バグを出さない、これはフリーソフトに限らず、業務用パッケージソフト・汎用的アプリケーションについても同じことが言えます。ただし、ここでいう「バグを出さない」というのは、あくまでリリース後の事であって、開発中の事を言ってるのではありません。
つまり、きちんとバグフィクスをしてからリリースしてくださいという、至極当たり前のことを言っているのにすぎません。しかし、これすらちゃんと行っていないフリーソフトのなんと多いことか…。
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お金をとっていないのだから、バグが出てもしょうがない…。という論法はこの際、成り立ちません。それは、致命的なバグ(クリティカルなバグ)が発生したときに「ユーザーの環境を保護できるのか」ということを、ソフトウェア開発者は、常に念頭に置く必要があると思うからです。
現在の、OS環境、システム構成は複雑に入り組んでいて、どのようなバグが致命的な結果をOS、その他の環境に与えるのか、開発者にはなかなか予想がつきません。
だからこそ免責事項で、「このソフトウェアの使用による損害に関して、作者は一切保証がうんぬんかんぬん…」ということをうたうのです。
つまり、きちんとバグフィックスを行い、十分な動作チェックを行って、なおかつ発生する予測不可能な使用時のバグに関しては免責してくださいね。ということであって、
開発時にすでに発生しているバグを修正していない、または動作チェックを十分に実施していない、このようなソフトウェアをリリースするなど、もってのほかといえるでしょう。
発生することがわかりきっている致命的なバグを修正せずにリリースするということは、極端な例えをすれば、ウィルスが混入されているソフトウェアをリリースすることと同じであるといえます。
ウィルスが混じっているけれど、フリーソフトなのだから免責してね。という論法は成り立たないでしょう。
話が横道にそれましたが、リリース後のソフトウェアでバグを出すことは、それくらい"恥ずかしく"て、
"みっともない"事なのだという意識を、開発者の方に持っていただきたいということです。
通常、パッケージソフトのリリースでは、開発にかけるのと同じくらいの時間をバグ出し、バグフィックスの時間に費やします。
これはパッケージソフトの場合、リリース後の修正が極めて困難であることが大きな理由なのですが、フリーソフトの場合、Webで気軽に修正版が出せるので、そこまでシビアに行う必要もないといえます。
それでも最低、開発にかける時間の1/10くらいは、バグ出し・バグフィックスに費やしてほしいと思います。
この"ソフトのバグ出し"、開発者の方が行うと、どうしても自分の作ったソフトはかわいいので、バグ出しに微妙な手加減を加えてしまいます。
しかし一般のユーザーは、開発者の予想もしない使い方をすることが多々あります。
いちばんいい方法は、そのソフトの事をよく知らない、あなたの知人に協力してもらい、自由に使ってもらうのです。
その際、ソフトの使用法など最低限の情報以外、教える必要はありません。できるだけ、思いつくままに操作しておらう方が、よくバグが出せます。
そしてこのとき発生したバグは、リリースした際、必ず発生するバグですので、完璧にフィックスする必要があります。
知人がいない、またはそんな時間がないというときは、完成したフリーソフトを立ち上げ、キーボードをめちゃくちゃに叩いてみてください。もう、両手でバンバンと手加減なしに叩いてください。これでバグが発生するようなら、そのバグはきちんと取り除いておくべきバグです。
以前とある掲示板で
「リリース後のフリーソフトのゲームにバグがあった、テストしてみたら自分の開発環境が壊れかけたけど、すんでのところで助かった、よかった」
という書き込みを目にしました。この作者がまず心配すべきは、自分の開発環境の事ではなく、リリース済みのゲームをDLしたユーザーのパソコン環境でしょう。
もう一度繰り返しになりますが、バグフィックスを行うのは「あくまでユーザーの環境を保護する」事が目的です。
フリーソフトとはいえソフトウェアと名が付くものをリリースする以上、これは開発者が必ず行う義務があるのだということを、ぜひ肝に銘じて開発を行ってください。
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