● フィレンツェの匠 - Tips (Part 2) ●
前回の Tips からだいぶ間が空いてしまいましたが、さらにプレイして気づいたことなどを追加の形で書きたいと思います。前回の Tips よりももっと細かい話になりますので、まだお読みでない方はそちらを始めにお読み下さい。
今回の Part 2 では状況ごとの Tips が中心です。実際のゲームで役に立てばと思っています。
● 1ターン目の発表
利点:1ターン目にほぼ確実にトップ賞がとれる(名声ポイント3点 → お金600)
欠点:基本セットがそろっていない状態で発表しなければならない(建物がないので作品ポイント -4 → お金 -400)
(2ターン目の頭で)人物が1人少なくなるので計画が立てにくい(基本セットのどれか1つをよけいに買うかもしれないというリスクがある)
1ターン目に発表すると実質ではお金 200 を得しているにすぎません。お金 200 と計画の立てやすさなら、私なら後者を取ります。発表は基本セットがそろうまで待ったほうがいいと思っています。
特に5人プレイの場合は人物カードの残りが極端に少なくなるので危険です(最初から6枚しかありません)。人物カードが売り切れることがあまり無いと思うのですが、選択肢が大幅に減ってしまうので1ターン目に手番が早く来る場合はお勧めできません。
発表する場合は、1ターン目の競りで自分が景観を買うことになるので、買うタイミングには十分に気をつけましょう。間違えても「建築家」「手品師」「スカウトカード」を安値で他のプレイヤーに渡すことのないようにしましょう(もっとも前の2つはせり上がるはずですが)。これをやってしまうと、発表するメリットが無くなってしまいます。
景観は、一番最後に 200 で景観を競り落とすのが妥当でしょう。あと、人物カードの関係で建物が合っていない人物を発表するのがよろしいかと思います。
結論としては、自分の手番が一番最後で、手札にある 3人がバラバラの建物を欲しがっていて、さらに必要な景観を 200 で買えた時になら、やってみる価値はあると思います。
● 序盤(2ラウンド目まで)に名声カードを引く
利点:ほぼ確実に 200 で買える(確かに中盤から終盤にかけては 200 では買えない場合も多い)、人より先に引ける(いいカードを取ることができる)、軌道修正がしやすい
欠点:作品ポイントにつながらないことにビッドを1回費やすこと
これもまた、微妙な問題です。序盤で名声カードを引けばいいカードが引ける確率は高くなりますし、達成に向けてフレキシブルに動くこともできます。あと、2ラウンド目までなら他のものを買っている余裕がないので、200 で競り落とせる可能性も出てきます。
ただ、問題になるのはターン数と所持金の都合から 3ラウンド目には発表しなければならないことです。そのときに基本セットがそろっていないのでは、ちょっと問題があります。
3ラウンド目までには景観を1つは取りたいので、景観がそろっていなければそちらを取った方がいいでしょう。そうなると、建築家や手品師、スカウトカードが取れないで、必要な景観があり、競りの人数が残り2人以下になったときには、買ってみるのも悪くないでしょう(相手に景観がない場合はなおさらです)。
● 名声カードの2枚引き
名声カードの2枚引きは、「権利 3 種類(8点)」「景観 3 種類(8点)」「建築家、手品師1つ以上と景観2つ以上(7点)」に絡めればかなり有効でしょう。しかし、2枚目はいいものが減っているのに注意してください、欲しいものを流した場合はカードの場所を覚えておく必要があります(名声カードは全部で14枚です)。
一応名声カード2枚引きで15点を稼いだことがありますが、かなり怪しいです。普通は2枚目がトップタイの得点しか入らないことが多いです。
経験上、名声カードは1枚で名声ポイント7〜8点、2枚で10〜12点くらいになります。引いたカードが全部はずれという場合もあるので注意してください。
これで分かるように、名声カード1枚は終盤の発表1回分に相当します。安く買えて、うまく達成できるのなら、なかなか効率がいいでしょう。
● 名声カードは 6ラウンド目までに
名声カードは早めに買ったほうが達成しやすいです。条件を達成させるために必要なものの大部分が競りで入手するものだからです。
そのため、7ラウンド目で名声カードを引いた場合は、条件を達成させるための競りができなくなってしまいます。また、この時点で残っているカードは、景観に関わってくるようなものが多くなります。
最終ラウンドは、ボーナス3点のために景観を競り落とすプレイヤーが多いので、名声カードの達成はかなり困難だと思います。というわけで、名声カードは6ラウンド目までに買ったほうがいいと思います。
● 4人プレイの3ターン目の競り
このゲームで序盤に高値がつくものとして「建築家」「手品師」「スカウトカード」があげられます。これらは、うっかり安値で他のプレイヤーにあげてしまうと大変なことになります。
4人プレイの場合これらの 3つのものを競り落とすと、景観はラウンドごとに1つしか買えません。そうすると、3ラウンド目で景観を持っているプレイヤーが誰か一人いるわけです。
2ターン目までに景観が買えなかったプレイヤーは、他のものを買っているので残り所持金が意外と少なくなっています(計算すると 800〜1200 くらいでしょうか)。建築家の有無にもよるのですが、景観を買えなかったプレイヤーは3ターン目終了時に発表しないと所持金がほとんど 0 になってしまいます。
これではあまりにも危険なので、3ターン目には発表するのですが、基本セットがそろっていないことを考えると、お金を300ほど損してしまいます(発表自体は12〜13点でできるのですが)。この損失はどうにかしたいところなので、対抗策を2つほど考えてみました。
1つ目は、2ターン目でトップ賞を取ってしまうことです。自分が最後のプレイヤーで、誰も発表していなければ建物 + 権利 + 手札4枚 = 11点(手品師かスカウトカードで変化) で確実にとれます。これだと、一応 300 はもうかる計算になります。次のターンで安くものが買えればなおさらです。
2つ目は、3ターン目のビッドでどうにかする方法です。自分が順番のときにいきなり景観をコールすれば、確かにとれるのですが、それではスカウトカードあたりが200で他のプレイヤーに行ってしまいます。
もうひとりの景観を持っていないプレイヤーが、景観以外のものを競り落とした場合は、景観を自分のものにできるようにしましょう。景観なしだと自分は300損する計算なので、他のものを200くらいならば安く買わせても問題ないことになります。
問題は、景観のないプレイヤーどうしで競るはめになったときです。建築家や手品師が残っていたら、普通通りに競りましょう(作戦を変えるチャンスなので)。
スカウトカードが残っていたら、とりあえずコールするのが手でしょうか(いらない場合もある)。自分がすでにスカウトカードを持っていれば、300〜400で落としてもかまいませんし、相手にスカウトカードがなければ、300〜400で買わせるのも手でしょう。
ただし、4人のときにはスカウトカードが 5人のときほど価値がないのに注意したいところです。人物カードは山札に大量に(9枚)残っているわけですし、欲しい人物が出て来るとも限らないからです。そのあたりを考えると 300〜400 くらいが相場になってしまうのかもしれません。
● 景観は6ラウンドまでに
7ラウンド目の景観は、ボーナス 3点 のために買う人や、名声カードの条件を満たすために買う人が多いです。発表するのに必要な景観はライバルの少ない 6ラウンド目までに買っておいたほうがいいでしょう。もっとも、最後になって発表に必要な景観が足りないのは、計画のミスがあると思うのですが。
● 建物 + 権利 + 景観 = 8
このゲームでは自分のとれる行動数に限りがあるので、発表に必要なものをどれだけ集めるかもポイントになります。少なすぎると発表する時に足りなくなりますし、多すぎると発表する暇が無くなります。
見出しに書いたとおり、経験から発表に必要なものの数は 8 にするのがいいと思います。例えば、建物4つ + 権利 2種 + 景観 2 種があれば、6回発表まで見られるでしょう。また、建築家を買わずに名声カードを利用して、建物 3種 + 権利 3 種 + 景観 2 種とするのも手です。
ただし、この例は建築家を2人以上雇った時には当てはまりません。発表以外のところで建物を建てることが考えられるからです。この場合は「建築家が最も多い(6/3点)」や「空きマスが最も少ない(8/4点)」「建物が一番多い(6/3点)」などの名声カードと組み合わせるのが効果的です。
実際に起こりうるケースを想定していろいろと書いてみました。このゲームは、他のプレイヤーの動きや競りの相場によって展開がめまぐるしく変化します。変化に応じてプレイするわけなのですが、そのときの参考になっていただければと思っています。