大型2輪教習日記 第5回
12月から教習内容が変わることが判明
急転直下,後がない状態に追い込まれる
 今回は衝撃のニュースからお伝えしよう。なんとこの12月から道交法が改正になり,教習のカリキュラムが変わってしまうことが判明した。道交法の改正自体は知っていたが,変更といえば1日の教習が3時限まで拡大されるくらいで,オレには関係ないと思っていたのが大間違い。
 大型2輪の教習は,これまで4段階に分かれていたのが2段階に統合される。旧1段階と2段階がまとめて第1段階に,旧3,4段階が第2段階となる。それだけでなく,教習内容も変更され,例えば第2段階(旧4段階)にはシミュレーター教習が加わるという。11月末の時点で第4段階を終えていないと,シミュレーターが追加されて結果的には1時限余計に教習させられてしまう。しかも,検定のコースも変わるので,今までコース通りに練習してきたのが全く無駄になってしまうのだ。
 そんなわけで,ここへ来て非常に焦っている。「年内に卒業できればいいや」という軽い気持ちで始めた教習だったが,にわかに11月中に終わらないとヤバイという状況に陥ってしまった。ただ,幸いなことにこの週末には4時限分,つまり最後の教習までの予約が入っているので,すべてダブらずにいけば終わるはずなのだが…。

11月14日 第4段階 1時限&2時限
ここは結構楽だったけれど…
 12月からカリキュラムが変わるため,これから大型2輪免許に挑戦する人には,この教習日記はあまり役に立たないモノになってしまうかもしれない。ただ,教官の話では基本的な教習内容は同じとのことなので,重要なポイントについては多少参考になるかもしれない。一番奥が急制動の場所
 第4段階の1時限目は急制動が中心だ。時速40kmからの急制動,目標にぴったり止まるための急制動,400ccに乗り換えての急制動,さらに模擬追突走行などだ。先日,急制動でスピードを出しすぎ(50km/hくらい)て大転倒したという跡がコンクリートに長々とついていた。搭乗者は病院送りになったらしい。む〜ん…。でも,それくらいで転んでいたら,公道では命がいくつあっても足りないよなあ。
 2時限目は危険回避というのをやる。時速40kmで走ってきて,正面に見えるシグナルの赤が点灯したら左へ,黄色なら右へ素早く進路変更する。まあ,これもできないようだと,公道ではすぐにトラックの荷台に突っ込むことになるね。
 教習の後半は課題走行に戻る。ここでちょっと冷や汗。スラロームも一本橋も下手になっている。2週間ほどやらかったため,すっかり元に戻ってしまった感じだ。こりゃまずいぞ。でも,それは私だけではないらしい。みんなポロポロ落ちていた。
 教習が終わった帰り道にヤマハのショールームに立ち寄る。お目当てはもちろんYZF-R6だ。実物を見て,かっこよさにしびれる。これでまた教習にも力が入るというものだ。

11月15日 第4段階 3時限&4時限
最後の最後で走りがメロメロに
 そろそろゴールが見えてきた。この2時限を無事終えれば教習はおしまいだ。教習の前,このところ毎回顔を合わせるメンバーで,「12月からは検定コースが変わるから,今日終わらせたいよね」と話す。みんな結構焦っているのだ。そのせいか,今日は同じ4段階3時限目の教習生だけで13人もいる。おかげで,瞬く間にコースは大渋滞になってしまった。
 3時限目は前半がクランクと小転回(Uターン),後半は波状路を加えた課題走行だ。実は波状路が苦手だ。障害物を乗り越えるたびにスロットルを開けて半クラッチにして動力を伝えるのだが,どうしてもスピードが出過ぎてしまう。かといって,リアブレーキで速度を抑えようとするとエンストする。結局,これは最後までうまくできなかった。
 4時限目は総合運転ということで,検定とほぼ同じコースを走る。これまで通りやればできるはずだが,波状路が上手く走れないのがスラロームにまで影響し,調子悪いなと思っていたら一本橋までダメになってしまった。タイムを意識しすぎたというのもあるが,今まで数10回通って1回しか落ちていないのに,続けざまに2回も落ちてしまった。焦れば焦るほど走りはメロメロになっていく。
 教習が終わった時には,もう今回はダメだろうと諦めていた。これまで12回の教習の中で,最後が一番ひどい走りだったかもしれない。教習終了後,「みきわめ」にパスした人の名前が呼ばれていく。やっぱりダメだろうなと思っていたら,最後に名前を呼ばれてホッとした。これにて全12時限の教習は終了! 幸いなことに補習はひとつもやらずに済んだ。しかし,こんな走りで検定を受けても大丈夫だろうか。最後の感触が良くなかっただけに,大いに不安である。

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