● ボーナンザ - Tips ●
個別ゲームのコーナー恒例の Tips です。「ボーナンザ」は交渉ゲームなので、他のプレイヤーに依存するところが大きいのですが、テクニックを要するところもいくつかあります。ここでは、そのあたりのテクニックを中心に紹介していきたいと思います。
ここで紹介するテクニックは、「ボーナンザ」の基本セットと拡張セットを対象にしています。「ラ・イスラ・ボニータ」は新要素の船が入ってくるため、多少違ってくると思います(応用は可能だと思いますが)。
- ポイントとなるルール -
まず、このゲーム特有のルールから気づいたことを書いていきます。プレイを始めたばかりだと、以外と忘れがちなことなので、注意しておくとだいぶ違ってくると思います。
● 手札の順序は変えられない
このゲームの掟として「手札の順序を変えてはならない」というものがあります。また、プレイヤーは毎ターン最低1枚はマメをまかなければいけません。これで、集めていたマメの収穫を強制されるのはあまりいいことではありません。
手札の順序は変えられませんが、不要なカードを交渉によって相手に渡すことはできます。どのカードがいらないかを見極めた上で、うまく処理するのが勝利への近道だと思います。
● 収穫は2枚以上のところから
畑を収穫するときに、2枚以上マメがあるところを優先的に収穫しなければなりません。このため、1枚だけマメがある畑を持っているのは、リスクを伴います。
交渉のときに、うまく自分の畑のマメが2枚以上になるように調整することは大事なことです。また、相手に2枚目のマメを与えるときには注意しましょう。
すべての畑のマメが1枚以下の場合は好きなところから売ることができます。これを利用していらないマメを処理するということもできます。これは結構重要なテクニックなので覚えておいて損はないでしょう。
● いつでも収穫できる
「いつでも」収穫できるということは、意外と使えるテクニックです。交渉終了後にマメをまく際に、1枚マメをまいたあとで収穫して、またマメをまくということもできます。これは、自分の畑のマメをコントロールするのにかなり使えます。
また、山札がなくなったときに、捨て札をシャッフルする前に換金することができます。これによって、山札の枚数を増やしてゲームを続けるようにしたり、自分の集めているマメをより多く新たな山札に入れることができるわけです。
● 3つ目の畑
プレイヤーはいつでも3つ目の畑を買うことができます。3つ目の畑を作るのには結構な額のお金が必要になるので、気をつけなければなりません。
誰かが3つ目の畑を買い始めたら、普通は交渉の際にちょっと気をつけるだけで大丈夫だと思います。畑を 3つ持っているとかなり有利なように見えるため、そのプレイヤーとは交渉はあまり行われないはずです。また、かなり早い時期に買ったとしても、畑の料金を回収するのは大変でしょう。
注意しなければならないのは、2人以上が 3つ目の畑を買いだしたときです。この場合は全体で交渉があまり起こらなくなってしまう危険性があります。こうなってしまうと、2つしか畑がない方が不利になるかと思います。状況にもよるのですが、早めに畑の購入を考えたほうがいいみたいです。
- マメの特徴 -
基本セットと旧版の拡張セットに登場するマメを種類別に紹介していきたいと思います。マメには、ゲーム内に登場する枚数と換金レートという2つのデータがあり、これによって集め方などが異なってきます。例えば、6 のマメと同じように 20 のマメを集めることは難しいでしょう。
● 4のマメ
拡張セットに登場
換金レート[-, 2, 3, 4]
拡張セットを入れたときに登場するマメです。ゲーム中に4枚しかないのですが、換金レートはかなりいいです。
4のマメのように枚数の少ないマメは、積極的に集める必要があります。もしも、カード補充で引いてきた場合は、交渉時に存在を明らかにしたほうがいいでしょう。存在を明かすことによって、交渉のチャンスが広がるからです。
ただ、4のマメは換金レートがよすぎるため、交渉でもらってくるのにはちょっと苦労するかもしれません。2枚組でお金 2 に換金できるので、相手を 1点分上げるものの他にさらに何かがないと成立しにくいです。
また、交渉がうまくまとまらずにまくハメになってしまうと、かなり悪いマメになってしまいます。枚数の少なさから 2枚組になることがほとんどなく、処理する際にはもう1つの畑も犠牲にしなければならないからです。
枚数の少ないマメの処理はかなりテクニックを要すると思います。ただ、それに対しての見返りも大きいです。特に 4のマメが全員で 3枚あるときの交渉はかなり白熱すると思います。
● 6のマメ
基本セットに登場
換金レート[-, 2, 3, -]
基本セットでは最も枚数の少ないマメです。拡張セットの場合は 4 と 6 の両方が登場します。これも、換金レートはいいマメです。
6のマメも 4のマメと同じく枚数の少ないマメです。交渉時のテクニックもほとんど同じになります。こちらの方は全員で 3枚持っていても成立しやすいかと思います。
枚数の少ないマメは、どちらかといえば手札の多い方が引き取ることが多いような気がします。交換の対象となるマメをより多く持っているからです。交渉のときは、手札が多い方は自分が引き取るように、少ない方は足元を見られない程度にマメを持ってくることを考えるといいかと思います。
ところで、4のマメは 4枚でもお金 4 に換金できるのに、6のマメは 4枚集めても意味がないようになっています。これはどうしてなんでしょう?
● 8のマメ
基本セットに登場
換金レート[2, 3, 4, 5]
6人以上でプレイするときは、一番枚数の少ないマメになります。これは、2枚目以降の換金レートの伸びがいいので夢のあるマメだと思います。
これも、どちらかといえば枚数の少ないマメに入ります。なので、存在は早いうちに明らかにしたほうがいいと思います。4 や 6 と違い、2枚でお金 1 にしかならないので、交渉は成立しやすいかと思います。
交渉で8のマメを出す側は、うまく 2人がまくように調節するのがいいと思います。このマメは 2枚集まってしまうとあとは楽なので、誰に出すかが大事なマメだといえるでしょう。
8のマメを持っているプレイヤーは、どこまでねばるかが難しいところです。1枚引いてきただけでお金が 1増えるすばらしいマメですが、もう一方のマメが育たないではあまり意味がありません。
渡す側は誰に渡すか、まく側はどこまで持っているかといった駆け引きが必要になるマメだと思います。
● 10のマメ
基本セットに登場
換金レート[2, 4, 5, 6]
枚数的にも、換金レート的にも中間的なマメです。個人的には中途半端なマメという印象があります。
ここまでは、一応枚数が少ないマメに入ります。ただ、10のマメの場合は換金レートの伸びが悪いので必死になって集めることもないかもしれません。
交渉での集め方は 8 と一緒です。持っていることをアピールしてどこかにまとめるのが基本になります。10のマメは 8 と違い換金レートが悪いので 1人に集めてもいいと思います。
集める側は、換金レートがよくなる 4枚まで育てるのが困難なので、2枚集まった時点で切り上げてしまうのがいいでしょう。
● 12のマメ
基本セットに登場
換金レート[2, 4, 6, 7]
枚数もそこそこあり、換金レートもいいマメだと思います。トップクラスのマメなのではないのでしょうか。
12以上は各プレイヤーにそこそこ行き渡っているはずですから、引いてきてもそんなにアピールする必要はないかと思います。
12のマメは換金レートを見てもらえると分かるのですが、6枚までは 2枚につきお金 1 になっています。このマメを 7枚集めることは困難ですから、やることは分かると思います。このマメはいかに 2枚組を作るかが大事です。2枚になったら換金を繰り返していくだけで十分だと思います。
逆に 4枚目になる保証がない状態で 12 のマメを 3枚にしてはいけません。2枚組の片割れは交渉材料として重要だからです。たとえ自分で 12 をまいていたとしても、4枚まで育たないようならば 3枚目は交渉で出したほうがいいと思います。
交渉の潤滑油として重要なマメなのではないかと思います。2枚で換金できるマメの中で、一番枚数が多いから当然と言えば当然なのですが。
● 14のマメ
基本セットに登場
換金レート[3, 5, 6, 7]
枚数はやや多い方に入ります。換金レートはお金 1にするのに 3枚必要ですが、後の方の伸びがかなりよくなっています。
このマメは個人的な感じから行くと「我慢のマメ」だと思います。まず、3枚にすることが大変ですし、その後に 5枚まで集めるのもなかなか難しいです。ただ、そこまでいってしまえばあとは驚くほど早く換金レートが上がります。
特にこのマメの場合は、集める際にライバルを作らないことが大切だと思います。2人で換金レートがよくなるまで育てるのは非常に困難だからです。
交渉で出す場合は、意外と安く出さなければならないかもしれません。新規参入したほうが我慢比べでの条件が不利になりますから。2人以上が集め出した場合は、なるべく均等になるように渡すのがいいかと思います。
このマメを育てるのであれば、できれば7枚まで育てたいところです。逆に 5枚まで集まらないようだったら、あまりやらない方がいいかと思います。
● 16のマメ
基本セットに登場
換金レート[3, 5, 7, 8]
枚数は多いマメです。換金レートは平均的だと思います。伸びがあまりよくありませんが、お金2 までは 14 のマメと換金レートが一緒です。
このマメは、平均的なマメなので育て方も結構分かれると思います。3枚まで集めるのがちょっと大変かもしれませんが、そこまでいけばあとは何とかなるかと思います。
集める側は、どこまで集めるかが難しいところです。7枚まで集めると換金レートがよくなりますが、5枚でもいいのかもしれません。お金2 で換金してもそこそこ効率はいいです。
交渉で出す場合は、相手にどれだけのメリットを与えるかを考えながらになるでしょう。同じ1枚のマメでも、状況によって価値が全く異なるのが一番はっきりするマメなのかもしれません。
● 18のマメ
基本セットに登場
換金レート[3, 6, 8, 9]
3枚でお金1 になるなかで最も枚数の多いマメです。換金レートの伸びがよくないのでお金3 にするまでが結構大変です。
このマメは、3枚でやめるか 9枚まで育てるかのどちらかになるでしょう。自分の資産がどれだけあるかを考えつつになるかと思います。集める際はどこまでを目標にするのかが大事です。
交渉で出す場合は、8枚になるまでならばかなり出しやすいマメだと思います。そのぶん価値も低くなってしまうのですが。普段は安いだけに、換金レートが上がる枚数にする際には十分注意してください。
ライバルがいる場合は、ライバルの状況を見て残るか降りるかを決めるのがいいでしょう。共倒れだけは避けたいところですから。
● 20のマメ
基本セットに登場
換金レート[4, 6, 8, 10]
基本セットの中で最も枚数の多いマメです。換金レートはゆっくりと伸びてきます。これも平均的なマメだと思います。
このマメを集める際は、4枚にしたらあとはどこで止めてもいいと思います。換金レートは 2枚集めないと上がらないので、自分の手札と相談して集める枚数を決めるのがいいでしょう。
交渉で出す場合は、4枚になるまではかなり安くなってしまいます。その分相手に渡してもあまりリスクはないのですが。逆に、5枚以上にするときは相手に1枚あると換金レートが上がることに気をつけましょう。
このマメは、価値の変動があまり激しくないマメなので 12 と同じように交渉の潤滑油として使うのがいいでしょう。渡す側も、もらう側も価値の計算が簡単にできるのですから。
● 22のマメ
拡張セットに登場
換金レート[4, 7, 9, 11]
拡張セットに登場するマメです。たいていの場合これが枚数の最も多いマメになります。換金レートの伸びは 20 とあまり変わりません。
お金2にするのに1枚よけいにかかること以外は、20のマメと同じです。ということは集め方も出し方も 20 とほとんど同じだと思っていいでしょう。
数多くまく必要のあるマメは、どこまで育てるかの選択があります。このあたりの駆け引きは、まわりの状況からなのでどれがいいということはありません。経験を積んでもらうしかないでしょう。
● 24のマメ
拡張セットに登場
換金レート[4, 7, 10, 12]
6人以上でプレイするときに登場する、枚数の多いマメです。これも、雰囲気としては 20 のマメに似ています。
このマメは4枚で換金できるマメの中で枚数が最も多いですし、7枚で換金しても効率はいい方です。ただ、枚数が多く必要になるマメはできるだけ多く集めるのがいいような気がします。
この手の枚数の多いマメは、このゲームの基本となっているのかもしれません。枚数を多く集める必要があることから、交渉の種類も多様になります。数の少ないマメを集めるのとはまた違った技術が必要になるわけです。
- 交渉のテクニック -
「ボーナンザ」をプレイする上で、絶対にやらなければならないのが交渉です。交渉は他のプレイヤーが関わってくることなので、一番いい方法というものはないのですが、有効なテクニックのようなものはあると思います。ここでは、「ボーナンザ」で使えるテクニックを中心に紹介していきます。
● お互いに得をする
別のところでも書いたのですが、重要で基本的な概念なので繰り返しておきます。交渉は「自分と交渉相手の両方が得をすることで、その他のプレイヤーよりも有利にする」ことだということです。相手に利益を与えるのを恐れてはいけません。得られる利益が同じであれば十分なのです。
この考えから、交渉は「より多くこなしたほうがより有利になる」と思っていただければいいでしょう。お互いに得をする交渉をたくさんしたプレイヤーがより勝利に近づいているのには間違えないと思います。
● カードの価値
このゲームの交渉で重要になってくるのがカードの価値です。カードごとの価値は、ゲームに登場する枚数に反比例するというのが最も単純な考え方です。例えば、「8 のカード 1枚は 16のカード 2枚の価値がある」といった具合です。
確かにこの方法だと分かりやすいのですが、正確な価値になっているかというとちょっと怪しいです。16 のカードがないプレイヤーにとって、16のカード 2枚はそんなに価値がありませんが、6枚持っているプレイヤーにとっては、お金2くらいの価値はあるわけです。
カードの価値は与える相手の状態によって違ってくるのではないかと思っています。相手の状態を次のように分けて考えてみます。
1. お金が増える
カードをもらうことで、そのマメによって得られるお金が増える状態です。何枚増えるかによって変わってくるのですが、とりあえず最も価値のある状態といえるでしょう。 よほどのことがない限り、お金が増える条件を断ることはありません。カードを譲渡するときならなおさらです。
この場合は、「お互いお金を増やしましょう」といって相手もこの状態にすることが多いようです。成立しやすさから行けば一番楽な状態になります。
2. あと 1枚でお金が増える(リーチ)
カードをもらうことで、あと 1枚まけばお金が増える状態です。手札に対応するカードがあり、すぐにまけるならば、お金が増えるときと変わらないのですが、そうでないときはもう 1枚、他のところからもらってこないと意味がありません。
この状態の難しいところは、外から見てカードがあるのかどうかが分からないところでしょう。どっちが得するのかが分かりにくい状態になっているのです。多少相手に利益を与えても、交渉をたくさんこなせばいいという考え方もあります。
3. 枚数は増えるがリーチにならない
カードをもらっても、お金が増えるまで枚数が必要な状態です。カードを集めるという積極的な交渉の中では最も価値の低い状態です。集め始めの頃によく起こります。
このような場合は、自分も相手も不要なカードを処理できるのであれば受けてしまってもいいと思います。手札の状態がよければ、それだけマメを残しても耐えられるようになりますから。
カードを譲渡する際に最も迷うのが、この状態だと思います。すぐに収穫する予定ならば、もらってきてもしょうがないのですが、1枚でもいいから欲しいのかもしれません。これも、相手の状況が完全に見えないから起こります。
4. 1枚から2枚になる
交渉をする消極的な理由です。不要なマメをまいてしまったあとに、すぐに収穫したいからとりあえず 2枚にしたいということもあります。自分の利益が薄いので、あまりやられないのですが、価値が微妙なときの微調整には十分使える条件だと思います。
4 や 6 といった 2枚でお金2 になるマメを集めるときには、このような埋め合わせもできることを覚えておくといいでしょう。
5. 収穫してまかなければならない
もらってきたマメをまくために、畑をあけなければならない状態です。外から見てこのような状態になっている場合は、まず交渉は成立しません。
ただ、相手の手札に新たな種類のマメがある場合は別です。もっとも、このような場合は相手から欲しいマメを提示してくるとは思うのですが。
● 交渉相手
同じ条件が提示された場合は、より自分にとって有利な方と交渉をするのが普通です。判断材料はいろいろとあるのですが、そのうちのいくつかを紹介します。
- 勝っているプレイヤーを避ける
交渉は相手も得させてしまうので、相手に追いつく意味でも、トップのプレイヤーとはできるだけ避けたいところです。
私のまわりでは、どれだけお金を持っているかは非公開になっています(そのほうが面白いと思うので)。このような場合は、交渉の度合いや収穫状況などで判断することになるでしょう。
- ライバルを作らせる
同じマメを欲しがっている人が2人いる場合は、できるだけ 2人に均等になるようにマメを渡します。換金レートは枚数が集まるほどよくなりますし、お金4 に換金するまでには全体の約半数を集めなければならないからです。
均等に渡しておけば、お互い効率が悪くなってしまうので共倒れになりやすいです。ただ、ライバルのいるマメをある程度持っている場合は、均等に渡すとその価値が下がってしまうので、工夫が必要になります。何枚かまとめて出したりするのも方法のひとつだと思います。
● 終盤の交渉
ゲーム終了間際になると、交渉の方法も変わってきます。枚数でリーチをかけていても、そのままゲームが終了してしまっては意味がありません。
このようなときは、直接的にお金が増える交渉を進めます。手札にあるマメは、まけなければ意味がないのですから、惜しげもなく出してしまいましょう。例えば、「18が3枚出ますから、1点上がるものはないですか?」と聞くのも手だと思います。
極端な話、お互いの手札にあるお金 1 になるマメを、交換してまくことだってできるわけです。終盤のお金 1 は順位争いに関わるところなので、チャンスがあればどんどんやってみましょう。
とりあえずはこんなところです。中には裏技のようなテクニックもあるのですが、すべてルールの範囲内でできます。対人関係を悪くするようなテクニックは紹介していないはずなので、試してみてはいかがでしょうか?