いざ、インド洋!  
   
鳴り響く汽笛
彼らはにこやかに手を振り
岸壁では大勢の人がそれに答えた
大勢の人がにこやかに手を振り
トランペットのマーチが
港いっぱいにこだまする

鳴り止まぬ鼓笛隊の音楽の中
艦はゆっくりと進み出す
艦上の白い手袋が
水面の照り返しに輝いていた

岸壁で「ただ、無事を祈るだけ」
幼子を抱いた母の涙は
艦上の人の涙
艦を進ませた人たちは
知っているのだろうか
「なぜ、外国の為に・・・」
艦上のある人の言葉は
岸壁の母の涙

親子でするキャッチボールを夢見て
幼子はただ、抱かれていた

戦争というものがそこにある
彼らは戦場に向かうのだ

後方支援?とんでもない
前線基地への補給艦と
バックヤードをつなぐ業務は
まさに戦争支援そのもの

その勝利の恩恵は僕達にも及ぶのだけど
それでもほかの方法は無かったか
あの街のツインタワーを見れば
どうしようも無いかもしれない

綺麗事だと言われても
やっぱり戦争はしたくない
どうか、ご無事で、そして平和を取り戻して
このこの国に帰ってください

そっしてこの国から発してください

「戦地は醜くかった」と・・・
  2001.11.25
  けんちゃんの詩集