6/2(日) 武蔵野市民大会準決勝 @武蔵野市民球場
チーム名









成蹊フェローズ









成蹊OBフェローズ







1×

武蔵野の死闘 延長サヨナラで決勝へ!

気温30℃、真夏を思わせるグラウンドにて市民大会準決勝が行われた。
相手は初戦からまさに順当に勝ち進んできた成蹊フェローズ。
武蔵野市民大会の優勝を経験している彼らとの戦いは、
事実上の決勝戦と言っても過言ではないであろう。
この日、OBフェローズにはどうしても勝ちたい理由があった。
ひとつはチーム結成後未だ手にしていないタイトル奪取のため。
そしてなにより過去5年間、5回対戦して全て負けてきた現役へのリベンジである。
試合は成蹊フェローズの先攻で幕を開けた。
先頭バッター安野(3年)がいきなりの三遊間を抜くヒット。
続く工藤(3年・会長)が送り、3番稲田(3年)には鮮やかなセンター前ヒットで
あっさり先取点を奪われる。前日から戦況をシュミレーションしていた伏見監督は、
「この試合のカギはどっちが先取点を取るかなんだよなぁ〜」と言っていただけに、
完全に出鼻をくじかれた感じ。当然、息も荒くなる。
しかし、ここからOBフェローズのモチベーションが一気にヒートアップする。
ヒットの稲田を一塁に置き、続く4番福田(3年)のショートゴロを、
野澤−石井の二遊間コンビで鮮やかにダブルプレーに仕留め、
流れを完全に断ち切る。
相手チーム先発は、エース松本(3年)。
大きな大会で優勝を数多く経験するまさに優勝請負人、
成蹊フェローズの守りの支柱である。
打線は1、2回と三者凡退、完全に押さえ込まれる形となる。
続く3回も先頭岩波が出塁するも、天野の相手正面へのライナーで
ダブルプレー、2アウト。打席は9番ノブ。
相手守備陣はノブのサイズの合っていないユニフォーム姿を見て、
かなり浅い守備体系をとってきた。その守備陣を切り裂く痛烈なライナーを
放ったノブは一気に3塁へ!「打てる・走れる・挑発する」まさにノブの
強みが爆発した瞬間だった。2アウトながら、この試合初のチャンスに、
初回ゲッツーの立役者、1番石井が打席へ向かう。
その初球、歓声と共に打球はレフトフェンスをワンバウンドで越して行く。
これで試合は振り出しに戻った。
ここから5回までは、OBフェローズ先発下沢、成蹊フェローズ松本の
投げあいが続き、再び試合が動いたのは6回表。
この回先頭の成蹊フェローズ3番稲田がライト前ヒット。
2アウト後に6番途中出場の和田がライトオーバーのタイムリーを放ち、
試合終盤に1点のビハインドとなる苦しい展開に。
その裏の攻撃前、伏見監督を中心に円陣を組み、
チーム一同気合いを入れなおす。この円陣で社会人になって忘れかけていた
OBフェローズの「闘争本能」に火が付いた。
その効果はすぐ形となって現れた。ランナーを置いて、宮田、岩波のタイムリーが
飛び出し、この回一挙3点を奪う猛攻。逆に2点のリードで最終回を迎える展開となった。
チーム結成6年目にして初の決勝進出が目前と迫った最終7回表。
ここからが本当の悪夢の始まりだった。2アウトをとるもののランナーを
二人背負った状況で、この日2安打の3番稲田を迎える。
0−2からの3球目。打球は大きな放物線を描き、レフト山口(高)のグラブと
フェンスの間で大きく弾みフェンスの向こうへ消えていった・・・
4−4同点。
動揺からか、続く4番福田のゴロを名手野澤がエラー・・・
4−5逆転。
立場は完全に逆転。
1点を追う展開で最終回裏の攻撃を迎えることとなったOBフェローズ。
しかし、ノブ、石井と倒れ2アウト。ここまでか・・・
と思ったのもつかの間、2番野澤が執念の四球を選ぶ。
そして3番山口(高)。いつもは遅刻ばかりが目立つこの男だが、
ここぞの場面ではやはり最強の集中力を見せる。
快音と共に打球は左中間に伸びて行く。
5−5同点。
試合はこのまま延長サドンデスに突入。
バックネット裏にはいつのまにか大勢のギャラリーが・・・
8回表のフェローズの攻撃は、1アウト後、2者とも内野フライに終わる。
そして、その裏OBフェローズの打席は山口(和)。
和のオーラか、チームの気迫か・・・
和への投球がキャッチャーのミットをそれ、一塁側ベンチ前へ・・・
3塁ランナー野澤がホームへ飛び込み、見事サヨナラ勝ちを納め、
念願の武蔵野市民大会決勝へ駒を進めた。(→)