Maintenance Note No.71
2003年3月29日 究極の贅沢? アルミ削り出しアンダーブラケット
Ki-man's Garage製作のアルミ削り出しアンダーブラケットをSRXに装着した
ハンドリングが軽快になる効能もさることながら、その高級感には思わず頬が緩んでしまった

 今回は“自慢モード”で始まります(読んで不愉快になったらゴメン)。ごちゃごちゃ説明する前に、まず下の写真を見てもらいたい。ゴールドに渋く光るアルミ削り出しのアンダーブラケット! フレームからチタンコートのインナーチューブ、そしてアンダーブラケットへと続くゴールド系のラインが完成。我がSRXが30万円は高いバイクに見える。まあ、それは少々大げさとしても、相当に高級感がアップしたのは確かだ。
 このアンダーブラケットはKi-man's Garageのオリジナル製品。大きなアルミのインゴットから時間をかけて削り出し、ボクが希望したシャンパンゴールドのアルマイトかけた一品だ。写真を見てもらえば分かるように凝った造形をしており、十分鑑賞に堪える。
 底面は大胆に削り込んで肉抜きしてあり、おかげで鋳鉄製のノーマルアンダーブラケットより700グラムも軽量だという。それでいて剛性はノーマルを上回るというから頼もしい。どんな乗り味になるのか楽しみだ。
特注アルマイトでフレーム色とのマッチングもばっちり
特注アルマイトでフレーム色とのマッチングもばっちり

単体で持ってみると驚くほど軽い
単体で持ってみると驚くほど軽い

インナーチューブとの嵌合部が広くなって剛性もアップ
インナーチューブとの嵌合部が広くなって剛性もアップ

ホーンはここに。ノーマルのライトだと難しいかも
ホーンはここに。ノーマルのライトだと難しいかも

ホーンの行き先は?
 交換作業の前に1つだけ準備しておくことがある。アルミアンダーブラケットにはホーンのステーが固定できないため、あらかじめ移しておく必要がある。色々考えた結果、タコメーターのふたを固定しているボルトに薄いステーを共締めし、その先にホーンを付けることにした。こうすればホーン自体はメーターとヘッドライトの隙間に潜り込むため、外からはほとんど見えない。
 これまで使っていたホーンは錆だらけになっていたので、何か良いホーンはないかと情報を求め、ホーネット250の純正品を注文することにした。果たして、ホーネットのホーンは地味だがスッキリしたデザインでなかなか良い。が、誤算だったのはホーン本体とステーがリベットで固定されていたこと。このため変則的な固定方法になってしまったが、何とか収まったのでヨシとしよう。
 このホーンは音質面でSRXの純正品よりは多少マシだ。SRXのそれが原チャリ並みだとすれば、ホーネットのは軽自動車くらい。高級とはとても言えないが、以前ほどは悲しくない音質になった。

スラロームで分かるその違い
 話はアンダーブラケットに戻る。交換作業もKi-man's Garageでお願いした。せっかくブラケットを換えるのだからと、ステムベアリングも交換してもらった。古いベアリングはレースに打痕が付いていて「終わった」状態。ステアリングの動きに違和感はなかったが、下り坂で両手を離すと、まれにハンドルが小刻みに振れることがあったのは、そのせいかもしれない。
 交換が済んだら早速試乗だ。実際に乗り出す前は、アンダーブラケットが変わっただけではそれほど大きな変化はないと思っていた。ところが、最初の曲がり角を左折しただけで、違いに気が付いた。ステアリングが軽い。もう少し正確に書くと、車体がバンクしていく速度に対して、ステアリングが切れ方が速くなった。
 その後、いろいろなシチュエーションで走って分かったのは、ある程度速度が出ているコーナーでは違いが分からないが、右左折やRの小さいS字カーブのように大きな舵角がつく場合はステアリングが軽く感じること。特にはっきり体感できるのは、教習所でやるようは低速スラロームを、それも片手でしたときだ。片手スラロームでは腕の力が抜けるので、ステアリングの自然な動きがより明確に感じられるからだ。
 ただし、こうした効果がすべてアルミアンダーブラケットによるものと断じるのは難しい。ステムベアリングが新品になっているし、ステムの締め付けトルクも変わっているからだ。とは言え、大幅に軽くなったアンダーブラケットも貢献しているのは間違いない。とまあ、結局ごちゃごちゃ書いたが、結論は冒頭に書いた通り、素晴らしく質感がアップしたので大満足。これで製作費4万円(ただし初期ロット分のみ)はバーゲンと言うほかない。
 最後に、装着に当たっての注意点も記しておこうかと思ったが、あまりにも長くなったので、いずれ「Modify」のページに書くことにする。