十勝の春夏秋冬…野鳥の記録を通してs
撮影者: 北島康治
更新日: 2011.06.27
更新日: 2011.10.21
最新更新…2013.03.22
| 当HPの開設は作者が北海道・十勝に移り住み、身近に存在する自然の豊かさを野鳥を通して紹介するものです。 観光パンフレットに取り上げられない所にも十勝の素晴らしさがあることを、少しでも多くの方々に知って戴ければ幸いです。 |
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http://blogs.yahoo.co.jp/tokachijiman/
野鳥との触れ合いを通して素晴らしい十勝の環境を綴り残したい
湖・山・渓流の四季折々の風景と現象、その四季に合わせて移動してくる野鳥には特に魅了され、その一端をここに記すことに…
尚、写真や文面は適時更新することとする。
| 遅い春がやってくるのは桜の開花を基準に考えると5月になってから。 この頃地表には、春の草花が一斉に開花を始める。福寿草・ニリンソウ・オオバナノエンレイソウ等々があちこちに群生地を構成し、人手が入らないところで圧倒的に咲き乱れるのである。 渓流や森林に足を運ぶのが楽しく、特に目的も持たずに散策しても、その時々で思わぬ出会いもあり、身近な自然の豊富さに魅了される。 |
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| ⇒5月、湖の厚い氷も溶けはじめ、水面が顔を出し、雪を纏った山々も、気温の上昇を感じられるようになる。 長い冬も終わり、待ちに待った北国のはるがやってきた。 撮影は芽室町美生川上流 |
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平地では桜の蕾も膨らみはじめ、間もなく花見の話題が出始める頃である。 山々の雪解けも進み、長い間雪景色ばかりであった十勝地方にも、ようやく緑が見られるようになる。 肌に感じる空気にも、春の温かさが感じられ、植物も小さな生き物達も活動的になる。 |
| ⇒柔らかな陽射しに気温も上昇し、いち早く河原のヤナギが開花。見るからに暖かさを感じさせてくれる。 撮影は帯広市側札内川下流 |
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森の木々に緑の新芽が見られる頃、姿も囀りも美しい野鳥達が冷涼な十勝で繁殖するためにやってくる。今年も出会えるか、写真を撮れるか等々、期待が膨らむ時でもある。 |
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⇒オオバナノエンレイソウとニリンソウが谷間を埋めつくす中で、夜行性のフクロウは何処までも長閑でのんびりとした雰囲気を醸し出してくれる。 この谷は、福寿草から始まり、ザゼンソウ・エゾエンゴサク、そしてオオバナノエンレイソウ・ニリンソウと群生が続き、春の草花の移り変りを充分に楽しませてくれる。 撮影は幕別町札内地区 |
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小さな自然が身近にある十勝に感謝である。 大自然は残り少ないが、小さな自然は豊富で、それを減らさずに残してほしいと思う。 その小さな自然の春に咲く花は、至る所で群生する。特に楽しみにしているのは、カタクリから始まりオオバナノエンレイソウ・ニリンソウへと続く花達である。人知れず山の斜面や森林の中に見事な群生を発見した時は、自分だけの花園に出会えたように気持ちにさせられる。 |
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⇒平地の雪が消え去る頃になるとヤマゲラの巣作りが始まる。 数が少ないので度々出会えるという訳ではないが、アカゲラ同様に♂は頭頂部が赤く、ドラミングでもその存在を知ることができる。 撮影は芽室町 |
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嵐山スキー場の頂上から見渡す十勝平野の広い畑作地帯の眺望も素晴らしいものがあり、四季それぞれに一度は訪れ撮影している。 パッチワークのように何処までも続く畑、秋には金色に輝く落葉松の防風林など、その変化の様子は見飽きることがない。 |
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⇒冷たい雪解け水にも構わずミヤマカケスの水浴びは豪快であった。周辺に時折り気配りをしながらも、水しぶきを激しく上げる様子には迫力さえも感じる。 気温の上昇する初夏になると、標高の高い山の方へ移動するのであるが、比較的広範囲に渡り出会うことができる。 この野鳥の驚くべき点は、物真似が出来ることである。時折り車の音や、他の野鳥の囀りの真似をすることもある。 撮影は帯広市十勝川沿い |
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広大な十勝平野の中央を流れる十勝川は、大小200もの支流を集め、その支流には数多くの野鳥達が集まってくる。晩秋から初春までは冬鳥の憩いの場となり、春から初秋にかけては、夏鳥達の繁殖地となる。河畔林はそれらの貴重な場所でもあるが、近年は木々の伐採が多く見受けられることが残念でもある。 |
| ⇒縄張りの主張か♀へのラブコールか、ノゴマの囀りは何時までも続いていた。 喉元の特徴は♂だけであるが、春から夏にかけて見られる野鳥である。 十勝に住んで野鳥の撮影を始めるまでは、その存在すら知らなかった。 撮影は幕別町札内川河畔林 |
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野山を歩き一番感動することは、季節の風景の中で、初めての野鳥と遭遇した時である。 更に、その姿をカメラに捉えられれば申し分のないことである。 しかし、そんなことが度々ある訳はないが、見たことがない行動などはよく目にする。餌を捉える場面や水浴び行動なども、その一つである。 |
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⇒腹部は白いが全体は青のオオルリ。 この色と美しい囀りに魅了される愛鳥家は多く、十勝には5月になると飛来する。しかし、愛鳥家以外では実際に目にすることは少ないようで、事実自分も野鳥の撮影を始めるまでは、名前は知っていても目にすることはなかった。 愛鳥家でなくとも、一度は囀りを聞き見てもらいたい野鳥である。 撮影は芽室町然別川沿 |
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6月になり木々の葉が多くなると、囀りを耳にしても姿は葉陰に隠れ、見つけるのに苦労するのは毎年のことで、5月が一番の撮影チャンスのようでもある。 数多くの野鳥が訪れには、木々の種類が多い自然林が豊富であることが重要で、広葉樹や針葉樹など、より自然な形が残されているところには訪れる野鳥の種類も多い。木々や植物の種類が多ければ、そこに棲息する虫の数・種類も多く、木の実や種子も当然多いので、様々な野鳥の棲息も可能となる。 |
| ⇒オオルリに負けず劣らず姿形が美しいキビタキ…やはり5月になると十勝に飛来してくる。 オオルリより一回り小さいが、黄色が目立つので比較的目につきやすい。 じっくり囀りを聞いていると、まるで会話をしているように聞こえることもあるので、知らず知らず聞いている人も多いかも知れない。 撮影は芽室町然別川沿 |
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春に訪れる野鳥の第一目的は、この地での子育て、繁殖である。 縄張りを主張したり、♀を呼んだり、時には警戒音を発したりと、様々な囀り・声を聞くことが出来る。 ある場所で繁殖に成功すると、翌年にも同じ場所で同じ行動をとると言われ、その環境が維持されることは非常に大切なことである。 |
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⇒同じくキビタキ 十勝管内では広い範囲で見ることができ、帯広市内では、緑ヶ丘公園・帯広の森などでも撮影している。 撮影は帯広市緑ヶ丘公園 |
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野鳥の中には、見とれてしまうほど美しい姿をしているものがいる。また聞きほれてしまう囀りをする野鳥も…キビタキやオオルリはその両方を兼ね備えていると思う。正に『天は二物』を彼らに与えたのであろう。 |
| ⇒北海道では夏鳥であるが、四季を通じて見かけることもあるシメ… 強面の表情は他の追従を許さないところであるが猛禽ではなく木の実や虫を食している。 体長は15cmほどでも、近距離まで近づけるので肉眼でも比較的観察しやすい。 声にも特徴があり、見かけによらず口笛のような柔らかい声を持っている。 撮影は帯広市緑ヶ丘公園 |
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この野鳥の撮影に成功した時は、その存在を知らずにいた。実際には広範囲に出会うことが出来るので珍しい野鳥ではないが、初めてこの顔をアップで捉えた時は、思わず笑ってしまったものである。 野鳥の魅力は美しさだけではなく、思わず微笑んでしまうような場面や顔つきも、また楽しいものである。 |
| ⇒コムクドリ…名前の如くムクドリの仲間であるが、十勝ではムクドリより少し遅く飛来してくるようで、5月中旬頃から見られる。 比較的住宅地の近くでも見ることが出来、帯広市内であれば、緑ヶ丘公園や帯広川下流の河畔林でも出会っている。 撮影は幕別町十勝川河畔林 |
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一般に北海道で夏鳥と言われる野鳥達がやってくるのは5月が一番多いようで、多くは河畔林で確認がしやすいように思われる。 河川が多いこと・河畔林が豊かであることが要因と考えられ、最近多く見られる河川敷の公園化には、野鳥達のことも考慮してほしいものと思う 餌が豊富であること、巣作りができること、天敵から身を守ることができること、これらの環境は必須である。 |
| 真夏の最高気温は、時には30℃を超えることもあるが、体感気温としては湿度が低いためか、それほどに感じない。そして朝夕には冷涼な空気を感じられるので、数字で見る気温より遙かに過ごしやすい十勝なのである。 また、日高山系や大雪山系からの雪解け水は、夏でも冷たく十勝ならではの体験であった。 |
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| 渓流が楽しいのもこの季節。 冷たい流れの中を歩きながら、周辺の草花や野鳥の囀りを楽しみながらの釣りである。 渓流での釣りは、十勝に住んでから始めたもので、それまでは「待つ釣り」ばかりであった。 自然の中に身を置きながらの釣りも、十勝では身近で堪能することができる。 撮影は戸蔦別川中流 |
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広い平野部を有する十勝では、山並から海岸までの河畔林が野鳥達には非常に重要で、餌を捕るにも繁殖するためにも大切な役目を担っている。野鳥だけではなく、北海道・十勝らしい草花にとっても同じことが言える。 更に、それらに依存する昆虫や小動物にも共通する環境である。 |
| ⇒ノビタキも春に渡ってくる夏鳥であるが、初夏の頃が一番目撃することが多い。 十勝川の河畔林でも繁殖をしているが、近年繁殖地の一つであった林が伐採されてしまった。 撮影は十勝川河畔林 |
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短いが、最高気温は本州と変わらない気温になるこの時期、野鳥達の繁殖は旺盛で、その種類も多くなる。河原や野山を散策すると、何種類もの囀りを耳にするが、緑の葉も生い茂り、その姿は容易に確認出来ない。 しかし、早朝や夕刻の涼しい時間帯は、十勝らしい空気の中で、これらを楽しむことができる。 十勝の夏は非常に過ごしやすい。 |
| ⇒清流の宝石とも称されるカワセミ…小魚を主食とするので、その環境は年々厳しい状況に追い込まれつつある。毎年5月になると十勝にもやってくるが、年々出会える機会が少なくなっている。 撮影は帯広川下流域 |
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広い十勝川の河畔林の中に存在する、小さな三日月湖でも確認出来ているが、近年周辺の木々が伐採され、その場所ではついに姿を見かけなくなってしまった。水・林・小魚の条件が揃っているところは非常に少なくなってしまったので、これから先が心配である。 |
| ⇒カワラヒワ…雪解け頃になると渡来してくる野鳥であるが、少数は越冬することもあるようである。春先は群れを見ることが多く、繁殖の時期になると単独行動も多いように思える。 山麓から住宅地の広い範囲で見かける。 撮影は札内川河川敷 |
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清流日本一に何度も輝いている札内川。真夏でも冷涼な流れは、十勝に住む者として自慢出来る流れではないかと思える。 ケショウヤナギの群生は、他の地域では見られない規模でもある。 しかし、上流にダムが造られてから清流日本一になることも無くなってしまったようだ。 |
| ⇒センダイムシクイ…5月頃に渡来し、山間部から平野部の林や藪の中で見かける。小さな体で動きも早く、容易に撮らせてもらえない。 初夏の頃、繁殖のために活発に餌採り活動をしている場面は度々目にすことができる。 撮影は音更町十勝川河川敷 |
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日中には30℃を越える十勝でも、本州の温暖な地域で育った者には、『暑い』と感じることはない。 湿度が低く、30℃を越えるといっても、日中の一時だけなので、大変過ごしやすい夏である。 この環境は、十勝で生まれ育った人達には解らないものかもしれないが、それほど恵まれた過ごしやすい十勝の夏なのである。 |
| ⇒エナガ…尾の長さを除くと雀より小さな体で、その目は非常に愛くるしい表情を見せてくれる。集団で行動することが多く、河畔林で繁殖することが多いようでもある。 十勝では、シマエナガも同じ様に出会うことができ、やはりその表情に魅せられてしまう。 撮影は中札内村札内川河川敷 |
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夏になると、札内川の中流域から上流部にかけて河原を釣竿を持って歩くことがある。 冷たい流れの中を歩きながら、河原に咲く草花を眺め、野鳥の囀りやセミの鳴き声を耳にしていると、十勝の良さを更に体感することになる。 残念なことは、道路に近い河原では年々家庭ゴミや粗大ゴミ、時には産業廃棄物を目にすることが多くなっていることである。 |
| ⇒エナガの幼鳥…人間の姿を見るのは初めてかもしれない。あまり警戒する様子もなく、その姿をしばし堪能させてくれた。 撮影は幕別町猿別川河畔林 |
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自然が多く残されている十勝と言われるが、実際には小さな流れまで護岸され、森は人工林が多く、完全な自然は皆無に近い。 農地の改良や生活を守るためには、仕方のない部分もあろうが、どう考えても『不必要』な工事も多く見受けられる。 その様な時、小さな野鳥の繁殖を確認すると、ホッと一安心できるのである。 |
| ⇒ナキウサギ…氷河期からの生き残りとされる貴重な哺乳類。北海道内の800m以上の高山に棲息するが、その数は多くはない。 冬眠をしないので、岩場の穴などに植物を葉を蓄えているようである。 キィッキィッと甲高い声を発する。 撮影は東ヌプカウシヌプリ山 |
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3回目の登山でようやく巡り合うことができた。 上空にはノスリが獲物を物色していたためか、顔を出しても直ぐに穴の中へ。 この場所は標高1,200mを超える。 このような感動を与えてくれる自然に感謝する。 |
| 劇的な変化を見せる十勝の秋。この時季、河川の上流や湖沼の美しさには目を見張るものが多い。 自然林が残されている山間部では、特に雄大で美しい装いを体感することになる。 紅葉の素晴らしさもそうであるが、ダケカンバの幹の白さもまた見事である。 山頂から始まる秋の紅葉は、その早さを加速さて平地に降りてくる時、木々の変化に追いつくことが難しいほどである。 朝夕がマイナス気温になるこの頃、登山や山間部のトレッキングは、一年を通して一番気持ちのいい時期でもある。 |
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| ⇒ダケカンバに覆われた斜面はモミジや常緑樹も混じり、豊富な秋の色を表現してくれる。 撮影は然別湖周辺 |
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紅葉の楽しみ方は様々である。 真っ赤なモミジも黄色のイチョウもそれぞれに美しい。 十勝の山々では自然林の紅葉が楽しめる。錦の山々は実に美しいが、ダケカンバの白い幹が混じるのも、北国の紅葉シーズンでの見物である。この後、紅葉が麓から平地に移り行く様子も目を楽しませてくれる。 |
| ⇒初秋の然別湖では、日中でも風が冷たく感じる季節となり、朝夕にはマイナス気温となる。 湖周辺の山々は色とりどりに化粧をはじめ、辺り一面紅葉を楽しむことができる。 撮影は然別湖 |
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湖上での釣りは、幻の魚『オショロコマ』を狙ってのものであるが、期間限定で有料となる。これも貴重種を保護するためには致し方がないことであろう。 周辺の山々では、氷河期からの生き残りとされる『ナキウサギ』にも出会うことができる。この貴重な大自然をいつまでも残しておきたい。 また全面が凍結する冬には、湖上の氷の厚さは60cmにもなり、温泉を利用した催しも毎年行われているようである。 |
| ⇒秋の足音は訪れるのも早いが、去って行くのも早い。短い期間に気温が大きく変化するので、その分劇的に姿を変える山々の色であるが、その色が下り始めるのもまた早い。 麓を駆け降りる紅葉を追いかけたくなる、美しい季節である。 写真は駒止湖 |
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直接湖畔に、降りる道が見当たらない駒止湖は小さな湖であるが、周辺の山々の中腹から眺める水面の色は、周辺の木々の色と相まって大変美しい湖でもある。年に何度か訪れるところでもある。 周辺の山々へは、この時期トレッキングシューズでも登山を楽しむことができ、野鳥やシマリスや時にはナキウサギ等に遭遇することもあり、期待の持てる楽しい登山となる。 |
| ⇒現在では、人の手も入らなくなった深い森の中では『自然林』がそのまま残っているのも、美しい秋を彩ってくれる一因でもある。 常緑樹・針葉樹に混じって、カエデやモミジの色が鮮やかで、訪れるものの目を充分に楽しませてくれる。 観光客集めのために造られた紅葉ではなく、自然にそのままに色付く紅葉は、別格な存在であるように思える。 写真は十勝川上流域 |
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その年の気温の違いで、紅葉の様子は毎年微妙に異なるが、それでも期待に応えてくれるところも、寒暖の差が大きい十勝の特徴である。 十勝川上流部では変化に富んだ紅葉を演出してくれるので、渓流美を楽しみながらのトレッキングはお勧めである。 |
| ⇒高山での紅葉を見終えた後は、麓の渓流に美しい色を見い出すことができる。 全国的、或いは全道的に有名な紅葉の地は耳にしない十勝地方であるが、それらの地に負けない美しさはあちこちに見ることができる。 写真は芽室町美生川上流 |
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毎シーズン、紅葉の中に入ると楽しみにしていることがある。それは落ち穂拾いならぬ『落ち葉拾い』である。 色鮮やかなモミジやカエデの落ち葉を拾い、しばらくの間厚い本の間に挟んでおくと、丈夫で美しい栞が出来上がる。 この栞は1枚あれば1年間もつのであるが、それを知りつつも、何枚も作ってしまう。お陰で溜まる一方に… |
| ⇒紅葉を楽しみながら渓流を歩くと、よく出会うのがカワガラスである。 このカワガラスは水生昆虫を好み、鋭い爪で川底の石を掴み、水中を歩くようにしながら餌を捕る面白い野鳥である。 水面スレスレに飛ぶ姿は素早く、この写真のような構図で撮れることは珍しい。 写真は十勝川上流部 |
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山の麓や奥地の渓流に入る時、一番気になるのは、やはりヒグマの存在である。 熊除けの鳴り物や人間の声などを出すのは効果があると言われているが、音を出すと野鳥の撮影には困ったことになる。警戒され素早く姿を隠されると全く見ることも出来なくなる。これも自然の中へ邪魔をする、人間が諦めなければならないことなのであろう。 |
| ⇒コアカゲラ…体長は雀より少し大きい程度で、よく目にするアカゲラよりは遙かに小さい。 頭頂部の赤い部分はアカゲラ同様♂だけのものであるが、その場所は若干アカゲラより前方に位置する。 撮影は然別川下流域 |
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現在は、このコアカゲラを撮影した河畔林は無くなってしまった。伐採されたのである。想像するに、洪水などで倒木となり、それが流されることを防止するためだと思われるが、逆に堤防の保護にもなっていた河畔林であったと思うのは、自分一人だけだったろうか、疑問である。 |
| ⇒ミヤマアカネ…晩夏から秋口にかけて多く目にするナツアカネ・アキアカネと共に、この季節には美しい姿を見せてくれる。 撮影は十勝川下流域 |
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短い夏に合わせるように、茜(赤とんぼ)は一気に発生する。場所によっては一度に数百もの数を目にすることもある。 アキアカネやナツアカネは、時には体に何匹も止まることが…。これも清い流れがあればこそのことで、その数は残念ながら少なくなりつつあることも事実。 |
| 厳しい冬は長く、寒さは苦手である。しかし、十勝の冬は豪快な風景を作り出し、厳しいからこそ巡り合える風景には魅せられる。 真冬になるとマイナス25℃を下回ることも。年間の寒暖差は、実に60℃に達し、1日の温度差も20度を越えることがある。 『四季がハッキリとしているので美しい日本』と言われるが、これほどハッキリしている地域は十勝ならではないか。 それも晴天の日が特に多い十勝地方の冬は、体験出来る自然現象や見ることの出来る動植物も風景も『十勝ならでは』のものが多い。 |
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| ⇒真冬の十勝、その豪快で且つ荘厳な風景はマイナス気温も15℃以下になると出現する。特に20℃を下回ると更に美しさを増してくれる。 撮影は帯広川下流の霧氷林 |
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晴天の日が多い十勝の冬。 放射冷却現象で早朝の気温は厳しさを増すが、その厳しい寒さが作り出す風景には、目を奪われるものが数多くある。 霧氷・ダイヤモンドダスト・サンピラーなど、実に美しいものである。 |
| ⇒霧氷林は、夜明け後でも充分に堪能することができるが、その霧氷を作り出す川面から立ち昇る川霧の姿は、夜明けごろがもっとも美しい。 撮影は十勝川中流域 |
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冬の楽しみのは数多くある。特に早朝にその楽しみが集中するように思える。 また、安定した天候が続くことも十勝の特徴である。日の出の遅い真冬の十勝、魅せられるものの多いことに感謝する。 |
| ⇒十勝で生まれ育った人でも、殆ど目にしたことがないと思われる『流氷』。 『流氷』と表現するのは、十勝川あるいはその支流から流れ出た強大な氷の塊が太平洋に流れ下り、再び海岸に打ち上げられるからである。 その氷の塊は、見えなくなる遙か彼方まで続くことがある。中には砂浜に埋もれ、4月に訪れても残っていることがある。 撮影は豊頃町海岸 |
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初めてこの巨大で何処までも続く流氷の帯を目にした時は、驚きと感動であった。 有名なオホーツクの流氷も目にしたことはあるが、それとは全く違ったもので、源の様子を知るだけに、その行程も充分に想像できる。 十勝に住み暮らしていて、この存在を知らないのでは、一つ損をしているのではなかろうか。 |
| ⇒遡上して浅瀬に乗り上げたアキアジ(鮭)を狙ってオジロワシが… 一部は留鳥として残るオジロワシであるが、鮭・鱒の遡上時期になると十勝川の河原に集まってくる。多い時は、一箇所で10羽もの数を見ることがある。 夜明け直後、朝靄の中でのドラマであった。 撮影は十勝川千代田堰堤下流 |
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想像するにその昔、堰堤などが出来る前には鮭・鱒も含めて海から遡上する魚類は豊富な量と種類であったと思われる。その頃には、大型の猛禽類も今とは比べようもないほどの数が飛来してきたのではないか。その当時の姿を脳裏に描いてみる。 |
| ⇒若いオジロワシの姿は、流れに立ち込み釣りをしている人間の姿を見ている。雑魚を河原に置き去りにした釣り人が去った後に、その魚を狙っているように思える。2mを越える翼を持つ雄姿と強力な嘴を強調するかのような姿であった。 撮影は千代田堰堤 |
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冬鳥の中では、オオワシとオジロワシが一番の人気者になる。 2mを超える翼と、強く逞しい嘴と足、その威風堂々とした風格のある姿には、他の野鳥では感じられないものがある。 その姿を特別な場所でなくても見ることができる十勝である。 |
| 撮影は同上 | ![]() |
十勝川に遡上する鮭の大部分は人間に捕獲されてしまうが、力尽きた鮭は、オジロワシを始め、オオワシ・カモメ・キタキツネ・カラスなどの、冬場の貴重な食料源である。それらの数がどの様に増えようとも、人間に損害を与えることにはならない。何故なら彼らには、元気な鮭は捕れないのであるから…。 |
| ⇒空の王者と言えば、何といってもオオワシではないかと思われる。オジロワシは2mを越える翼を持っているが、オオワシは更に一回り大きな翼を持つ。 餌を食する順番を見ていると、最初はオオワシ、次がオジロワシ、そしてキタキツネ、カモメ、カラスと続くようである。一番数の多いカラスは最後なのである。 撮影は十勝川千代田堰堤付近 |
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鮭の遡上に合わせ姿を見せるオオワシとオジロワシは十勝川河口から、遠くは糠平湖や然別湖周辺までに餌場を持つようである。魚を主食としながらも、雪山などで事故死したエゾシカなども、食料源としているようである。これも『自然』が残っているからこそのことである。 |
| ⇒餌場である方向を観察 撮影は十勝川下流域 |
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近年は残念なニュースを目にすることが多い。鉛中毒死をする大鷲や尾白鷲が増えていることである。 エゾシカを狙うハンターが、未だに鉛弾を使うため、捕獲されなかったエゾシカの死体を食べ、中毒になってしまうようである。 また近年は風力発電も増え、巨大な回転羽にぶつかり事故死をする鷲も増えているとか。 共存することは非常に難しいと痛感する。 |
| ⇒上流を目指すオオワシ 撮影は十勝川下流域 |
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十勝川の堤防を下って行くと、川の豊かさを知ることができる。一見寒々とした風景であっても、そこを舞台として多くの生き物達のドラマに出会うからである。 その主役はオオワシとオジロワシであるが、数多くの水鳥達の数と種類にも驚かされる。 十勝に住みはじめた頃を思い浮かべると、『寒い冬の外出はしたくない…』と思っていたものであるが。それが『寒いほど面白い場面に出会える…』と変ってしまった。十勝の冬は非常に魅力的である。 |
| ⇒冬の使者である白鳥。近年、餌場と決めてパン屑などを与える者を多く見る。 白鳥だけでなく、鴨類もその餌を求めて集まる。十勝の川は水草も豊富であり、その必要性は全く感じないが、人間の都合と好みでやっているように感じる。 撮影は帯広川下流域 |
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昨今、野鳥の撮影に人気があるのか、高性能カメラに長い望遠レンズを付けた人達を度々見受ける。 それは好ましい事と思うが、そうではない輩も少なくない。面白い場面を撮影しようとして、用意したパン屑などを投げ与えて、水鳥達が騒ぎ出した瞬間に連写でシャッターを切るのである。野鳥の撮影をしながら、野鳥のためにならないことをしているのではないかと思える。 |
| ⇒丹頂のディスプレイは、釧路地方の有名な餌場での写真を多く目にする。しかし、十勝では自然の中で丹頂の姿を楽しむことができる。繁殖もしているので川沿いでは時々若鶏の姿を見ることもある。 撮影は十勝川下流域 |
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本州では、決して目にすることが出来ない丹頂も、比較的身近に感じることができる十勝は、野鳥達の宝庫でもあると言える。春夏秋冬、様々な野鳥達を目にすることが可能であり、『寒い冬もまた楽しい』と思わせてくれる。 |
| ⇒ミコアイサ…渡来する数は少ないものの、その姿は毎年出会いを楽しみにさせてくれる。 サングラスを付けたような顔、逆モヒカンのように見える頭。恰好が良いのに、何処かに笑わせてくれる要素も持っている。他の鴨達と一緒にいる場合でも警戒心は強く、どの鴨より先に飛び立ってしまう。 撮影は帯広川下流域 |
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多くの河川を有する十勝には、越冬のために渡来する水鳥・鴨達の種類も数も多く、特に全面が凍りつかない川には数多く集合してくる。幸いにして鳥インフルエンザも現在までは確認されておらず、この環境が続いてほしいものである。 |
| ⇒シマエナガ…頭部が丸く真っ白で美しい。先のエナガの亜種のようであるが、本州には棲息してないようである。寒さを防ぐために、丸い体を一層丸くしている姿が微笑ましく見える。 撮影は札内川下流域 |
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冬は、大型の野鳥や水鳥達が目立ってしまうが、小さな野鳥も懸命に冬を乗り越えている姿を多く見受ける事のできる十勝。これがなければ寒い冬は、更に寒く感じてしまうのではないか。 小さな野鳥達の餌は木の実や種子、あるいは冬芽などであるが、残り少なくなる頃には、もっと自然林が多ければ…と思うことがある。 |
| ⇒キレンジャク…寒さが厳しくなる頃、木の実を目指してやってくる。一番目にするのはナナカマドに集まる姿である。集団で移動しながら、時には1本のナナカマドに群れる姿を見ることもある。 時折ヒレンジャクモ群れの中に見かけるが、その数は圧倒的に少ない。 撮影は札内川下流域の住宅地 |
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冬鳥でも、十勝へ渡来するのが遅い野鳥もいるようである。レンジャク・ベニヒワ・マヒワなどは、真冬から雪解けの時期にかけて見ることが多い。そしてどちらも群れで行動する。その群れは度々出会える訳ではないが、近くで見るとどれも美しい姿をしている。 |
| ⇒ベニヒワ…真冬より、冬の終り頃に目にすることが多い小さな野鳥である。群れで行動し、20羽ほどの群れを、一度に数組も目にしたことがある。小さな木の実や松の実などを好むようで、小さな体が如何にも忙しそうである。 撮影は緑ヶ丘公園 |
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野鳥と出会うには、野鳥達が集まる場所で辛抱強く待つことが大切と言われるが、その方法は自分の性分には合わない。 自然の中を散策し、草花を愛でながら風景を楽しみ、季節の空気を感じながら偶然に出会うのが好きである。 十勝にある身近な自然には、それらを提供してくれるだけの力を有していると思う。 |
| ⇒マヒワ…ベニヒワと同時に目撃することもある。右の写真も先のベニヒワ同様、緑ヶ丘公園で雪解け水を浴びている場面である。 撮影は緑ヶ丘公園 |
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最後まで目を通して戴きありがとうございました。 南東を太平洋に、北西を山々に囲まれた十勝地方は、冬の降雪量も少なく夏は冷涼な空気が流れ、数値で知るものより遙かに暮らしやすい地域でもある。 四季折々に、自然の演出する現象に目を奪われことが多く、少なくなったとはいえ、まだまだ自然も豊富な十勝。いま少しその中に身を置きたい。 |