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Cell_雀 不定期コラム 第三十弾!
 
 人のフンドシでとる相撲

 
  
 
システム業界というと有名なのがその「下請け構造」です。
 
 これはどーゆーコトかというと…、ぶっちゃけ、
 「とりあえずなんでもいーから仕事をとって来い!」
 …と、そして、
 「自分ところでできなければ、外注に回してしまえ!」
 …とゆーコトです。


ドキドキCクラブ © GEN MUTO

 
 こーなると、こないだの外注さんがお客さんになったりお客さんが下請けさんになったりと、もーワケがわかんないことになっちゃいます(笑)。

 このあたり堅牢なピラミッド構造を誇る製造業界の人からするとかなり違和感を覚えるみたいです。
 大手のF社にお願いしてシステム作ってもらっているつもりだったけど、ホントに作っていたのはその下請けの下請けのS社さんだった…とゆーことはザラです。

 ですので我々も、わざわざそんなことお客さんに説明したりしません。
 システム屋側からみれば、どこの誰が作ったシステムだろーが動けばいいんだし、そんなことお客さんの知ったことじゃない。とゆー理屈なんですね。
 私自身、何度ヨソの会社の社員になったり(黒子といいます)、素性不明の怪しいSEさんになったことか(笑)。

 さて、
 「自分ところでできなければ外注に作らせればいい」
 という考え方を突き詰めると、
 「自分のところは全く技術をもっていなくても営業力さえあればこの業界でメシが食える!」
 とゆーことになります。

 ホントでしょーか?
 ホントにそんなお手軽なやり方でいーんでしょーか?
 結論から言ってしまえば、
 「そんなことをやっていると…地獄に落ちますよ…(笑)」

 先日、とある外注さんからお仕事の依頼があるとゆーことで打ち合わせに行ってきました。
 そこで、某有名警備会社のサーバー群の総リプレースとゆー、普通なら犬でも食わないよーな(失礼!)お仕事の一部をお願いしたいというお話をいただきました(笑)。

 「現状NT4.0のSP5で稼動しているエクスチェンジとドメインコントローラのサーバーがですね…」
 「ふんふん」
 「もう一台のサーバーではSQLの7.0が稼動しています…」
 「ほうほう」
 「2003サーバーにアクティブディレクトリを構築してからエクスチェンジを移行…(中略)…で最後にSQLサーバーを移行します」
 「なるほど」
 「でこれをサーバー停止可能な夜間の八時間以内にやってほしいと…」
 「…………」
 「武藤さん、やってもらえますか?」

 「…無理です(笑) できません(爆)」

 要は旧くなった二台のサーバーを新しい一台のマシンにリプレースしたい。そのとき各種アプリケーション群も最新にして、ついでに動くよーにRDBの構築やSQLのデータ移行もしといてね…と、さらにアクティブディレクトリィの構築やエクスチェンジの設定まで全部やってネットワーク整備もしといてね…と。
 おまけにその全作業を八時間以内にノーミスのパーフェクト一発勝負でやってチョーだい!とゆーワケです。

 この手の仕事、この業界では腐るほどあります(笑)。
 そして当然のごとく、誰も手を出したがりません。

 あんまりケンモホロロでは次のお仕事がもらえなくなるんで、とりあえず…、
 「…じゃあ、ネットワーク系のC社さんに訊いてみますわ。あんまり期待せんといてください」

 そう返答すると、外注さんを後にしました。
 営業からC社さんに即日打診してもらい、即答で返事をいただいたそーです。

 C社さん曰く…、
 「百万もらってもやりません(笑)」

 そりゃそーだろーなあ。リスクばっかり大きくて先につながらない仕事なんかどっこもやらんわなあ…。

 「自分ところでできんかったらヨソにやらせればイイ」
 この発想で仕事をしていくと、やってくれる会社がドコにもなかった…という大ドンデン返しが待ってます(笑)。

 「あなたの会社がやれない仕事はヨソの会社だってやれないんですよ」
 そして…、
 「あなたの会社がやりたくない仕事はヨソの会社だってやりたくないんですよ!」
 とゆーことなんですな。

 SEは技術を学べ! 営業は手配師になるな!
 この言葉を胸に、日夜精進してまいりたいと思います。

 ちなみに、武藤さんは最近少しサボリ気味ですが…(笑)。
 
 
 

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