バイク乗りには腕時計好きも多い? 精密で複雑なメカニズムは機械好きのライダーの心を刺激します

シチズン(日本)
PROMASTER LAND E210クロノグラフ
(PMZ56-2851)

TISSOT(スイス)
T-RACE(Ref.T90.4.486.41)
PROMASTER LAND E210クロノグラフ
T-RACE
 2番手のメーカーは先進的な製品を生み出す。王者ホンダに感性のデザインで対抗したヤマハ、ナンバーワンのトヨタに技術をアピールした日産と同様、セイコーに次ぐ2番手に位置するシチズンは、光発電の「エコドライブ」やチタン表面処理の「デュラテクト」などの新しい技術で独自性をアピールしてきた。新開発のムーブメント「E210」は、そんなシチズンの先進性をよく表したメカだ。
 お得意のエコドライブにアナログ指針の充電インジケータを組み合わせ、まるで機械式腕時計のパワーリサーブ針のように仕立てた。クロノグラフは一部に機械式の機構を取り入れたハイブリッド方式。スタート/ストップ操作はレバーやカムを介して伝えられるため、ボタンの押し心地は機械式クロノグラフのようにカッチリしている(スタートボタンは少々重すぎるくらい)。しかも、リセットボタンを押すと、ハートカム式と同様、3本の針は瞬時に帰零するから泣かせるではないか。クロノグラフ秒針は1/5秒運針なので、機械式腕時計と見紛うばかりだ。
 複雑な機構を収めたケースは巨大で、厚さも14.4mmとクオーツとしては異例の厚さ。大きなダイヤルとキャタピラーのような太いバンドのおかげで、腕に付けたときの存在感は抜群だ。しかし、ケースとバンドはチタンなので、さほど重さは感じない。
 アラーム針を含む9本もの針とメッキリングを配したを配したカーボンの文字盤を眺めていると、まるで凝縮されたプラネタリウムの星空を見ているような気分にさせられる。先進的なメカに目のないライダーなら、買って損はしない1本だ。

 ショパールの「ミッレミリア」、オリスの「TT1」、ブライトリングの「BENTLEY MOTORS」など、スポーツカーにインスパイヤされたり、自動車メーカーとのコラボレーションによって生まれた腕時計は少なくない。ところが、バイクをデザインモチーフに選んだ腕時計はほとんどない。TISSOT(ティソ)の「T-RACE」は、そんな数少ない時計の1本だ。付属のツールボックス風化粧箱には、WGP全戦のコースマップが入っている。
 一目見て分かるように、ベゼルはスリットを刻んだブレーキディスク。リューズガードはキャリパーで、小さなねじによって留められている。裏面にトレッドパターンのようなグルーブを施したラバーベルトや、ボルトで連結したフラッシュフィットも雰囲気だ。カーボンを混合したポリアミド樹脂のケースは耐衝撃性に優れている。
 クオーツムーブメントのクロノグラフは1/10秒まで計測する。プッシュボタンはカチッとしたクリック感があって好感触。ブルーのダイヤルにスケルトン針の組み合わせはおしゃれだが、針もシルバーなのと風防の反射が激しいため、視認性が良いとは言えない。
 155gとかなり重いにもかかわらず、装着感は非常に良い。スプリングでテンションをかけたフラッシュフィットは常に手首に沿うように出来ているし、ラバーベルトもしっくりくる。ワンプッシュ式のバックルが付いているので、着け外しも容易だ。一つ残念なのは、クロノグラフの秒針と文字盤の目盛りがわずかにずれること。一流の腕時計は、そうした部分の精度が高いのだ。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ06
■ムーブメント:CITIZEN Cal.E210(光発電クオーツ)■ケース:チタン(デュラテクトTIC)■風防:サファイアクリスタル(無反射コーティング)■ブレスレット:チタン(デュラテクト)■防水:20気圧■機能:クロノグラフ、充電インジケーター、アラーム、カレンダー■価格:10万5000円■購入:2005年
■ムーブメント:G10.211(クオーツ) ■ケース:樹脂(ポリアミド12+カーボン)+ステンレス■風防:サファイアクリスタル■ブレスレット:ラバー(バックル付き)■防水:50m■機能:クロノグラフ、日付表示■価格:5万7750円■購入:2005年(贈答品

REVUE THOMMEN(スイス)
AIRSPEED FLYBACK BIGDATE
(Ref.16085.6134)

BREITLING(スイス)
SUPEROCEAN STEELFISH
(A180C44PFA)
AIRSPEED FLYBACK BIGDATE
SUPEROCEAN STEELFISH
 腕時計の魅力には様々な面がある。それはデザインだったり、ブランドイメージだったりする。機械式腕時計の場合は、特にムーブメントが重要な位置を占める。ムーブメントは腕時計の心臓部。バイクで言えば、単気筒か4気筒か、パワーはどれくらい出るのか、気になるのと同じことだ。
 AIRSPEED FLYBACK BIGDATEのエンジンは、Jaquet S.A.の「J8151」だ。ベースとなっているのは、クロノグラフムーブの定番「Valjoux 7750」だが、フライバック機能とビッグデイトを追加してセミコンプリケーション仕様となっている。バルジューを搭載した腕時計は山ほどあるが、J8151を採用しているモデルは極めて少ない。
 ダイヤルを見てまず目に付くのが、12時位置にある大きな日付表示。日付を桁ごとに2枚のディスクで表示するため、数字が大きくて読み取りやすい。
 赤い指針のクロノグラフは、パイロットウォッチに特有のフライバック機能付き。計測中にリセットボタンを押すと、3本のクロノグラフ針が一瞬にしてリセットされ、すぐに計測を再開する。つまり、普通ならストップ→リセット→スタートとボタンを押す操作が、フライバックならワンタッチで済むわけだ。続けて計測したい時や、スタートボタンを押すタイミングを間違ってすぐに計測し直したい場合に便利な機構だ。
 これだけの複雑な機構を内蔵しているため、ケースは非常に厚くて重い。だが、カーブしたラグや幅広のブレスのおかげで、意外にも腕にフィットする。分厚いケースは、メカ好きの腕時計ファンにとっては一種のステータスでもある。デザイン面では、航空計器(名前はAIRSPEED=大気速度だ)を思わせる針や、バルジューがベースとは思わせない横三つ目のインダイヤルがお気に入り。シースルーの裏蓋からは装飾されたローターと地金、ブルースチールのビスが見えて美しい。
 僕はバイクや車でも、人気のある、即ち多くの人が乗っているモデルは欲しいと思わない。独自のデザインとメカニズム、そして他人が持っていない機械に憧れる。AIRSPEED FLYBACK BIGDATEはそんな欲求を満たしてくれる逸品。最後に付け加えれば、このムーブメントを搭載したほかの有名ブランド時計は70〜80万円もする。ブライトリングのプロフェッショナルブレスより厚い7連のSSブレスレットは、ブランド品ならそれだけで10万円は請求されるだろう。レビュー・トーメンの腕時計はコストパフォーマンスに優れるのだ。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ05

 ブライトリングとの出会いは20歳代前半だったろうか。ショーケースに並べられたNAVITIMER(ナビタイマー)の精緻な文字盤に惹き付けられ、「これ欲しい!」と思って値札を見たら、給料1カ月分より高くて驚いた思い出がある。
 NAVITIMERとの出会いから10年余り後、一目惚れして買ってしまったのが「SUPEROCEAN STEELFISH(スーパーオーシャン・スチールフィッシュ」だ。アップライトのアラビア文字とドットインデックスが高級感を演出する文字盤、特徴的なライダータブ付きのベゼル、1500メートル防水を誇る屈強なステンレスケース。どれもがビビッと胸に突き刺さるような魅力を持ったデザインだ。
 交互に施されたヘアラインとポリッシュ仕上げは、複雑な光の反射を織り成し、光の当たり具合によって実に様々な表情を見せる。キラキラと光を照り返すアップライトインデックスと相まって、ずっと眺めていても飽きることがない。ブライトリングはデザインとケース加工のメーカーなのだと、改めて思う(ケース加工は専業メーカーが担当しているそうだ)。「クロノマットエボリューション」のデザインは素晴らしい。だが、そのエッセンスは価格が半分のSTEELFISHでも十分に味わえる。
 分厚いサファイアガラスもお気に入り。1500メートルの水圧に耐えるための厚いドーム型のサファイアガラスは、文字盤を斜めから見ると、まるで透明度の高い清冽な川の底を覗き込んでるかのような不思議な感覚にとらわれる。両面に施された無反射コーティングの効果は高く、真夏の炎天下でも視認性は極めて良い。
 「この腕時計は1500メートル防水なんだ」と言うと、聞いた人は必ず「そんなに潜れるわけない」と突っ込みを返してくれる。もちろん、そんなに潜れないどころか、僕が腕時計をして水に入ったのは、近所の市民プールだけだ。しかし、オーバースペックなところがまた魅力なわけで、300km/h出せるバイクが60km/hで走ることを否定されないのと同じことだ。一生使われるはずのないケースサイドのヘリウム・エスケープ・バルブを見て、「これはすごい装備だ」と頷くのもまた一興だ。
 ちなみに、SUPEROCEAN STEELFISHは「aeromarine」シリーズの「SUPEROCEAN」のさらに派生モデル。2004年のバーゼルフェアでデビューしたが(日本では先行発売された)、2005年にはモデルチェンジし、わずか1年余りの短命モデルとなった。
■ムーブメント:Jaquet S.A. J8151(自動巻き)■ケース:ステンレス(46mm/裏スケルトン)■風防:サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)■ブレスレット:ステンレス■防水:100m■機能:クロノグラフ(フライバック機構付き)、日付表示(ビッグデイト表示)■価格:42万円■購入:2004年

■ムーブメント:BREITLING17(自動巻き)■ケース:ステンレス(42mm)■風防:サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)■ブレスレット:ステンレス■防水:1500m■機能:日付表示、ヘリウム・エスケープ・バルブ■価格:24万1500円■購入:2004年

シチズン(日本)
ATTESA(ATD53-2615)

TAG-HEUER(スイス)
S/el(CG1112-0)
ATTESA(ATD53-2615)
S/el(CG1112-0)
 腕時計の本数が増えてくると、時刻合わせをする機会も増えてくる。クオーツは1カ月に10数秒進むだけだからまだいいが、機械式となると1日に数秒は狂うし、オートワインダーにかけていなければ2日ほどで止まってしまう。その度に時刻合わせをするわけだが、そこで基準となるのが、このATTESAだ。以前から電波時計が気になっていたので、誕生日に彼女からプレゼントしてもらった。電波時計なので常に1秒の狂いもなく正確に時を刻む。僕の腕時計は、すべてATTESAに合わせて動く。まさにマスターピースなのだ。
 午前2時と4時になると、10万年に1秒の誤差しか生じないという原子時計から発信される標準電波を自動受信して時刻を補正する。必要に応じて手動受信もできるが、時計を少しでも移動させるとうまく受信できない。これは使ってみて初めて分かったことで、意外だった。とはいえ、腕時計を引き出しに入れっぱなしにしておいても、自動受信してくれるので、実用上の問題は全くない。
 このATTESAは「エコドライブ」なので光が当たっている限り動き続ける。ケースは「デュラテクト」加工によって、本来は傷つきやすいチタンの表面硬度を増している。週に3日程度、1年間使用しても傷はごくわずか。普段使いの腕時計としては最高だ。

 サラリーマンに人気の腕時計ブランドと言えば、ロレックスにオメガ、そしてタグホイヤーだ。特にホイヤーは、知名度が高いわりには10数万円で買えるモデルがそろっているので人気がある。ある日、会社で会議に出たら、出席者10人のうち4人がタグホイヤーを身に付けていて驚いた。ここまで来ると、トヨタのクラウンに乗っているような気恥ずかしさがある(僕は違う時計を着けていたのだが)。モノはいいのだけど、こうもあふれているとね…。
 などと言いながら、僕もホイヤーの腕時計を持っている。結納返しに貰ったものだから、10年以上前のモデル。いま人気の「LINK」シリーズの前身に当たる「S/el」だ。特徴的な形状のブレスレットは現行モデルにも受け継がれている。S/elシリーズはアイルトン・セナも愛用したと言われている。
 こうして眺めていると、タグホイヤーはデザインと加工技術のメーカーだなあと改めて思う。インデックスは極細の金属の淵を持ち、針はゴールドのベンツ針。コインエッジ加工の回転ベゼルに、複雑で滑らかな3次元曲線を描くケース。誰もが「あっ、カッコイイな」と思うデザインに高い加工技術を組み合わせたところが人気の由縁だろう。トヨタの自動車やホンダのバイクに一脈通じるものを感じる。
■ムーブメント:H410(光発電クオーツ)■ケース:チタン(デュラテクト)■風防:サファイアクリスタル(無反射コーティング)■ブレスレット:チタン(デュラテクト)■防水:100m■機能:電波自動補正、電波手動受信、パーペチュアルカレンダー■価格:5万2500円(贈答品)■購入:2004年
■ムーブメント:クオーツ■ケース:ステンレス■風防:サファイアクリスタル■ブレスレット:ステンレス■防水:200m■機能:クロノグラフ、日付表示、回転ベゼル■価格:16万円(贈答品)■購入:1994年

シチズン(日本)
PROMASTER LAND
PERPETUAL CALENDAR(PMT56-2713)

POLJOT(ロシア)
NAVIGATOR 
PROMASTER LAND PERPETUAL CALENDAR
NAVIGATOR
 一見すると何の変哲もない3針のアナログ腕時計だが、その内容は驚くほど濃い。これ以上ないと言えるほどシンプルなデザインと、その裏に隠された数々の先進機能。それが「PROMASTER LAND PERPETUAL CALENDAR」の醍醐味だ。まずはシチズンお得意の「エコ・ドライブ」。文字盤下の太陽電池で発電するため、光が当たっている限り(光が当たらなくても5年間は)時計が止まることはない。電池交換不要だから、ケースは裏蓋のないワンピース構造だ。光が当たらない状態が続くと、節電のため秒針が自動停止する。光が当たると秒針がグルーっと回って現在時刻に復帰する様子は見ていて楽しい。
 ムーブメントもユニークだ。秒針が15秒進むごとに分針が1/4分ずつ小刻みに運針する様子に驚かされる。時刻合わせのためにリューズを引き出すと、秒針が12時位置に移動してぴったり合わせられるようになる。ハック機能の先進版と言える。時差修正機能を使えば、時針だけを独立して動かすこともできる。パーペチュアルカレンダーなので、うるう年の修正すら不要だ。
 ケースはチタニウム合金。チタンは軽くて錆びず、強くて非磁性体という、腕時計にとっては理想的とも言える素材。ただし、そのままでは表面がすぐに傷ついてしまう。そこで「デュラテクト」の登場。シチズン独自の表面処理技術であるデュラテクトにはいくつかの種類があるが、この腕時計ではデュラテクトMRKというガス硬化処理によってチタンの表面を硬く傷つきにくくしている。バイクに乗る時だけでなく、腕時計をぶつけたりする可能性のあるアウトドアでもよくPROMASTER LANDを使うが、ほとんど傷付かないのには驚嘆させられる。PROMASTER LANDのように視認性が高く、タフで止まることもない、そんな腕時計が最も信頼できるのかもしれない。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ04

 ロシア製というだけでもユニークなのに、なんと機械式のアラーム機能を持った腕時計。機械式アラームと言えば、高級品の機能と相場が決まっている。まさか、2万円ちょっとの腕時計に機械式アラームが付いているとは想像できない。だからといって、粗悪品かと言えばそんなことはない。大型のステンレスケースはサイドがポリッシュ仕上げでなかなかきれいだし、裏蓋はいっぱしのスケルトンだ。文字盤の周りには、10時位置のリューズで操作する計算リングを内蔵している。分厚い革ベルトは3層構造になっていて通気性を確保している。そして何と言っても機械式アラームだ。
 機械式アラームは2時位置のリューズで操作する。巻き上げるとアラーム専用のゼンマイが巻かれる。1段引き出してからアラーム専用針をセットしてリューズを戻せば準備完了。設定時刻なると、ジリリリリと虫が鳴くような音のアラームが鳴り響く。ガラスに設けられた突起を小さな金属のハンマーが叩くことで音を出す仕組みだ。
 これだけの製品を製造し、流通マージンを乗せて売る価格が2万数千円なのだから、今もシベリアでは政治犯が強制労働で腕時計を作らされているのではないかと想像してしまう。ロシア恐るべし。ただし、精度は悪い。1日にきっかり30秒進んでくれるのには閉口した。おまけにハック機能がないので、正確に時刻を合わせるのが難しい。まあ、どうせ狂うのだからそんなこと気にしても仕方ないのだが…。ちなみに、このムーブメントは今どき珍しい毎秒5振動(だと思う)。ゆったりしたテンプの動きといい、のんびりしたチクタク音といい、なんとなく大らかな気分にさせてくれるのが不思議だ。
■ムーブメント:E76(光発電クオーツ)■ケース:チタン(デュラテクトMRK)■風防:球面サファイアガラス(無反射コーティング)■ブレスレット:チタン(デュラテクトMRK)■防水:20気圧■機能:パーペチュアルカレンダー、2種強化耐磁■価格:5万2500円■購入:2004年
■ムーブメント:2612.1(手巻き)■ケース:ステンレス■風防:ミネラルガラス■ブレスレット:革■防水:3気圧■機能:機械式アラーム、計算尺付き内転リング■購入価格:2万2800円(999本限定)■購入:2004年

REVUE THOMMEN(スイス)
AIRSPEED XLARGE
(Ref.16005.2135)

シチズン(日本)
PROMASTER NAVI HAWK Blue Angels Model
(PME65-2091)
AIRSPEED XLARGE
PROMASTER NAVI HAWK Blue Angels Model
 航空機の速度計や高度計を見たことがある人なら、この腕時計を見ればすぐにパイロットウォッチであることに気付くだろう。針の根元の方が塗装されているのは、視認性を重視して航空計器を範に取った表れだ。
 レビュー・トーメンはスイスの時計メーカーであり、航空計器を生産する精密機器メーカーでもあるのだ。事実、AIRSPEED XLARGEほど瞬時に時刻を読み取れる腕時計は希有な存在だ。両面無反射コーティングの風防と無反射塗装の大型ダイヤルは、晴天下でも完璧な視認性を保証している。もちろん、ライディング中でも瞬時に時刻を読み取れるから、“ライディングウォッチ”としても最適だ。
 ステンレスのケースと5連無垢のブレスレットは重厚で、裏蓋はスケルトン。これで7万円を切る価格で買えるのだからコストパフォーマンスは高い。ブランドネームだけで荒稼ぎしているどこかの腕時計とは大違いだ。唯一の弱点は、風防に施している特殊コーティングが傷付きやすいこと。ただ、少し傷が入ったくらいではコーティングの効果に変わりはないので、気にしなければそれで済む。ムーブメントはETA社の汎用キャリバー「2836-2」だが、精度は十分高く(季節や経年変化で変わるが)、使い勝手が良いので普段使いの腕時計としても優れている。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ02

 腕時計は中学生の頃から好きだったが、今のように年に何本も腕時計を買うようになったきっかけを作ったのが「NAVI HAWK Blue Angels Model」だ。ツーリング用の腕時計が欲しいと思って行った時計屋の店頭で、一目惚れしてしまった。Blue Angelsのエンブレムは、ヒコーキオタクの心をいたく捉えて離さない。A-4やF-18のカラーリングを想起させるネイビーブルーとイエローの組み合わせには「もうたまらん」状態。このモデルは年間1000本限定生産で、通常モデルとは違ってケースとブレスがチタン、液晶はゴールドになり、スペシャル感を増している。
 機能も充実している。パイロットウォッチに欠かせないUTCと24時間計、計算尺付きベゼルを採用。デジタル部に表示するワールドタイマーは、海外出張に行ったときにも便利だ。アナログなのにリューズはなく、デジタル表示部で時刻合わせをすると、針が追従してグルグルと動く様子は圧巻だ。いかにもシチズンらしいところが気に入っている。
 一時期はバイク乗る時に必ず着けていたが、最近はもう二度と手に入らないであろうこのBlue Angelsが惜しくなり、飾っておくことの方が多くなった。それくらい惚れている腕時計なのだ。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ01
■ムーブメント:ETA 2836-2(自動巻き)■ケース:ステンレス(41mm)/裏スケルトン■風防:サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)■ブレスレット:ステンレス■防水:10気圧■機能:ポインターデイト■価格:9万8000円■購入:2003年
■ムーブメント:CITIZEN Cal.C300(クオーツ)■ケース:チタン■風防:球面無機ガラス(強化処理)■ブレスレット:チタン/牛革(2本セット)■防水:10気圧■機能:UTC表示、24時間計、ワールドタイム(30都市)、カレンダー、アラーム、クロノグラフ、タイマー、航空用回転計算尺■価格:7万円■購入:2001年

LUMINOX(米国)
NAVY SEALS ORIGINAL SERIES-2(Ref.3901)

カシオ計算機(日本)
PRO TREK DPX-300
NAVY SEALS ORIGINAL SERIES-2
PRO TREK DPX-300
 一時期、大いに流行った腕時計である。人気タレントが使っているという理由でその製品が売れまくることはよくあることで、LUMINOXの「NAVY SEALS」もその一例だ。実はこの腕時計、女性の友達から格安で譲ってもらった。流行り物にはあまり興味のない僕だが、「ルミナイトシステム」の威力を確かめてみたかったからだ。
 「ルミナイトシステム」は、スイスのMB-Microtec社が開発した照明装置で、トリチウムガスを封じ込めた微細なカプセルが自己発光する。夜光塗料は暗い場所で数時間も経つと輝度が落ちるが、ルミナイトシステムは自ら光を放つため、いつまでも光っているのだ。ロングツーリングに行ったら、NAVY SEALSを腕に巻いたまま寝てみるとよい。夜中に目が覚めて「いま何時かな」と思ったら、明るく光るNAVY SEALSが即座に時刻を教えてくれる。
 ちなみに、NAVY SEALSはその名の通り米海軍の特殊部隊などに支給されているという。ブルース・ウィリス主演の映画「Tears of Sun」の中に登場するSEALSの司令官の腕にもNAVY SEALSが巻かれていた。

▲二輪夜話 ライディングウォッチ03

 テレビ番組などで、物の表面温度を色で表示するサーモグラフィーという装置を見たことがある人は多いだろう。実際に使ったことがあるのだが、これがなかなかに面白い。温度が変化する様子が、青から緑、黄色と変わっていって、文字通り一目瞭然。このサーモグラフィーと同じ原理を使って温度を測るセンサーを搭載しているのが「DPX-300」だ。
 ケース右側に付いている「サーモスキャナー」(赤外線輻射センサー)を対象物に向け、ボタンを押すと表面温度デジタル表示してくれる。サーミスターを使った温度計と違って非接触式なので、どんな物でも測れるのがミソだ。バイク乗りなら、路面温度やタイヤの表面温度を測ることで、その日のコンディションを知ることができる。
 こういう計測機器があると何でも測りたくなってしまうもの。タイヤどころか、エンジンのヘッドカバーから自分のおでこまで色々な物の温度を計測すると、意外に高かったり低かったりして面白い。ただし、計測値がどれくらい正確なのかは分からない。放射率は材質によって変わるため、対象物によって設定を変えなければならない。この設定が肝要なのだが、果たしてアルミやゴムの輻射率をどの程度に設定すればよいのか、よく分からなかった。
▲二輪夜話 ライディングウォッチ05
■ムーブメント:Ronda 715(クオーツ)■ケース:樹脂/裏蓋ステンレス■風防:ミネラルガラス■ブレスレット:ベルクロ付きナイロン■防水:200m■機能:日付表示、回転ベゼル■価格:2万9800万円■購入:2003年
■ケース:樹脂/裏蓋ステンレス■風防:プラスチック■ブレスレット:ナイロン■防水:10気圧■機能:赤外線温度センサー(メモリー機能付き)、カレンダー、ストップウォッチ、照明■購入:1995年

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