トップ > アナログボードゲーム > 雑記

● 競りゲーム特集2010年10月号 ●

 ゲーム会がたまたまなかったので、テーマゲーム特集を。今回は「競りゲーム特集」です。

 ゲームの要素のひとつとして「競り」が入っているものはありますが、ここで扱うのは競りがゲームの中心となっているようなものです。今回も思いつくところから出してみましょう。


・ゲシェンク [play:game]
 小箱ゲーム特集でも出していますが、ジャンルは間違いなく競りゲームなのでこちらも登場です。とてもシンプルなルールで、マイナス特典を取らないようにできるだけがマンしながら、必要なときにカードとチップを取るというゲームです。

 このゲームのいいところは、ルールがとてもシンプルなことと、メンバーによって相場観ががらりと変わること、あとはランダムにカードを抜くこともあり展開が毎回変わるということにあります。利益を出すタイプではないのですが、じりじりとした感じのゲームです。お勧めの作品のひとつですね。

・フォーセール [play:game]
 お次も比較的軽い競りゲームから「フォーセール」です。2段階の競りゲームになっていて、前半は所持金を使って不動産を購入するフェイズ、後半は購入した不動産を売却し現金に換えるフェイズです。

 前半戦は比較的悩ましい競りです。値段をつけるか、競り値の半額を支払い最も安い不動産を手に入れるかの二択です。最後まで残ると一番高い不動産を購入できますが、全額の支払いとなりそのあたりの兼ね合いが難しいのです。後半戦は同時入札の簡単な競りですが、心理戦がありますね。この2段階の落差と、比較的短い時間でプレイできるのがいいところです。

 このゲーム初版と再販版でカード構成とルールが若干違います。初版は同額入札OK、下りたときの支払いは半額端数切り捨てなので、競りが若干長引きじりじりとした感じになりやすいです。後者は切れ味の鋭い競りが見られます。

 再販以降の版は、不動産カードが30枚に増え、1〜30で大きな落差があります。このあたりは見ていて楽しい要素ですね。再販で箱が大きくなってしまったのですが、現行版の小箱は持ち歩くのにもとても適しています。チップは弱いですが、それを補ってあまりあるかと思ってたりとか。

・ハイソサエティ [play:game]
 こちらは、もうちょっと悩ましい競りゲームです。Kniziaの競りゲームは多いのですが、小箱ではこちらを押しておきます。贅沢品とボーナスカード、マイナスカードを1枚ずつ競りにかけていきます。最終的なポイントを競うのですが、所持金が最も少ないプレイヤーは脱落してしまいます。ここが大きなポイントです。

 カードの出方がランダムなので、終了が全く読めないゲームではあるのですが、得点を取らないと勝てないので、そのあたりの攻め方が難しいのです。マイナスカードの競りは、獲得者以外の全員が支払いになります。

 こちらは前の2作品と比べると若干プレイ感覚が重い競りゲームですね。元々は箱の大きなゲームでしたが、UberplayやAmigo、Griffinなどからリメイクが重ねられている名作です。現行版の小箱は、「フォーセール」と同じサイズでこちらもおすすめできる作品です。

 Amigo版は小さめの箱で別テーマの「珍獣動物園」で出ています。贅沢品というほうがしっくり来るテーマですが、ドイツ語が分かるとより楽しめる珍獣の世界がまっています。

・メディチ [play:game]
 最後は、こちらも何回も再販されている名作「メディチ」です。Kinizaの競りゲームとしては「ラー」や「モダンアート」などが有名ですが、ここではこちらを挙げておきます。

 珠玉混在の品物を競りでうまく購入して、他のプレイヤーよりも同種の品物を集めたり、より質のよい品物を集めたりで得点を稼いでいくというゲームです。所持金が最終的な得点になり、得点源も競りで決まるという純然たる競りゲームですね。

 このゲームの面白いところは、値付けのチャンスが1回しかない競りにあります。とりあえず様子を見るということもできませんし、利害関係でしっかりと値段をつけなければならないという場面もあり、このあたりの決断がこのゲームのポイントになってきます。

 あとは、ラウンドごとに持てる荷物の量に限りがあるので、ライバルに参入できない状態で自分だけいいものを安く入手するチャンスがあったり、逆に品切れで荷物が埋まらない状態になったりということもあったりします。全員が値段をつけないと流れてしまうのですが、あまりにも品物が流れると不足が生じてしまうのです。

 カードの引きによるランダムはありますが、引くか引かないかはプレイヤーが選ぶので、そのあたりの悩ましさもあります。荷物の制限が厳しく、不要なものがつけば一気に価値が下がりますし、ほしいものが重なればかなり高騰することになります。

 プレイ時間は 60分クラスですが、かなり濃い競りゲームですね。6人までプレイ可能ですが、ほどよくカードが抜けて完全なカウンティングが効かない 5人プレイが個人的にはお勧めです。


 他にも競りゲームでの名作はいろいろとありますが、競りメインの作品を重点的に紹介してきました。相場観が違ってくると展開もがらりと変わるのが競りゲームの面白いところですね。


トップ > アナログボードゲーム > 雑記