ライダーズウォッチ
強烈な日射しも寄せつけない究極の無反射風防
---AIRSPEED XLARGE ---
 ライダーにとって、ヘルメットやグローブと同様に欠かせないツールが“ライダーズウォッチ”です。バイクに乗る際、どんなグローブでもよいわけではないのと同様に、腕時計もライディングに適した機能や性能が求められます。その重要な性能のひとつが、いかなる状況でも瞬時に時刻を読み取れる視認性です。
 そこで紹介するのが、REVUE THOMMEN(レビュートーメン)の「AIRSPEED XLARGE」。視認性の高さは、星の数ほどあるアナログ腕時計の中でも、世界最高峰にあると言いきれるでしょう。例えば、快晴の空の下のツーリング。ふと腕時計を見ると、時計のガラス(風防)に空の光が反射して見にくかったという経験は誰にでもあるでしょう。ところが、AIRSPEEDなら絶対にそんなことは起こりません。どんなに眩しく太陽が輝いていても、文字盤がすっきりくっきり見えるのです。
 その秘密は、風防ガラスの両面に施された特殊な無反射コーティングと、ダイヤル(文字盤)の無反射塗装にあります。特殊コーティングされたガラスに太陽を映しても肉眼で直視できるくらい、反射を極端に抑え込んでくれるのです。あまりにも光を反射しないため、屋内では風防ガラスが存在しないかのように見えます。この時計を見た人は、10人中10人が驚きます。
 視認性の高さを支えているのは、無反射コーティングだけではありません。41mmケースに大きなダイヤル、中央部を塗装した航空計器タイプの針、そして時針・分針がどの位置にあっても常に読み取り可能なポインターデイト(日付針)も秀逸です。
 飛行機の高度計や速度計を彷彿とさせる針は決して伊達ではありません。REVUE THOMMENは航空計器を生産する精密機器メーカーでもあり、そのノウハウを腕時計にもつぎ込んでいるからです。あらゆる状況下で一瞬にして時刻を読み取る必要があるのは、パイロットウォッチもライダーズウォッチも同じ。そういう意味で、AIRSPEED XLARGEはライダーに最もお薦めできる腕時計のひとつです。
 次回は、ナイトランに最適なLUMINOXの「NAVY SEALS」を紹介しましょう。
AIRSPEED XLARGE(Ref.16050.2135)
REVUE THOMMENはスイスの時計メーカーであり、航空計器を生産する精密機器メーカーでもある。針の根元の方が塗装されているのは、航空計器のノウハウを取り入れた結果だ。ブレスはステンレス無垢の5連、ケース裏はスケルトン。ムーブメントは公表されていないが、ETA社の自動巻き「2836-2」であることは確認済み。僕の持っている個体は恐ろしく精度が高く、ほとんど狂うことがない。安物のクオーツより正確だ。

両面無反射コートのAIRSPEED
コーティング無しのNAVI HAWK
ほぼ同じ状況で撮影した2本の腕時計。上がAIRSPEED XLARGE、下はNAVI HAWKだ。AIRSPEEDの特殊コーティングがいかに高い効果を発揮しているかよく分かる。無反射コーティングしている時計でも、両面に施している例は少ない。ただし、この特殊コーティングは傷付きやすいのが弱点で、普通に使っていても表面に小傷が増えていく。機能にはほとんど影響ないものの、アウトドアでの激しい使用は避けた方が無難。

REVUE THOMMEN(スイス) AIRSPEED XLARGE(Ref.16050.2135)
自動巻き(ETA 2836-2)、ステンレスケース/裏スケルトン、ステンレスブレスレット、サファイアクリスタル(両面無反射コーティング)、日付表示、10気圧防水、標準価格9万8000円(2003年)

---「ライダーズウォッチ」のシリーズはほかとは異なる語り口にしています---
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