2000年10月5日 大団円 ガレージ内部の使い方
 マイガレージが完成してから約1カ月が経ち,ガレージの中もなんとなく形が整ってきた。マイガレージ物語の最終回は,ガレージ内部の使い方をレポートして締めくくりとしよう。
工具はキャスター付きのラックに
 ガレージを使い初めて最初にしたことは,工具やケミカル,パーツ類の整理だ。これまで工具はプラスチックのハードケースに入れて,マンションの部屋からバイクのある駐車場へ持ち歩いていたが,もはやその必要はないので,すべて工具用のラックに移した。ラックは自動車用品店で売っていた組立式のもの。3段の棚には工具一式と各種ケミカル,ウエスや軍手などがきれいに収まった。工具と言っても,ボクは必要最低限の物しか持っていないのでこの程度のラックで十分なのだ。キャスター付きだから,ガレージ内をごろごろと移動できてなかなか便利だ。
 予備の消耗品や外したノーマルパーツ,普段はあまり使わない道具は透明の整理ケースに詰め込み,壁に作り付けの棚に載せた。押し入れの整理用としてスーパーなどで売っている安いプラスチックケースだ。これなら中身がすぐ分かるので,ダンボール箱を片っ端から開けていくような手間が省ける。
 壁にはフックを取り付けてジャケットやヘルメットをぶら下げている。これで,ガレージに入るなりジャケットとヘルメットをさっと身に付けて出かけられるようになった。
 電動シャッターは下がりきった時でも,床との間に5mmほどの隙間があいてしまう。このため,風が強い日はここから砂ぼこりが吹き込んできてガレージ内が汚れるし,虫まで入ってくる。シャッターの下端を伸ばして隙間をなくせばよいのだが,このシャッターには挟み込み防止装置付いているため,下手に伸ばしても下端が床に付いたとたんに自動的に少し上がってしまうので,ごく柔らかい素材を使わないとうまくいかない。そこで,襖などの隙間ふさぎ用としてDIYショップなどで売っているスポンジテープを貼り付けた。それでもまだ2mmほどの隙間が残っているが,砂の吹き込みはほとんど気にならなくなった。
工具やケミカルを取り出しやすいのがうれしい
工具やケミカルを取り出しやすいのがうれしい

マフラーなどの大物パーツも棚の上に
マフラーなどの大物パーツも棚の上に

ブラケットにフックを貼ジャケットを吊るす
ブラケットにフックを貼り付けてジャケットを吊るす
シャッターの下端に付いているのがスポンジテープだ
シャッターの下端に付いているのがスポンジテープだ



椅子は棚にアクセスする際の踏み台にもなる
椅子は棚にアクセスする際の踏み台にもなる




スタンドをかけると壁までのスペースはわずかに
スタンドをかけると壁までのスペースはわずかに
椅子は必須だがテーブルは…
 ガレージ内には2つの折り畳み椅子がある。1つは以前から使っていた超小型の携帯用椅子。これはカウルサイドを磨いたり,チェーンを清掃するような時にしゃがみ込まずに済むので重宝している。もう1つは,ガレージ内で座って一休みできるよう新たに買った。といっても980円の格安品だ。いすに座って一服しながらバイクを眺めるのも楽しいひとときだ。これに加えて小さなテーブルがあって,コーヒーでもすすれたら最高なのだが,狭いマイガレージでそれをやると,押し入れの中でコーヒーを飲むようなものなのでやめておこう。
 折り畳み椅子を買ったついでに小型の消化器も購入した。ガレージ内にはオイルやスプレー類などの可燃物がたくさんあるから,念のため備えつけることにしたのだ。ただ,このガレージは建物にビルトインされているとはいえ,実際には屋外の一角という形になっている。つまり,ガレージの内壁は建物の外壁と全く同じであり,防火性が極めて高い軽量コンクリート板とコンクリートの基礎で構成されているため安全性は高い。ちなみに,この連載ページの背景画像は壁の模様と同じ。気付いた人はいただろうか?

メンテナンススタンドが活躍
 ボクはメンテナンスと言っても基本的なことしかしないから,ガレージ内で大掛かりな作業をすることは滅多にないはず(せいぜいマフラー交換まで)。しかし,普段のメンテでも狭いガレージの中ではしにくいのがチェーンの掃除と給油だ。駐車場で青空整備をしていた時のようにバイクを大きく動かせないのが困る。そこで導入したのがスイングアームにかけてバイクを持ち上げるメンテナンススタンド(レーシングスタンド)だ。
 選んだのはエトスデザインのシンプルなスタンド。スイングアームの幅に合わせて調整できるタイプだ。メンテナンススタンドをかけるのは,心配していたとおり少々難しかった。汗をかきかき4〜5回練習して,なんとかスムーズにかけられるようになった。ネットを通じて経験者にコツを聞いておいたのもよかった。
 メンテナンススタンドはやはり便利だ。チェーンのメンテとホイールの清掃がぐんと楽になった。おまけに,スタンドをかけて前傾姿勢になったYZF-R6は本物のレーサーみたいでとってもカッコイイ! ついでに,バイクがまっすぐ立つので,スペースの節約にもなるし,サイドスタンドよりもずっと安定しているから地震で倒れる心配も少なそうだ。ただし,スタンドをかけると,必ず10数cmバイクが後退してしまうのは頭が痛いところ。ガレージ奥のスペースを狭めてしまうのだ。人が通れないほどではないので我慢しているが,もう少しだけガレージが広ければと思うと少々悔しい。
これを破られた諦めもつくというもの?
これを破られたら諦めもつくというもの?
それでも特殊ロックで盗難対策
 R6はチェーンで階段につないである。もちろん盗難防止のためだ。ガレージに収まったので以前のような心配はないが,絶対に侵入できないわけではないからだ。このチェーンとロックは非常に強力だ。極太のチェーンにこれまた頑強な南京錠を組み合わせている。南京錠は知る人ぞ知るイスラエル製のMUL-T-LOCKで,破壊するのが極めて困難と言われる逸品だ。キーも特殊なためピッキングはもちろんのこと,複製すら難しい。国内で購入できるので,さらに詳細を知りたい人はメールをください。
 ガレージの外には水栓があるから,リール付きのホースも買った。これは水の出口が回転式になっていて,ジェット水流やシャワーなどに切り替えられる。どこにでも売っている普通のホースだが,これがあるとツーリングから帰ってきて泥で汚れたバイクを,ガレージに入れる前にさっと洗車できてすごく便利だ。以前は,泥の付いたままカバーをかけるのがバイクに申しわけなかったが,これからはもっといたわってやれるだろう。
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 約半年にわたり連載してきた「マイガレージ物語」はこれでおしまいです。連載中,感想やアドバイス,祝福などをいただいた皆さんに感謝いたします。こうしてマイガレージを手に入れられたのは本当に幸運でした。ガレージを夢見ながらまだ実現していないライダーの皆さんにも,幸運な日が来ることを心からお祈りします。いつかきっと…。