不良債権問題って何?
    
         おしゃべり    
 世の中で騒がれるいわゆる「不良債権問題」なぜ、国はなんの罪も無い国民の税金を使って銀行を守ろうとするのか。普通に考えると潰れるようないい加減な経営をしたんだからつぶせば良いはずです。ではなぜそうせずに守るのか、住専問題に始まる不良債権問題の一端を記します。
 そもそも、住専問題がなんだか知らない人が多いと思います。よく分からないけど税金を「6500億円」も投入して銀行を守った事件です。政治家と官僚、銀行経営者不動産会社、ゼネンコンなお、利害関係者が自分勝手な論理を展開し、収拾がつかなくなった。これがその後10年に及ぶ「いわゆるバブル崩壊不況」と言われる時代の発端でした。バブル期に銀行各社は不動産投資資金を大量に貸し込んだ。それによって土地が暴騰し、国は銀行に対し「不動産投資資金貸付」を総量規制(銀行全体の貸付金額の合計をコントロール)した。
 ところがこれには不思議な抜け穴があった。銀行が不動産投資資金を貸し付けることは制限したのにその子会社が不動産投資資金を貸し付けるために借入をすることを禁止しなかった。
 そこで銀行はお金を
銀行 → 子会社の住専 → 不動産投資会社
と住専を経由してどんどん貸し込んでいった。しかし、物の値段は「売る人」がいて「買う人」がいる値段に落ち着くのが道理。必要以上に高くなったものは誰も買わなくなって、下がる。それを考えないで業界の人達がどんどん高値の取引をしてあるとき一般の人に売ろうとしたら売れなくなっていた。すでに売れる値段の5バイトか10倍に成っていた。その値を借入金でまかなって売却代金で返そうと思っていたが売れないのでお金が返せない。そんな借入金(銀行・住専からすると貸付金=債権)が大量に出来あがっていた。これが銀行の不良債権問題の実態です。
 住専の債権は13兆円のうち3割程度を残してすべてが不良債権化していて、帰ってこない。住専はこれが帰ってこなければ銀行に返せない。しかし、国の一般会計予算が100兆円程度のこの国にとって13兆円はやはり多額!下手をすると「信用創造」に書いたけど「円」というお金が10000円札100枚で1回分のトイレットペーパーを買うような無価値な状態になりかねない。そうするとたとえばアメリカの国家が外貨準備として持っている数兆円の「円」も無価値に成りその対かとして発行される米ドルが無価値になる。世界で「円」と「米ドル」が無価値に成れば世界中のドル(香港ドルやオーストラリアドル等)つられてドイツマルクもイギリスポンドも(いずれも、今はヨーロッパユーロ)、無価値に成ってしまう。世界恐慌(1925年ごろ)が日本を発端に始まる。これをきっかけに第2次世界大戦が始まったことを考えるとどんなに恐ろしいことか想像してみて下さい。
 で、国として日本発の世界恐慌だけは避けなければと慌てふためいて立ち上げたのが「住宅金融債権管理機構」です。
 山一證券・北海道拓殖銀行・日本債権信用銀行・日本長期信用銀行・そのた多数の銀行・信用金庫などの破綻はご承知のとおりです。
 不良債権の中には暴力団関係者がかかわっているものも有ったようです。それらに対し、警察権力・司法権力をフル活用し、母体銀行には貸し手責任を追及し、ひたすら国民負担回避の為に闘った記録は忘れられない、そして手元において置きたい大切な記憶です。