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Cell_雀 不定期コラム 第二十七弾!
 
 
新システムは蔓延する…
 
  
 
 ちわっす。最近何か新しいことやってますか?


ドキドキCクラブ © GEN MUTO

 新しいことを始めるときはワクワクするもんですが、新しい仕事を押し付けられたりすると急にゲンナリしちゃいます♪
 なぜなら押し付けられる仕事はたいていメンドウな仕事だから…(笑)。
 
 客先で新規システムの立ち上げの場合、ほとんどの担当者さんは当初イキイキとした顔をしてらっしゃいます。
 「今のシステムとは全く違った発想で…」とか、
 「予算に上限付けてないから…」なんて、
 気前のいいセリフもポンポン飛び出しちゃいます。
 
 そうなればこちらとしても、できるだけ斬新で思いっきりハイグレードなシステム提案を腕によりをかけて行ないます♪
 思えばこの頃が一番楽しい時期ですね。
 
 そのうち担当者さんに疲れがみえはじめます。
 「僕はイイと思ったんだけど…上がね…」とか、
 「…予算的にちょっと苦しいみたいです」なんて、
 あれれ…?ちょっとトーンが落ちてきたぞ…と思っていたら…、
 「ウチの業務の現状に合わないと上がガンコで…」とか、
 「いやもう最少の構成でとりあえず見積もっちゃってください…」ってな具合に、
 最初の頃とはかけ離れた打ち合わせ内容になってきます。
 (この辺、私のSEとしての手腕が未熟ということもありますが…汗)
 
 そして開発フェーズに入ります。この間にもドンドン客先の要望は変化し、担当者の対応も変化していきます。
 そして半年後…。
 ほとんどやる気を失った担当者さんが、以前とさして代わり映えしない無難なシステムを前に、
 「ん…ま、こんなモンじゃないですか…」
 とうつろな表情をしてつぶやきます。
 
 なんでこんなことになっちゃうんでしょう?
 鳴り物入りで始まった開発案件は十中八九がこれです。
 
 そもそも「旧システム」が使いにくい「現在のシステム」になっている現状がなぜ発生したかということを考えてみるべきです。
 ほとんどの場合、システムの企画は経営者サイドから出されます。
 そしてほとんどの経営者は電算の知識がなく短気です。
 「知識がなくて興味もない」という場合、案外うまくいっちゃう場合が多いんですが…、
 「知識はないけど情報は豊富」という場合はほとんどうまくいったためしがありません(笑)。
 つまり、
 「こんな風になったらすばらしいぞ!」というビジョンは明確に持っているわけです。そして豊富な情報ソースから、
 「他社ではこんなこともやってるらしい…」と情報は盛りだくさんに入ってきます。
 しかしいかんせん、ITの知識がない…。
 
 「それに比べて当社の現状はどうだ!」そうお嘆きなる前に、ぜひ「なぜ」そうなっているのか考えてみてください。
 担当者さんが無能だったからですか?アウトソーシング先のシステム屋がダメダメだったから?
 お金をケチったからですか?
 そうではないでしょう。
 
 ハッキリ言っちゃえば、
 「あなたの会社の社風がそうだったからそうなってんですよ」
 と、いうことです。
 
 システムは魔法の杖ではありません。無から有を生み出したりもしません。
 現状を変えなきゃダメなんですよ!業務の合理化はしてますか?
 トンネル会社の売り仕入れはシステムが自動で行なってくれってそんなシステムまともに動くと思いますか?
 
 何度、ベンダーを変えたところで同じことです。変えるべきなのはウェアハウスではなく経営者の考え方なんですよ。
 
 かわいそうなのは責任だけ一任され、権限を全く持たされていない担当者さんです。
 上の顔色うかがいながら仕事するしかないじゃないですか。
 
 ついでにぶっちゃけちゃうと、ベンダーは親身になって当初の理想のシステムを立ち上げるべく猪突猛進するかといえば、当然ながらそんなことはありません。
 それはプロマネやSEが無能だから…?そんなことはありません。
 
 その逆です。
 優秀な彼らは、数年後に実現するかもしれない夢の数千万のシステムより、数ヵ月後に実現する無難な数百万のシステムをとるのです。
 私だって、そうします。
 
 かくして根本的な解決がなされないまま上物だけがすりかえられた「新システム」が世に蔓延していくことになるのです。
 まあ、おかげで私はメシが食えるので感謝こそすれ文句を言う筋合いじゃないんですが…。
 
 経営者の方でこのコラムを読んでみえる方はほとんどいないと思いますが、システム担当者の方でも結構です。
 現状のシステムがさして問題なく動いているなら、絶対にリプレースしないほうがいいですよ。
 電算室の予算が余っちゃって…という場合は全社員のモニターを19インチにしてさしあげればいいでしょう。
 
 さして問題なく動いているシステムがリプレースでさらによいシステムに生まれ変わる可能性なんてほとんどありません。
 逆に使いにくくなり問題が多発する可能性なら山ほどあります(笑)。
 
 そのくらい、問題なく動くシステムというのは貴重であると思います。
 (Cell_雀って問題なく動いてんのかなぁ…ボソッ)
 
 
 

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