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Cell_雀 不定期コラム 第三弾!
 
Cell_雀、次回作はシュミレーション!?
 
 
 
 
 
 
Cell_雀リリース後、伝説のSE前澤さんと、今後の展望に
ついて雑談しました。(伝説のSE前澤さんについては、
拙コラム「開発秘話(十年越しのリベンジ!)を参照方」)


ドキドキCクラブ © GEN MUTO

 以下、そのときの会話の内容です。(前=前澤、武=武藤)
 
 前 「実際、お仕事モードが受けたんだろうね…麻雀のフリーソフトなら、そんなに珍しくないもんなア…」
 武 「いやー正直ここまで反響があるとは…嬉しい大誤算です (笑)」
 前 「それで、次回作の構想はあるの?」
 武 「え? いや、まだCell_雀リリースしたばっかで…そこまで考えてないんですが…」
 前 「次はシュミレーションいこうよ! シュミレーション!」
 武 「え? (まさか信長の野望?)シュミレーションですかー。確かに思いっきしエクセル向きですね。
    お仕事モード作るのも楽チンそう…」
 前 「経営シュミレーションなんてどう? これなら仕事中やっててもまずバレないよ」
 武 「それはイイかも…! 確かにバレなさそうですね」
 前 「でしょ? やってる本人も仕事してるのかゲームしてるのか分かんなくなっちゃうくらいのやつ」
 武 「あはは! それナイスっす!」
 
 こーんな感じで、バカ話を小一時間続けてました。前澤さん、客先行くって言ってたけど間に合ったのかなあ?
 
 この雑談のあと、たまの休みを家でノンビリ過ごしていたときでした。もうじき六歳になる私の息子が、ゲームを手伝ってくれとネダってきたのです。
 彼の今一番のお気に入りは「Tower」というビルを作っていくシュミレーションゲーム。最近になってようやく、データの保存と読出をマスターした彼は、お気に入りのSAVEデータを引っ張り出してきて、続きを私にやれというのです。
 そのビルを見て、幼児の発想の大胆さ(奇抜さ?)に頭の固くなった大人の私は、度肝を抜かれました。
 
 塔のように空高くそびえ立つ、意味のない中空のエレベーター、オフィス階のド真ん中に、なぜかひっそりと置かれた建売マンション、ひとつあれば充分なのに、意味もなく五つも六つも並べられたセコムルーム。
(これは最近の、息子のアイドル! デカレンジャーの影響に間違いないと思います)
 つくづく私たち大人は、自由に発想しているつもりでも、効率とか常識とかいう呪縛にがんじがらめに束縛されているのだなあ…、と実感しました。
 
 彼のビルを手伝っていくうちに、私のほうがゲームに夢中になってしまい。最後は息子にあきれられ、見捨てられてしまったのですが…。(笑)
 半日近くビルを作り続けていて、…フト思いました。
 「これって会社作りにそっくりだなあ…」
 作り始めのビルは、白紙のキャンバスです。どこに、どういう設備をするか、どんな風にデザインするか、まさに自由そのものです。
 これは、ベンチャーが立ち上げ当初、少人数でお互いカバーをしあいながら、大胆で自由な発想で経営を乗り切っていくのにそっくりです。(立ち上げ当初は、お金が足りなくて苦労するとこまでそっくしです 笑)
 
 これが、ある程度の規模のビルになった頃から、急に融通が利かなくなってきます。大胆な展開はどんどん難しくなっていき、慎重かつセコいアクションの繰り返しになります。
 そして、ゴール間際の巨大な建造物となったとき、ビルは完全に動脈硬化をおこし、もはやプレイヤー自身、ビルの全体像を把握することができません。
 そう、ベンチャーが大成功して巨大企業になったときも、これと全く同じことが起こるのでしょう。
 「オレが今すぐ行って、話つけてきたるワ!」と軽快だった創業当時のメンバーが、
 「その件に関しては、事業部長と役員会での承認が必要ですわナ…」と重役イスにふんぞり返って、腕組みながら諭すようになってしまうのです。
 
 寂しいものを感じました…。
 ゲームも企業も目指すゴールが同じで、そのためには効率が最大限優先されるのは分かります。でも息子が作ったビルのような「バカ」、みたいな楽しさは、そこには微塵もありません。
 本当は、ちょうどいい大きさになったところでストップがかけられれば…、ビルも企業も、そして私たちも幸せなのかもしれませんね。
  

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