● フィレンツェの匠 -Tips ●

 このゲームをプレイしていて感じたTipsのようなものを書きます。 競り系のゲームでは環境によって相場が異なる場合がありますので、必ずしも当てはまるとは限りません。 ちなみに私のプレイしている環境では、相場は安いのような気がします。

 なお、この文章は4〜5人プレイを前提としています。 5人プレイは人物カードの取り合いや競りなどの競争が激しなり難しくなります。 また、4人プレイでは、自分のやりたいことが比較的楽にできるでしょう。


1. 方針を立てる

 このゲームは自分の行動が14回しかできないので、 最初に与えられた人物から計画的に方針を立てていかないと、 さんざんな結果になってしまいます(残り行動数を1回ぶん数え間違えて、 10点近く損したこともあります)。

 一応、勝利ラインを60点としましょう(私のまわりではそのくらいです)。 場所によっては、50〜55点くらいになるかと思います。この勝利ラインに届くように、 計画を立てる必要があるわけです。

60点の取り方はいろいろとあります。発表中心の方法で行くとこんな方法があります。

● 5〜6回発表して、発表による得点を稼ぐ方法 (6回発表は4人でないときつい)

競り:スカウトカード 1〜2、景観 2〜3、建築家 0〜1、手品師 2〜3
行動:人物 1、権利 2〜3、発表 5〜6、建物 3〜4、ボーナスカード 0〜1

● 5回発表して、名声カードの条件を1つだけ満たす方法

競り:スカウトカード 1、景観 2〜3、建築家 0〜1、手品師 1〜2、名声カード 1
行動:人物 1、権利 2〜3、発表 5、建物 3〜4、ボーナスカード 1〜2

 4回発表(実質5回で1回分は捨てる)でも何とかなるような気もします。 また、建物をたくさん建ててその名声ポイントを稼ぐ方法もあるかもしれません。 この場合は名声カードを2枚引くのでしょう。ただし、本当にこれで60点まで届くかは分からないのですが。


2. 序盤(1〜2ラウンド目)

 序盤となる1〜2ラウンド目は、力を蓄える時期です。 早いうちに人物を増やしておくと、今後の方針が立てやすくなりますし、 権利を取っておけば後になって売り切れることもありません。

 1ラウンド目の最初の行動では、とりあえず人物を1人雇いましょう。 4回くらい発表しないと60点はつらいですし、資金繰りも苦しくなります。 人物を早めに雇っておけば、方針が立てやすくなります。

 また、2つ目の行動で、競争の激しい権利タイルを取ってしまいましょう。 自分の持っている人物をよく見て、一番必要となる権利を権利を取りましょう。

 2ラウンド目は、2つ目の権利タイルが欲しいかどうかと、競りと行動で、 基本セット(人物にあった建物、景観、権利)がそろうかどうかで決まります。

 基本セットがそろいそうならば、建物を建てて発表もありでしょう(建築家がいればなおいい)。 14点(基本セット10点+人物4枚)もあればまずトップがとれます。 このラウンドからなら、トップ賞を取るメリットが十分あります。 逆に、基本セットがそろわないうちに発表すると、そのぶん損することを忘れないでください。

 発表しないのならば、ここで2つ目の権利タイルを買いましょう。残りの行動1回分はおそらく、 ボーナスカードを買うことになるのでしょう(後で建築家が雇えるかもしれないので、 あわてて建物を作らないようにしましょう)。


3. 中盤〜終盤(3ラウンド目以降)

 3ラウンド目以降は、計画通りに建設して発表していくことになるでしょう。 基本的には、建設してから発表という形になると思います。

 作品ポイントのトップはとれるときに取るのが基本です。 自分が一番最後の行動のときには、積極的に狙ってみましょう。 序盤で引いておいたボーナスカードが有効になることでしょう。

 何度も言うようですが、このゲームでは計画性が大事になってきます。 特に残りの行動数に注意しましょう。 発表を5回以上するのであれば、ボーナスカードを引いている暇はそんなにありません。

 終盤にさしかかると、発表の条件がだんだん厳しくなってきます。 7ラウンド目の17点の条件を満たすのには、 手品師1人と人物カード5枚が必要になってきます。 ボーナスカードを使わないと17点まで届かないような状況ではかなり大変です。


4. 競り

 序盤は、建築家が特に高くなります。 ただし、建物を作ってもすぐに発表しなければあまり意味がありません。 1ターン遅れるのを恐れないでください。建物はだいたい3〜4つ作るので、 1人目の建築家はお金を1200〜1600節約できることになります。 しかし、1200も出してしまうと他のプレイヤーが、どこか他の競りで得をするはずなので、 せり上げすぎには注意しましょう。

 あと、序盤で高くなるのは手品師です。発表の機会が多くなるほどその有用性は増してきます。 手品師は作品ポイントを2上げるので、発表回数×1点(お金に換算すると200)になるほか、 3〜6ラウンド目のトップ1回に大きく近づくことができます。 また、作品ポイントの最低ラインをクリアするのに1つは必要になります。 5回発表するつもりならば、1200くらいの価値があるでしょう。 後述しますが、1人のプレイヤーに手品師を3つ与えるのは避けましょう。

 スカウトカードは5枚しかありません。 序盤から動向を気にする必要があるでしょう。5人の時は各プレイヤー1枚ずつになるのがふつうです。 手札を1枚増やす働きがあるので、 序盤のほうが若干高くなります(その分無駄になってしまうリスクもあるのですが)。 うまくスカウトできた場合は、発表1回分と考えると1100〜1500くらいの価値があります。 リスクが高いからといって、他のプレイヤーに200で渡してしまうのはかなり危険です。

 名声カードは序盤ではあまり必要ありません。 方針を固めるのには早すぎるからです。序盤ならば、他に買いたいものはいくらでもあるでしょう。 買うのは中盤以降になります。

 全体的にそうなのですが、景観はそんなに高くなりません。 もしつり上げてきたら、そのプレイヤーに買わせるのも手です。

 競りのときに気をつけなければならないポイントは、各プレイヤーの発表の点数です。

 前述しましたが、7ラウンド目の条件は17点です。 少なくとも自分は17点を超えるように競りをする必要があります。 また、7ラウンド目に景観か権利が足りない状態で発表できるラインは20点です。 これを満たすと1ラウンドに2回発表が比較的簡単にできます。

 17点を超えるのに最低限必要なのは、景観1つ、手品師1人、 スカウトカード1枚です。 (権利2つとや人物カード1枚を自分の行動で獲得していることが前提です)。

 また、20点を超えるのに必要なのは17点の条件に加えて、 さらに手品師1人とスカウトカード1枚、もしくは手品師2人です。

 20点を超えて合計6回発表ができるとかなり強力なので、 なるべく他のプレイヤーに取らせないようにしましょう。5人の場合は、スカウトカード2枚と手品師2人を、 4人の場合は手品師3人を1人のプレイヤーのもとに集めないようにしましょう。


5. 建設

 建物を建てるときは、普通の場合は隣接して建設ができないので、工夫する必要があります。 最初の手札から必要な建物を計算して、そこからどのように埋めていくかを考える必要があります。

 変な建て方さえしなけれは、建物3つは作れます。 小さな建物を組み合わせれば、4つ作ることもできます。

 ちょっと計算したのですが、大きな建物3つと小さな建物1つ、景観3種は作ることができます。 もう少し計算した結果、建物3つ(種類は問わない)と小さな建物1つ、景観3種は確実に作れることが分かりました(うまくできないようならば、どこかでスペースを無駄遣いしているのでしょう)。

 また、組み合わせによっては大きな建物2つと中間の建物2つを作ることもできるようです。 この場合、景観は公園以外ほとんど作れないでしょう。

 建て方のコツとしては、「大きな建物は隅に作ってマップ中央をできるだけ広くしておく」ということがあげられます。

 建築家が2人になると、建物どうしの隣接が可能になります。こうなってくると、 工夫してあけた隙間がじゃまになってしまいます。建築家を2人にするタイミングは、 建物が1つ以下のときがベストでしょう。

 建設には建築家なしだとお金が700もかかってしまいます。序盤の競りで建築家が入手できる場合も考えると、 必要ないときには建物は作らない方がいいでしょう。 建物が売り切れるのはごくまれですし、1ターン建設が遅れてもあまり問題はないはずです。


6. 発表

 発表は普通、基本セットがそろっている場合に行います。 普通に競りを行っていると3ラウンド目あたりに所持金がつきてしまうので、 そのあたりで発表する必要があります。そこまでに基本セットくらいはそろえたいところです。

 現金と名声ポイントについてですが、序盤の不確定要素が大きい時期は全部現金にする方がいいでしょう。 あとは、競りでどのくらい使うかにかかってきます。


7. ボーナスカード

 発表に加えるボーナスカードは全部で20枚あります。

 なかでも強力なのは、種類ごとにボーナスになるものです。 このカードは安定して4WZ(作品ポイント)、うまくいけば6WZを稼ぐことができます。 そのほかのカードは、うまくいけば4WZを稼げるくらいです。 目安としては、ボーナスカード1枚で4WZくらいになると思ってください。

 ボーナスカードの使うタイミングは、トップを取るときか終盤で2回発表を成功させるときでしょう。


8. 名声カード

 名声カードは14種類あります。

 この中で強力なのは、 他のプレイヤーと競り合うことのない、条件を満たすだけでよいものです。 景観3種類とか権利3種類とかはちょっとがんばればできます。それで8点はかなり大きいです。 他のプレイヤーと競り合うものは、景観系ではほとんど同点になってしまうでしょう。そのほかでも、 失敗のリスクがつきまといます。

 名声カードを競り落とすタイミングは、中盤の3〜4ラウンド目あたりからになるでしょう。 あまりに早く名声カードを買ってしまうと、条件を満たすために必要なものを集めるのが大変になるでしょう(名声カードは作品ポイントの上昇にほとんどつながりません)。


 以上が数ゲームかプレイして気づいたことです。まともに作品を発表しなくても強い方法は、 あるかもしれませんが、とりあえず適度に作品を発表する方法を中心に紹介しました。


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