大型2輪教習日記 第4回
大型2輪ではメリハリが求められる
教習所ルールにはなかなか慣れない
 土曜日の朝,起きると喉がすごく痛い。寒気がして少し熱があるようだ。一昨日から息子が鼻水を垂らしており,いつものパターンでオヤジにうつったようだ。でも,今日は午前中から教習なのだ。
 体調が悪いうえ,天気予報は雨なので車で教習所へ向かう。こういう時に4輪は便利だ。思い返せば,4輪の免許を取った時は電車と送迎バスで1時間弱かけて通っていた。中免では,晴れていれば原チャリ,雨なら電車で40分くらいかかった。それが今回は車で20分あれば着いてしまうのだから,随分と楽になったものだ。

11月7日 第3段階 2時限目
40kmだと操作は結構忙しいぞ
 最悪の体調の中,第3段階の2時限目が始まった。前回から引き続き練習コース1というやつを走らされる。信号のある交差点や見通しの悪い交差点,クランクなどが組み合わされた走行コースだ。広い2輪専用コース
 外周道路の直線部分では,大型2輪は指示速度の40kmを出さなければならない。狭いコース内なので,40kmでも結構速く感じる。外周の最後のカーブを出たところでウインカーを出し,2速で40km近くまで加速して3速にシフトアップ。直線が終わる40m手前で後方確認をして中央線寄りへ進路変更し,カーブの手間で減速してシフトダウンする。
 これで気付いてもらえただろうか? 合図を出すのがやたら早いわりには,後方確認からカーブまでの距離と時間が非常に短いのだ。時速40kmでは1秒間に約11m進むから,確認に1秒,進路変更に1.5秒,ブレーキングに1秒かけただけでもうカーブの入り口は目の前だ。時速40kmから20kmにまで減速しなければならないから,かなりの急ブレーキになる。のろのろ走って,何をするのにも余裕があるという教習所走行のイメージとは裏腹に,大型2輪では素早い加速や確認,減速の動作が求められるのだ。ちなみに,普通2輪は同じことを時速30kmでやるから,教習所らしい走り方になる。
 合図や進路変更のタイミングで少し注意されただけで教習時間はほとんど終わりになった。最後に自由走行をやらされる。指定されたS字とスラロームを通過するほかは,自分で走行順序を考えて走れと言うのだ。もちろん,走行中は法規に従った安全運転をしなければならない。これがうまくできれば,この時限は無事終了だ。

第3段階 3時限目
ナナハンはキビキビ走らないといけない
 第3段階はこれが最後。総合運転のみきわめである。最初に,皆で連なって4輪の教習コースに乱入する。レインボーモータースクールは2輪と4輪のコースが分かれているが,この時間だけ隣接する4輪コースに入って混走するのだ。
 ちょっとかわいそうだったのは一緒に指導を受けていた普通2輪のおじさんで,大型2輪の方は教習生とはいえ普段バイク乗っているやつらだからペースが速く,先頭を走らされたおじさんはCB750に追いまくられて,なんだかいじめられているように見えた。
 混走が終わると,再び練習コースを走る。ここで教官は,メリハリをつけて走るようにと強調する。直線ではどんと加速し,カーブの手間ではしっかり減速,交差点を曲がったらパンパンと加速して,次の角でギュッとブレーキをかけてまた曲がるといった具合だ。
 普段はまさにそういう走り方(×3倍)をしているのでどうということはないはずだが,教習所内ではどうも勝手が違って,いつも通りの走りができない。交差点の間隔がやたら短いとか,合図を出すのがすごく早いとか,道端で倒れたバイクを起こしているヤツがいるとか,どうにも調子の狂うことばかりなのがいけない。
 実際,一緒に走っていた第3段階1時限目の教習生はペースが遅いために私が後ろにべったり付き,さらにバックミラーを見てみると3台が連なっている。教官に「きびきび走らないから後ろがつかえちゃってるよ〜」と言われ,呼び戻されてタンデムで指導を受けていた。特に,S字の入り口と出口,交差点から交差点への間などでノロノロ走っていると注意される。教習所だからといって,ひたすらゆっくり(安全であるかのように)走っていればいいというものではないのだ。
 練習コースをひたすら走っているうちに教習時間は終わりとなった。第2段階に比べると,緊張する一本橋やスラロームがない分だけ楽に感じる。第3段階はこれにて終了し,次は第4段階だ。レインボーモータースクールでは,第4段階の教習予約は第3段階が終わらないとできないので,この時点で第4段階の予約を取る。このため,次の教習までは少し間が空くことになった。はっきり言って第3段階の教習はつまらなかったが,第4段階には大型2輪だけにあるカリキュラムが含まれているので楽しみにしている。

今回のポイント 第3段階2〜3時限目
◆法規走行
 教習所独特のルールがありますから,合図(ウインカー)を出すタイミングや進路変更する場所などについては,素直にまる暗記してしてしまいましょう。徐行すべきところは徐行,確認するところはしっかり確認といった具合に,「オレは法規に従って安全運転しているんだぞ」というアピールが大事です。
◆総合運転
 メリハリをつけてキビキビ走らないと,「ナナハンに乗る意味がないよ」と言われてしまいます。のんびり走っていれば安全というやり方は通用しないので,アクセルとブレーキをしっかり使ってリズムよく走ります。

連載第5回へ