世界征服の野望  
−−−雪の兵士、静かに−−−  
ストーブが目いっぱい燃えている
もっとも強いレベルで
僕達の教室を暖めている
普段は感じない
どこまでもやわらかな空気が
教室全体を包み込む

僕は授業を聞きながら
やわらかな空気とスクリーンの向こうの遠い世界を感じていた

空には何処までもブッ厚い雪雲
なのになぜかいつもより明るい景色
空からは等間隔でわた雪が連なる

今朝からずっと変わらない
見上げると何処までも連なって
そのまま雲と繋がっている

遠い空の光を溜めて
窓の外を明るくしてる
朝からずっと連なる雪は
何時しか地面を持ち上げる

すべてのものを埋め尽くし
真っ白な地面が出来あがる
すべてのものを飲みこんで
白く平らな世界が出来る

朝からずっと連なる雪は
何処までも高く地面を上げる

確実に在った教師の車。
自転車置き場の屋根さえも
見る見るうちに飲みこんで
すべてをすべてを消して行く

何処までも静かに
実感も無く
まるでスクリーンの向こうの出来事

何処までも静かに・・・
静かに、静かに・・・飲み込んで行く
   
  2001.12.13
  けんちゃんの詩集