真夏のペンギン  
   
おいで、おいで、 おいで、おいで、
ガラス越しに呼んでみた ガラス越しに呼んでみた
ガラスに指先を当ててクルクル回す ガラス越しに指先をもう少しゆっくり
  クルクル回す
彼らは飛んでいた  
ガラスの向こうを群れをなして なに?なに?
飛んでいた 彼らのひとつがやってきた
白いお腹、黒い背中 僕の指先を追いかけて
素早い動きで広くない囲まれた空間を ガラス越しに遊んでくれた
それでも精一杯飛んでいた 初めてのことにワクワクした
  僕の指を追いかけて
上下左右に勝って気ままに ガラス越しに突っついた
彼らは飛んでいた  
あまりの狭さに衝突し、喧嘩をするやつもいた フレンドリーな彼らとともに
  1時間近く戯れた
彼らは時々、僕を見て 南極に住む彼らにとって
彼らは横目で指先を見た 日本の夏は厳しかろうに
目の前を飛び越えながら  
それでも、好奇の目を向けていた  
   
  2001.8.5
   
  けんちゃんの詩集