2000年8月21日 ついに完成! ガレージ大公開
 8月のお盆あたりから落ち着かなくなってきた。引越しまで残る時間は少なく,やるべきことはたくさんあるし,仕事も忙しい。おまけに毎日くそ暑い。世間から1週間遅れの夏休みに入った8月19日が建物の引き渡しの日だ。昼過ぎからYZF-R6に乗って練馬から新居ある市川市へ向かう。現場担当者からさまざまな説明を受け,書類にサインをして引き渡しは完了した。思えばマイガレージ計画がスタートしてからちょうど1年。ようやく夢が形になった。
 さっそく,R6をビルトインガレージに入れようとするが,困ったことが起きた。建物は完成したが,周りの外構工事(門やカーポート,フェンスなど)はまだ出来ていない。ガレージと道路の間の工事もまだで,20cmくらいの深さで掘り下げられた状態だ。これではR6をガレージに入れられないではないか。仕方がないので,工事で使う板を道路からガレージの中まで渡して,その上を渡って入ることにした。こうして,記念すべきガレージへの初入庫は,教習所のような一本橋を渡ることになったのだ。
気分はウルトラ警備隊
 2日後の8月21日は新居への引っ越しだ。3日間の休みを使って片付けをしたものの,優先度の低いガレージには手つかずで,きれいになったのは2週間後のことだった。ガレージに収まったSRXとR6を眺めていると,うれしさがこみ上げてくる。小さいながらもマイガレージのオーナーになったのだ。帰宅して玄関からガレージを覗き,風呂に入ってからパンツ一丁でバイクにまたがり,なぜか寝る前にスロットルワイヤーの調整をしたり…。おもちゃを手に入れたサル状態だ。
 ビルトインガレージは概ね狙い通りに出来上がったと言ってよいだろう。その便利さは,まずバイクで会社へ向かう時に実感できた。今までならジャケットを着込み,ヘルメットを抱えて駐車場へ降りていき,2つのロックとカバーを外して片付けてからようやくエンジンをかけられる。こんな調子だから,出かけるまでに7〜8分はかかっていた。
 ところが,今は玄関からガレージに入り,すぐさまエンジンをかける。電動シャッターのボタンを押すと,シャッターがゆっくりと上がり,朝日がさし込んでくる。気分はもうウルトラ警備隊だ。その間に,ガレージに置いてあるジャケットを着てヘルメットを被る。バイクを表に出したら,リモコンのシャッター閉鎖スイッチを押し,閉まりきる前に発進している。この間わずか2分あまり。朝の慌ただしい時に,この差は大きい。
 夜になってから帰宅する時は,便利さにちょっとした演出も加わる。バイクがガレージの前まで来ると,上のひさしに内蔵されたダウンライトがフワッと点灯して出迎えてくれる。このライトは人感センサー付きなので,人やバイクのような熱源を感知すると自動的に点灯する仕組みだ。家の周りは結構暗いが,ライトがあればリモコンを手探りで探すことなくシャッターを開けられる。バイクをガレージに入れたら,後は玄関へ抜けて無事帰還という具合。疲れて帰ってきてからカバーをかけたりロックをセットする必要がないのはありがたい。
床にボルトで固定
玄関の右側がガレージ。左端はカーポート



階段から眺める。奥行きには余裕がある



玄関にガレージへのドアがある。ちょっと変?

奥と右側の壁に棚がある。左の壁にはライトも



センサー付きダウンライトは1分後に自動消灯する



階段は予定を変更して床にボルトで固定



バイク用駐車場? 入り口左には屋外水栓を装備
夜中のタンクを磨きもOK
 心配していたガレージ内のスペースは問題なかった。2台を停めても,真ん中にちょうど人が普通に通れるだけの空間が残る。メンテナンスは無理だが,タンクを磨いたりタイヤの空気圧をチェックする程度なら支障ない。これで,夜中にタンクを磨くという夢(?)が叶う。
 電動シャッターは壁のスイッチだけでなく,カード型とキーホルダー型のリモコンで開閉できる。シャッターには挟み込み防止装置が付いているので安心だ。鍵は付いていないが,電動でしかも重量があるため,外からこじ開けるのは無理だ。これなら簡単にキャリパーを盗まれるなんてことはない。
 照明(蛍光灯)は天井が高いせいで少し暗めだ。だが,壁には白熱灯のブラケット照明が付いているので,併用すればメンテナンスに支障が出ることもなさそう。事前の読み通りだ。換気扇はもう少し強力なものの方がよかったかもしれない。ただ,ガレージは天井が高いのが幸いして,閉め切ったままでも短時間ならエンジンをかけても問題はない。2台のバイクは少々音が大きいので,ツーリングに行く早朝でもガレージ内で暖機できれば近所迷惑にならない。
 壁に取り付けた棚は非常に役立つ。今まで部屋の中や車のトランクに放り込んであった工具やケミカル,ノーマルパーツ,予備の消耗品などをすべて棚の上に置けるのだ。仕方なくタンスの上に置いていたシートカウルやマフラーなどの大物パーツも楽に収まった。
 さんざんもめた玄関へのドアと階段も,うまい具合に仕上がった。特注ドアは人が出入りできるぎりぎりの幅しかないが,出入りには全く問題なし。階段は,結局43万円かかることになったが,最低限の幅で収めつつ使い勝手は申し分ない。スチールの溶接なのでがっしりしている。
 床塗装(エポフロアーU)の色はアイボリーのはずがどう見ても黄色に映る。まあ,本質的な問題ではないからよいのだが…。まだよく分からないが,塗装は強そうだし,何よりもきれいなのがうれしい。アスファルトの駐車場でいじっていた時のように,落としたワッシャーを,這いつくばって必死に探すなんてことはもうないだろう。
 一方,ガレージの外にはインターロッキングを敷いてある。最近の歩道でよく見かけるデザインブロックだ。道路とガレージの間は2mほど空いているので,1台を外に出せばガレージ内で整備ができる。ひさしがあるから雨でもなんとかなりそうだし,ダウンライトのおかげで夜の作業もOKだ。おまけに,幅は4m近くあるから,バイクを5台くらい停められる。みんなマイガレージに遊びに来てほしいな(なんにもないけどね)。
 夜,シャッターを開けたまま息子と二人でガレージの片付けをしていると,道を通り過ぎる人が皆もの珍しそうに覗いていく。「おっ,すごいねえ」とか「そのバイクはR1?」(違うって!)などと声をかけてくる人もいる。早くも目立ってしまったようだ。世間にはバイクに良くない感情を抱く人も少なからずいるから(特にこの辺りは族が多い),ひっそりとガレージライフを楽しむつもりだったのだが…。
 さて,こうして念願のバイク専用ビルトインガレージを手に入れ,連載は終了…,にしようと思っていたが,ガレージ内でちょっとした工夫をするところがありそうなので,次回にそれを紹介して締めくくろうと思っている。そんなわけで,もう少しだけおつき合いいただきたい。
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