大型2輪教習日記 最終回
結論 大型2輪教習は楽しい
ライディングの基本を見直すよい機会だ
 卒検に合格した翌日,自宅近くにあるYSP板橋中央へ行き,さっそくYZF-R6の予約を入れた。予約自体はもっと早くしてもよかったのだが,なんとなく「バイクを買うのは免許が取れてから」というのがけじめのように思い込んでいたので,今まで待っていたのだ。
 R6の納車は来年の1月末か2月になるという。予約した途端に待ち遠しくなった。でも,一番寒い時期なのがちょっと残念。頑張って慣らしをして,春からは全開で走れるようにしたいものだ。

11月24日 免許申請・取得
運転免許試験場でも走らされる?
 免許の申請は,東京都在住なら江東,鮫洲,府中のいずれかの運転免許試験場に行かねばならない。ここで意外な事実が判明した。免許申請者の中から無作為で選ばれた人がバイクに乗せられる検査があるというのだ。選ばれてしまった人は試験場でバイク乗って,免許を取るに足る技量があるところを見せなければならない。恐らく,実地免除教習所の卒業生がきちんと走れるのかどうかをチェックするためだと思われる。
 しかし,これは試験ではないので,そこで不合格になって免許が取れないということはない。普通に走ればよいそうだ。とはいえ,できればそんなものには当たりたくない。普段からクジや懸賞の類には当たったことはないので大丈夫だとは思うがちょっと心配だ。この抽出検査があるため,申請者はバイクに乗れる格好,つまりヘルメットとグローブを持参しなければならないという。試験場に行ってから会社に出ようと思っている人にはそれだけでもやっかいだ。
 ところが,ここで耳よりの情報が入る。江東の運転免許試験場(東陽町)には,実地試験のコースがないので,抽出検査は絶対にないというのだ。なるほど,コースがなければ走りようがない。実際,江東の試験場には適性・学科試験と講習に関する施設しかなかった。もちろん,私は抽出検査に当たることもなく,淡々と手続きを済ませて新しい免許証を手に入れた。免許証に記された「大自二」の文字を見た時は思わずほくそえんでしまった。

エピローグ
 大型2輪教習を振り返ってみると,最も印象深いのは教習所に通うのが楽しかったということ。そして,ライディングの基本を見直し,自分の下手さ加減を再認識することで,少しは謙虚になれたような気がする。
 私には絶対に乗りたいバイクがあるという明確な目標があったから教習所に通うのは苦にならなかったし,毎回ナナハンに乗ってさまざまな課題に挑戦するのは楽しかった。中免を取った時は,ハンコをもらえないのではないかと戦々恐々としながら乗っていたが,今回はそういうことはあまり気にせず,とにかくうまくなろうという思いで乗ったせいもあるだろう。
 大型2輪免許は,普通2輪に比べると教習や検定で要求される技量のレベルが高い。それは一本橋やスラロームのタイムに現れているし,普通2輪には無い波状路をやらされるところもそうだ。一見同じように思われるクランクも,実はずっと狭いうえにバイクの幅が広いから結構難しい。
 それだけに,自分がいかに下手であったかを思い知らされる。うまくなろうと練習するから,バイクを低速でコントロールする技量が上がる。これが面白い。日常でバイクに乗っている限り,そんな練習をすることはないからよい機会になった。
 卒検で信じられないミスをした時にはさすがに落ち込んだが,終わってみればやっぱり楽しかった。腕が上がって(お金はかかるけど)免許がもらえるのだから,大型2輪教習に行って損はないと思う。
 これで,大型2輪教習日記はおしまいです。1カ月あまりの間,連載におつきあいいただき,ありがとうございました。
(この教習日記は1998年10月〜11月にNBPRCホームページに連載したものを再構成しました)
おまけ レインボーモータースクールの評価
Good!
◆お客様扱いしてくれる。頭ごなしにどなりつけるような教官はいないし,基本的に教習生にはお客様として接してくれる。もちろん,指導はされるが理不尽なことは言われない。いやな思いをしたことは一度もなかった。教習はサービス業であるという考えが周知徹底している。
◆設備が整っている。広い2輪専用コースは邪魔な車がいないので走りやすい。待合所やロビーなどはきれいだ。教習車も概ね調子がよかった。駐車場があるのは助かる。
◆まとめて乗れる。入校時にまとめて8時限の予約が取れるのに加えて,1日の教習は2時限連続して取るのが基本だから,週末に予約を入れるだけでも2〜3週間で第3段階(旧道交法)まで進める。

No Good
◆教習生が多すぎる。週末ともなると,一度に教習を受ける人が大型2輪だけで20人以上,普通2輪も入れれば40人近くということも珍しくはない。こうなると,一本橋や急制動の手前で渋滞ができてしまい,走っているより待っている時間の方が長いなんてことになる。卒検も同様で,1回で30人以上受けるからやたらと待たされる。一人の教官が7〜8人を受け持つというのも感心しない。もう少し人数を絞ってくれた方がよいが,その分だけ予約が取れなくなるはずなので痛しかゆしではある。

レインボーモータースクールの連作先などは,連載第1回を参照してください。

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