"ReadMe.txt"。フリーソフトを作成したことのある方なら、自作のソフトウェアにこのテキストファイルを同梱された記憶があるでしょう。
ReadMe.txt(リードミーテキストファイル)は、そのソフトウェアの内容や注意書きを簡単に記した「最初にお読みください」的な、テキストファイルです。
一般的には、ソフトウェアのバージョン情報、改編履歴、インストール、アンインストール情報などが記載されていますが、フリーソフトの作者によっては、ヘルプファイルに匹敵するソフトウェアの取り扱い情報(マニュアルドキュメント)が記載されている場合もあります。
また、ゲームソフトの場合、そのゲームの背景、あらすじ、簡単なストーリーまで、記されていることもあります。
このReadMeファイル。特に"こう書きなさい"というルールはないので、内容に関しては作者によって本当にまちまちです。
ただ、このReadMeファイルにあまり重要なことを記載するのはどうなのかな…と思うことがあります。
それは何と言っても、フリーソフトが星の数ほど存在する昨今、イチイチReadMeファイルを読んでから、ソフトを使用するという人は、どんどん減っていると思われるからです。かくいう私もReadMeファイルを読むときは、インストール・アンインストールの情報しか読みません。
多くの人はまず、「とりあえずそのソフトを使ってみる」のです。
使ってみて「これは使い勝手がいいぞ!キチンとインストールして、早速プログラムメニューに加えよう!」そう思った時点で、初めてReadMeファイルを読む、という人も少なくありません。
ですので、ReadMeファイルにあまり重要なことを記載しても、その内容を読まないままソフトを使ってしまう人には、あまり意味をなさないと思われます。
そして「ソフトの使い勝手が悪い」「よくわからない」ということになれば、迷わずそのソフトをアンインストールし他のソフトを試すでしょう。
ReadMeファイルに書いてあるから、これで安心!というのは、現在のフリーソフト事情では、必ずしもいえないケースが多いので、十分にお気を付けください。
ちなみに、ソフトウェアのダウンロードサイトの大手"Vector"では、インターネットが普及するずっと以前からCD-ROMをパックにした書籍を毎年刊行し、販売していた経緯があるため、今でもテキスト形式のReadMeファイルを必ず同梱する決まりになっています。
ショートカット(URLリンク)形式のReadMeファイルは認めていません。
これは、インターネット環境をもっていないユーザーのために配慮するという、Vectorの公式見解なんですが…。
イマイチ、意味不明です。インターネット環境のないユーザーはいったいどこから、フリーソフトをダウンロードするというのでしょう?
百歩譲って「CD-ROMに付属していた」または「USBファイルで友人からコピーしてもらった」という人のための配慮だとしても、その人がインターネットに接続できるかできないかまで、Vectorが心配する必要があるのでしょうか?
インターネットのReadMeページは、必要に応じていつでも改編でき、新しい情報もどんどん追加することができるので、テキスト形式のReadMeファイルに比べて、ずっと便利だと思うのですが…。
ただしVector自体は、フリーソフトの作者をとても大切にする優良な企業であることも事実です。
話が横道にそれましたが、ReadMeファイルは読まない、もしくは眺めるだけというユーザーは意外と多いです。
重要な内容をReadMeファイルに記述する必要がある場合は、ぜひソフトウェアの中に記述してください。ポップアップのヒントでもステータスバーのメッセージでも、スプラッシュウィンドウ(起動時にちょこっと現れるウィンドウ)に記述したって構いません。
なによりも重要なことは、その内容をユーザーに読んでもらい、キチンと理解してもらうことだからです。
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