2002年を振り返る

2002年終わっちゃってるじゃん!
まあ、12/31に書き始めてそのまま寝ちゃったし。
つーか、長いって。つらつら書いてたら止まらないし。
ま、正月休みがまだ残ってたら読んでみて。日記更新してないときとか。

なんかワールドカップ関連から始めようかなと、ということでこの事件。日本戦のチケット追加販売を電話受け付けしたところ、申込みコールが殺到し、NTTドコモが2時間ほど使えない状態になってしまった。J-フォンやNTT東日本も影響を受けたとか。今も「年始のおめでとうコールはご遠慮ください」みたいなCMやってるけど似たようなもんで、全国的に多数のコールが発生する場合は、つながりにくくしておくわけですよ。

というのも、いっせいにドカンと電話が殺到したら、その電話線が入っているNTTの機械も影響を受けるわけですよ。壊れてしまう。そしたら特殊な機械だからすぐに復旧できるわけではない、つーことはそのエリアで電話が長い間使えなくなってしまう。だからあらかじめ電話を通じにくくして負荷を減らすわけ。だのに、この問題が起こったときに政治家さんから「通信業者は何をやってるんだ!」と叱られ。無茶言うなよ。

でもさ、IP電話とかってこういう問題は大丈夫なのかなー。要するにこれってDoS攻撃みたいなものでしょ。そういや、今年って7つのルートサーバがDoS攻撃されるっていう通好みの大事件があったな。・・・なんか分かりにくいこと書いてるね、俺。誰か答えろよ(←責任転嫁)。そういや、W杯チケットのHP申込みもつながらず・・・他言語で何回もリロードして緑ランプを待った人はけっこういたのでは。
 
ファイナルファンタジーXIが火付け役になり、これから日本でもじわじわとネットワークゲーム、つまりブロードバンドを使った双方向性のあるゲームが広まっていくのでは。いまの「つまり」で、つまったのだろうか。なんだ、双方向性って。ゲーセンのバーチャファイターの対戦みたいなもんよ。あれが世界中のブロードバンドユーザー間でできるようになるという。

まー、これはプレステ2のソフトだったわけですが、2002年2月22日に発売になったXboxはLANポートがついてて来年から始まるXbox Liveというネットワークゲームに対応するようになってるし。やっぱADSLとかがどんどん広まってることで、こういう状況が生まれたんだろうな。ADSL先進国の韓国では物凄いネットワークゲームが流行ってるし。僕が韓国のネットカフェに行ったときは客の全員が対戦ゲームやってて、怖かった。

まあ、韓国でここまでゲームが流行ってるのは理由があって。それは、つまり、韓国にはnintendo64もプレステもないからなんだよ。正確に言うと、日本文化が規制されてて、ソフトを手に入れられない。韓国は日本文化やアダルトものについて規制が多いので、韓国の若者がネットに逃げるわけね。もちろん韓国のブロードバンド普及には政府の強力な後押しとかネットを使った高い教育熱とかまだ理由は色々あるのですが。ま、よく比較されがちだけど、簡単に韓国と日本は比べられないのさ。
 
なんか色々あった気がするんだけど、とりあえずTBCしか思い出せないや。あと、アビバもあったっけ。まー、TBCの件について解説すると、TBCのWebサイトから約3万件の「お問い合わせ情報」が見れるようになってたということ。「お問い合わせ情報」というのは、TBCに対して「資料よこせ」っていうメールの中身ね。住所・氏名・年齢・電話番号・メールアドレスと自分のエステしたい部位とかが書かれていたらしい。そういや、2ちゃんねる情報によると、僕の好きなPのA美の情報もあったとか・・・。キャー。

ていうかね、本当に大事な情報なんてネットにつないじゃいけないわけですよ・・・なんてかなり暴論ぽいですけどね。でも、信じられないかもしれないですが、普通にADSLとかで常時接続されてる個人用のパソコンだって、ネットにつながってる間に物凄い数のアタックを受けてるんですよ、奥さん。家庭用のパソコンだって世界共通ルールの下でIPアドレスを割り振られた端末の一つなんです。いつ情報が盗まれるか分からない。しっかりブロックできなけりゃつなぐなって話ですよ。

それに、デジタルデータってのは1回盗まれちゃえば無限に複製されるわけで。TBCのホームページではお詫びのメッセージの中に「この度の流出したデータを入手された方はお手数ですが削除いただけますよう」っていう、笑える一文があったのですが、ニュースサイトZDNetはこう続ける。「だが100人がデータを入手したとして、99人がデータを自発的に消去したとしても、1人がデータを保持したままなら再び無限にコピーして無差別にばらまけるのが電子データとインターネットの恐ろしい側面だ」
 
4月1日という、よりによってな日に経営統合をして、大規模なシステムトラブルを起こしてしまったみずほ銀行。前田社長が「実害はなかった」って国会で答弁してたよね。すげえや、だから銀行なんて嫌いなんだよ(←言いすぎです)。どうせさー、みずほ銀行なんて国有化されるんでしょ(←言いすぎです)。まあ、このシステムトラブルっていうのは旧3行の調整がどーのこーのっていう、なんかドロドロとしたやつが原因っぽくって、嫌あね。昼ドラみたいなもんか。

なんか、このトラブルが起こったときに想像したのは、現場で働いている技術者たちの心情だ。もちろん実際のところはどうか知らないけどさ。でもなんか、トップが決めた「4月1日」とかさ、旧3行(ていうかそこのお抱えシステム会社)の綱引きでスケジュールがギチギチだっつーのに、ずーっと古くから使われてきた3つの銀行の勘定系システムを統合するなんて・・・しかも、こんなトラブルが起きて「何やってんだ!」なんて叱責されて・・・あーあ、単純なシステムだって不具合がおきることはままあるのに。かわいそうに。
 
今年はワン切りが大問題となってしまった。いまさら解説する必要もないっしょ。7月には大阪で電話ネットワークがダウンもしたし。今では機械的な超大量の発信に対してNTT東西は契約解除もできるように約款を変更し、ドコモも着信拒否機能を10月から始めた。でもさ、これって今年の問題として捉えられてるけど、僕が日記に書いたのってずいぶん前なんだよなー・・・おっ、2001年11月26日の日記だ。

“でもさ、携帯も凄いよね。迷惑メールがずっと問題になってるけどさ。今日、会社で聞いた迷惑電話の話もすごかったな。

<手口>
番号を通知した状態でワンギリ(一回コールしてすぐ切る)してくる。
携帯に着信履歴が残り、その通知された番号に発信すると、出会い系等の応答メッセージが流れる。

<請求>
これだけで、携帯の通話料とは別に10万円程度の請求がくる。

・・・これ凄くない? 仕組みについてはちょっとまだ分かってないみたいなんだけど(ダイヤルQ2の一種か?)、なんかワンギリされたらコールバックしちゃう、今の携帯ユーザーの心理をついたやり方だよね。しかも、いくら着信履歴が残ってたとはいえ、その番号にかけるのは自己責任だもんね。すげーな、社会の悪って。”


・・・すげー。問題を先取りしてるようで適当なまとめ方で流しちゃってるよ。さすが俺。迷惑メールについても2001年からの問題だけど、迷惑メール対策法ができたのが2002年の7月。でも、イタチごっこ。まあ、迷惑メールのおかげで、色々な人の誕生日を覚えました。皆、iモードアドレス長すぎ。
 
年末になると、どこの検索サイトでも「最も多く検索された語は?」というランキングが発表される。「2ちゃんねる」は、なんとヤフーとグーグルで1位、ライコスとインフォシークで3位という結果に。2ちゃんねるが市民権を得た・・・のか? まあ、僕も見てますし。「2ちゃんねる」とは誰でも匿名で書き込みできる巨大掲示板。みんな好き勝手なことを書くので、結婚・離婚・ツアー酷評などなどでPUFFYは叩かれたし・・・ファンには忍耐の年でした。せっかく北米ツアー成功させたのに(←スレ違い)

Web上だけではなく現実の世界ともリンクしてきた。っていうのは、2000年の「ネオむぎ茶」によるバスジャック事件とか2001年の日本生命に対する中傷記事とかもあったんだけど、とうとう2002年には誹謗中傷にあたる書き込みについて2審で管理者に削除を命じる判決が出されたり、ネコの虐待を中継した男が逮捕され有罪になったりと。中傷発言についていちいち管理者が削除してたら成り立たないな。今後どうなるんでしょうか。

ともあれ、今年は「WESA」が2ちゃんねるで取り上げられてしまい、「このサークルのホームページないの?」という書き込みを見て、こりゃやばいと1週間ほど僕のサイトも空白ページにしておきました。あれは怖かった。この一件で反省したよ・・・改善してないけど。まあ、ネット界の住人は2ちゃんねるとの上手な付き合い方を考えなきゃいけないのかもね。管理人のひろゆき氏は「嘘は嘘と見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と言ってる。でも、現実は。
 
トレンドマイクロ社によると、去年からほぼ倍増。で、僕にもここんとこ1日1通ペースでH田からウイルスメールが来てるんだけど。おいおい。僕が最近加入した「メールウイルスチェックサービス(月額200円)」って全部H田のしか出てこないしなー。そういえば、WESAメーリングリストでクレズEが流れたのも今年だったな。とにかく、もうウイルスなんてのは当然。セキュリティなんて常時接続時代には絶対に意識しなきゃダメなものですよ。分かんない人はセキュリティーソフトでも買って説明書を読むように。

WESAメーリングリストに流した僕のメールには

「ま、面倒な話なんだけど、こういうのってちゃんとしてないと自分だけじゃなくって他の人にも迷惑かけちゃうからね。個人でできるセキュリティ対策としては、怪しいメールは開かない、怪しいサイトに行かない、怪しいソフトをダウンロードしない、怪しいフロッピーは使わない、とかね。あと、ウイルス対策ソフトを使ったり(ちゃんと更新をする)、プロバイダーのメールウイルスチェックを使用したり、とか」

とある。・・・おおっ、どっからパクったんだ、俺。
 
ドコモが世界に先駆けて第3世代携帯電話FOMAを販売開始したが、売れてない。世界に先駆けたんだからそういうこともあるよな、なんて思うのだが、J−フォンが写メールでガンガン行き、auがCDMA2000 1xを順調に増やしている以上は、ドコモに対する風当たりも強まるばかり。すでにauのCMでネタにされたし。FOMA15万ユーザーに対し、auは400万ユーザー。うわっ、ちょっと引くほど差がついてるなー。

僕が就職活動をしてたとき、ちょうどcdma Oneが出始めた頃でさ、織田裕二をドコモから引き抜いてCMで使ってた頃よ。で、IDO(懐っ!)の会社説明会で、「cdma Oneは次世代携帯と互換性がある(つまり今はドコモがシェアトップだが次世代では逆転する)」ってことを盛んにアピールしてたのを覚えている。その後はIDOもKDDIになり、cdma Oneといえばビジネスマンの携帯っぽかったのに派手なCM攻勢やガク割などで一気にイメージを変えてったのだが、次世代に関しては当時の考え方が(今のところ)正しかったわけだ。

FOMA不振の理由は、ぶっちゃけ「使えない」から。電池が持たない、エリアが狭い。電池に関しては来年の新機種は改善されてそう。エリアに関しても順調に広がっている・・・が、高周波帯だから電波がまっすぐ進んでしまい、建物の奥とか圏外になっちゃうんだよね。せっかく現行の携帯が地下鉄とかでも使えるようになってきてるのに。僕の周りのFOMAユーザーでも文句を言う人は多い。みんな付き合いで買ってるから。

FOMAの持ち味も不明。テレビ電話くらいか。確かにFOMAは高速ではあるんだけど・・・、もともとターゲットにしてたのはハイスペックを求めるユーザーかファッション性でケータイを選ぶ人だったと思うけど、前者にとっては高速性よりも常時性、つまりDDIポケットのAirH"のほうが魅力的だったわけで。後者にとっては写メールが魅力的だったわけで。うーん、FOMAってすごい中途半端。来年も売れなさそうだな。という寒い結論ですが。
 
なんか2つ並べるのは強引な気もしますが、まあデモクラシーにもITが入ってきはじめたのかな(←超適当)。国民総背番号制とか言われてかなり批判されましたが、なんか今さらって感じ。なし崩し的に始まるわけですが、いくつかの市町村では拒否され・・・いいのか、国がそんな聞き分けよくって。こういうのって全部が全部始まるから便利なんじゃねーのか。ところで、俺の番号って何番なんだ。

で、日本の特性なのか、もうすでに反対意見が騒がれなくなっているという。とはいえ、セキュリティーソフトの更新をしてなかったり、データを車上荒らしで盗まれたりと、なんかヒューマンエラーは相次いでるようで。将来のネット化社会を考えると個人情報のデータ化は避けて通れないし、データベースというものは1人につき一意の番号を付与するのは常だから、別に感情的にどうこうってわけじゃないけど。でも公務員の情報リテラシーは向上してほしいよね。なんて普通のことを言ってみました。
写メール700万ユーザー突破。こんなに広がるとは僕自身は予測できなかったんだけど、でもやっぱ僕もカメラ付き欲しいもんなー。でもさ、カメラ付きのケータイっていうのは前にもあったわけよ。オプションだけど。auの「鏑木」ってCMだって最初は外付けカメラのCMだったし。ドコモだってキャメッセっていうの出してたよね。っつーか、どっちも写メール登場後だっけ。まあ、どっちにしろ外付けは流行んなかった。やっぱ手軽感が良かったんだろうか。

もともとニーズはあったし。ケータイがもう移動時の通信手段としてではなく、プライベートなコミュニケーションツールになり、着メロの流行や「きゃらっぱ」の成功など自分なりのカスタマイズ志向は広がってたわけで。それにプリクラから始まり「チェキ」「シャオ」「ヒッパレー」等のインスタントカメラへと写真の人気は高まってたわけだし。どうなんだろ、プリクラを交換するような感じで写メールをやってんのかな、今の若い子は。おっさんやん、俺。

まあ、写メールもムービー写メールへ広がり。auは「フォトメール」(200万ユーザー)、ドコモは「iショット」(300万ユーザー)で追いかけ。ドコモのFOMAへの移行戦略も修正を迫られてる状況で。でも、写真や動画のデータが重い、よってパケ代(通信料)が高いわけだから、今時の若者ってけっこう携帯料金が凄いこと(通称:パケ死)になってる人とか多いんでしょうね。ていうか、単なるiモードだけで、俺も給料の10分の1近く取られてるなー、ドコモに。泣きてえ。
 
2002年7月にワールドコム社が破産申請。1070億ドルは米国史上最大の破産となった。エンロン社とあわせて米国企業のコーポレートガバナンスをどーのこーのっていう文脈で語られることが多いわけですが、まあアメリカの通信業界の流れを象徴する事件であったとも言えるわけですよ。念のために言うと、ワールドコム社ってのは米国の通信会社で第2位の長距離事業者だったわけですよ。国際電話やネット接続もやってた。

通信会社って基本的に国でやってたとこが多いから、新しい会社ってのは苦労するわけ。ワールドコムは既得権益にしがみつく大手会社に対して真っ向から勝負を挑み、欧米の規制緩和の波を受け、新興会社の吸収合併を繰り返し大きくなっていった。それに、ワールドコムは新興事業者だし、広くあまねくやってく必要もない。電話をガンガン使う大企業のみターゲットにして自社設備で格安で提供する。日本では丸の内に絞ってサービスしてました。賢い。

企業成長のもとになった買収ですが、これは株式の交換などアメリカの好調な株価を背景にして実現させていた・・・んだけど、ITバブルがはじけちゃったんですよ。米国のITバブルはなぜはじけたかってのは説明するのは凄く難しいのだが、まあ、ぶっちゃけ「IT産業って伸びる伸びるって思ってたけど、実際そんなでもなくない?」って投資家が気づいちゃったんですよ。で、「冷静に考えたら、お前らちょっと光ファイバーとか設備投資しすぎじゃない?」っていう目でIT企業を見るようになり。株価が下がり。となるとワールドコムは事業が行き詰まっちゃうから粉飾決算をして株価を高く見せていく必要があったわけ。

ITバブルがはじけて、米国の新興事業者は軒並みつぶれてしまいました。それを受けて、「米連邦通信委員会(FCC)のパウエル委員長は、『通信基盤安定のためにはあらゆる手を打つ』として、長距離分野への本格参入を認めなかった地域通信各社に、ワールドコムなどの長距離部門の買収を容認する姿勢を示した」。もともとは米国も1社独占だったのが、規制された地域会社とその他自由競争って感じになったのが、また寡占状態へ逆戻りしそうになってる。で、日本はどうなるんだ。
 
普通、ネットワークに接続するためにはLANケーブルをパソコンにぶっこむわけだ。それがパソコンに無線LANカードというのを付けて、あとケーブルの替わりにアンテナを立てれば、ネットワークに接続できる・・・っつうのが無線LANの簡単な説明。いまでは必要な機器も値段が下がったし、配線が面倒だからっつうことで、企業内にも家庭内にも広がってます。で、外出先でも無線LANカードを持っていけば使えるようにってことで、公共の場所にアンテナが立ってる場所(ホットスポット)も増えてきた。Yahoo!BBモバイルってのがこれやね。外出先でも常時接続。

不安といえばセキュリティですね。朝日新聞には「部外者に電波をキャッチされると、パソコンの通信内容をのぞき見される恐れもある」という、ものすごいざっくりとした記事があったのですが。例えば企業の無線LANのアンテナからの電波が届く範囲で、まったくの他人がパソコンに無線LANカードを付けて接続しようとしたとき、セキュリティ対策がしっかりしてないと簡単にLANに入れてしまう。LANの中身は見放題。同新聞では「気象庁では職員のパソコン内にあるシステム設計図、議事録、契約社員の勤務状況などが外部から読める状態だった」という。あほかと。

まあ、そんなもん対策せぇよって感じだが。しかし、無線LANってビジネスになるのかねえ。店の客集めの材料かプロバイダの付加価値の一つか。どっちにしろ投資の割にリターンが見えないし。MISも撤退したし。でもまあ、ユーザーにとっては外でも常時接続だから、便利よね。PDAに電話機能を付ければ無料ケータイみたいになるもんね。つーか、もう試験運用は始まってるし。無線LANの発展系っていうのが第4世代携帯電話ですからね。しかしまあ、固定電話に続き携帯電話の設備も、10年後には過去の遺物になってるんだろうな・・・。
 
総務省から「050」という番号が付与され始めた2002年。ヤフーのBBフォンの台頭、そしてプロバイダ各社の連携。ルータにIP電話機能を持ったものも出てるし、NTT東西もフレッツでIP電話できる端末を来年には売り出すという。もうIP電話への流れは止まりませんな。はっはっは(泣きながら)。IP電話によって、同じサービスに加入している同士の通話は無料になり、普通の電話にかける料金も安くなる。そりゃ既存の電話の意味が薄れるわな。はっはっは(泣きながら)。

ネットに常時接続してる状態だと、メールをどんなに送っても無料でしょ(基本料は別として)。じゃあ、文字のメールじゃなくって、音声を送っても無料ですよね。っつーのが、IP電話の安い秘密なわけですよ。電話なんてのは原理としては糸電話と同じで、NTTの引いた1本の線でつながってたわけですよ。IP電話だと、その音声をネットと同じデータ通信として扱うから、NTTの音声ネットワークを使わない。IP電話で普通の電話にかけたときでも、途中まではデータ通信だからNTTの線に乗る部分は少なくなって、NTTから線を借りる料金も少なくなる。だから安い。NTTの収入は減る。

ま、おおさっぱな説明ですが。IP電話というとパソコンから電話をかけるイメージがあったけど、ヤフーのように既存の電話を使ってIP電話できる仕組みってのが世に出て、急速にIP電話が広がって。ただ業界としてはこんなに早く広がるとは思わなかったようで。やっぱ皆ヤフーをなめてたんだね。通信会社・プロバイダーはブロードバンドに乗せるコンテンツがないないと騒いでたけど、実はキラーコンテンツは映画や音楽ではなくって、加入者同士の音声だった、なんて。

しかし、電話なんて1通話あたり数十円のサービス。各社入り乱れてのIP電話競争では、いったい利益がどこに出るのか。ユーザーにはメリットがあっても、通信の未来はどうなるのかを考えると、見えないよなあ。ちなみにヤフーではIP電話のネットワークや機器が上手くいかないと、自動的にNTTの回線をつかむようになってる。知らないうちにNTTを使って長電話してたなんてことがないよう気をつけるべし。
 
11月、総務省が発表したADSLユーザー数は、約511万人。1年前は約120万人だったんだから、物凄い普及の進み具合であったわけだ。CATVユーザーも約190万人いるので、もう700万ユーザーがブロードバンドを使っているのね。俺はまだISDNだってのに。しまった、世間についていってないぞ。つーかこの前高校の友人3人と会ったら、ADSL1名、光ファイバー2名という。俺が一番遅いじゃないか。ADSLの12メガって12000キロだから、ISDNの64キロの187.5倍じゃないか。って、ADSLは普通そんな出ないけどさ。

というわけで、そんな高速なインターネット接続回線がめちゃくちゃ安くなったんでここまで広まったわけですよ。良かれ悪しかれYahoo!BBのおかげですね。Yahoo!も当初は開通まで時間がかかるとかサポートが悪いとかよりによって昇かよなどと悪評ぷんぷんだったわけですが、批判がだいぶ収まると、圧倒的な安さを持ち味にして代理店を使った営業力をフルに活かし、BBフォン・モバイルなどの付加価値や他者に先駆けた12メガサービスの提供などで、ぐんぐんシェアを伸ばすこととなりました。

つーか、ほかも値下げしたからそんな圧倒的でもないんだけど。でも1加入者あたり2万円は販促費に使うほどの販売攻勢で、工事の無料化とかモデムのバラマキとかやってるしさー。おかげで日本のADSL料金は世界で最も安い水準になってしまいました(そのものの料金は韓国の方が安いけど、物価水準を考えると日本の方が安い)。それに12メガを家庭用にやってる国なんてそうそうない(韓国は8メガ、アメリカは1.5メガまで、らしい)。

でもこの料金競争について懸念されてるのはアメリカと同じにならないかってこと。アメリカでは新興のベンチャー企業によってADSLの競争が起こったけど、ITバブルの崩壊とともに次々破綻してしまい、いまやアメリカのADSL事業者シェアは97%が地域電話会社が占め、料金も高止まりしている状況だそうで。どうなるんでしょうかねー。まあ、来年もADSLは16メガだの24メガだの出るらしいけど、料金はそんな高くできないんで、通信会社には厳しい状況が続くわけだし、似たような事が起きてもおかしくない。けどなー。総務省がなー。
 
NTTは02年9月中間決算で初の減収となった。音声収入の落ち込みが激しく、NTT東日本が905億円、NTT西日本が857億円、NTTコミュニケーションズが531億円それぞれ減少した。和田紀夫社長は「減収は傾向的なものと受け止めている」と今後も厳しい状況が続くと見通している。

代替となるはずのブロードバンド収入も、価格競争の激化で接続料だけでは収益が上がらない。さらに、通話料無料のIP電話が広がれば、音声収入は激減してしまうだろう。携帯電話も音声収入が落ち込み、先行きがみえない。同様の悩みはKDDI、日本テレコムも抱えており、通信業界共通の悩みになっている。


などと、冷静さを欠いた文になりそうだったので毎日新聞から引用してみましたが。もう間違いなく構造不況に突入しているわけですよ、通信業界は。うーん、面白そうな業界だと思って入ったのに、ここまで儲からない業界になるとは思わなかったな・・・。何度も書いてるように米国じゃガンガンつぶれてるし。じゃあ、どうやって収益を出せばいいのか。それが分かったら苦労しないって。

まあ、基本的に企業向けのソリューション・ビジネスを展開していくんだろうな。で、固定網については光ファイバーへの移行。1/1日経にはNTTの光ファイバーでテレビ番組配信をするって書いてあったけど、まあまた日経の妄想記事っぽいけど、でも構想としてはある程度帯域を確保できるようにしてサービスを多重化し、1本の光ファイバーで電話・テレビ・インターネットを使えるように・・・なんてのはもうここ数年言われてることだし、特に目新しい話でも。

移動体に関しては、今はケータイというのは人間が使うものだけれども、それを“動くもの全て”にケータイを持たせる・・・っていう、またこれも目新しい話でもないけど。つまり、ペットや自動車に全てケータイを搭載して位置情報の受発信をするようになれば、まだ何千万台という市場が広がってるわけよね。もう始まってるのかな? 自動販売機なんかは携帯端末が内蔵されてて、どれがどれだけ売れたかの情報をセンターに送って補充の管理をしやすくしてるんじゃなかったっけ? まあ、よく分からん。FOMAをがんばれ。
 

・・・お読みくださいましてありがとうございました。つーか、分かった?

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※データは2002年12月のものをもとにしていますが、二次利用はご遠慮ください。