乗り心地の良さ。MACADAM 100Xはミシュランにしては乗り心地が固かったが、Pilot SPORTは地面との当たりの柔らかさを感じる。 ハンドリングは非常に軽快で、バンクしていくスピードも自然だ。浅いバンク角でもよく曲がる。ただ、交差点の左折のような低速では、切れ込むというほどではないものの、やや舵角が付きすぎる傾向がある。 まだ本格的にワインディングを走っていないのでグリップのレベルは分からないが、MACADAMのように簡単に滑ってしまうことはなさそうだ。ただ、サイドがかなり切り立っているので、タイヤの端まで使うのは結構難しそうに見える。 MACADAMからの交換で印象的なのはリアの軽快感だ。というとちょっと分かりにくいだろうが、リアホイールが小さくなったかのように、リアからスッと寝ていく感じがあるのだ。実際、MACADAM 100Xの150/70とPilot SPORTの150/60とでは、扁平率が違うため外径寸法も30mmほど違う。もちろんPilot SPORTの方が小さい(ちなみにフロントの外径は全く同じ)。軽快感が外径の差から来るものなのか、プロファイルの違いによるものなのか分からないが、今のところネガティブな面は見当たらない。 外径が小さいと速度は遅くなる? ここで気になったのが、タイヤの外径寸法差から来る速度の変化だ。MACADAM 100X(150/70)の外径は642mmだから、仮に1秒間にタイヤが10回転すると速度は約72.5km/hだ。一方、Pilot SPORT(150/60)は612mmだから約69.2km/hとなり、約3km/h遅くなる。つまり、同じエンジン回転数で走っても、Pilot SPORTでは速度が3km/h低いわけだ(ローギヤードになる)。 なぜこんな話を持ち出したかというと、今までと同じエンジン回転数走っていると、ほんの少し速度が遅いように思われたからだ。SRXのタコメーターはあまり当てにはならないため、気のせいかもしれないのだが…。 さらに話をややこしくしているのが、これより1カ月半前に交換したプラグ「マルチエキサイト」の効果だ。このプラグのおかげでノンスナッチで走れる限界速度が若干下がった。これにタイヤ交換の効果が加わり、我がSRXは5速、50km/h(2200rpm弱)でも走れるようになってしまった。プラグ交換前が55km/hだったから、その差は大きい。実際に高いギヤでトコトコと走っていたら、燃費が良くなったほどだ。 タイヤ外径と速度、トルク感、トラクション、エンジンへの負荷などの関係は正直言ってよく分からない。しかし、タイヤ交換でハンドリングの違いだけでなく、エンジンにも影響があることを実感したのは面白い経験だった。 |
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