トップ > アナログボードゲーム > 雑記

● デッキビルドゲーム特集 2011年11月号 ●

 ゲーム会がないときの特集ネタです。今回は「デッキビルドゲーム特集」をお送りします。

 「ドミニオン」から始まった新しいゲームの流れですね。カードを入手し、自分のデッキを作って行きその中で得点を稼いでいくという流れになります。特徴としてはカード枚数が大量なことと、ゲームによっては使用するカードセットを選ぶことができ、組み合わせの妙が楽しめるというところでしょうか。

 今回はプレイしたことのあるゲームからいろいろと出していきましょう。国産でも出ていますが、今回は海外産の物を紹介しましょう。


・ドミニオン [play:game]
 デッキビルドゲームの先駆けとなった作品です。カードゲームなのに約500枚という物量と、組み合わせでいろいろなバリエーションを楽しむことができるのが特徴です。先駆者なので、デッキビルドゲームの特徴もここで紹介しましょう。

 最初に特定の組み合わせのカードを持っており、ランダムにシャッフルして山札(デッキ)にします。場に出ているカードを購入し、自分の捨て札に加えます。山札がつきると捨て札をシャッフルして新たな山札にするので、購入したカードが使えるようになります。これを繰り返していき、デッキが徐々に強化されていくのです。

 勝利条件は得点を稼ぐことですが、得点も基本的にカードから入ります。きれいなコンボを組めるデッキを作っていても勝利点につながらなければ意味がありません。ドミニオンの場合は勝利点となる名声カードは何の効果もないカードなので、当然買えば買うほど負担になってきます。このあたりの妙がデッキビルドの楽しみ方ですね。

 カードの巡りによる運の要素はあるにしても、初期デッキからの戦略が大きいようです。というよりカードの組み合わせと他のプレイヤーの動向によってうまく適応していく必要があります。

 ファンタジックな世界観と、カードの効果はありますが、基本的には黙々とプレイしていくタイプのゲームです。多プレイヤーを攻撃するカードも中にはありますが、直接攻撃ではなく、自分と、場札との戦いがメインになります。

 エキスパンションでいろいろとカードが追加されていますが、この拡張性の高さもデッキビルドの妙ですね。カードのバリエーションとその中から10種類を選ぶというところで広がりがあるような気がします。

 ゲームとしては、淡々と進むタイプではあるので好き嫌いは分かれるのではと思います。戦略の組み立て方などは TCGとの親和性がある程度ありそうです。いろいろと試行錯誤をして試していくタイプのゲームではあるので、経験の差が出てしまう可と思います。

 現在日本語版も出ており、何種類ものエキスパンションも出ています。基本的な効果は基本セットでカバーできるので、後はお好みにあわせてという感じでしょうか。

・サンダーストーン [play:game]
 お次は、デッキビルドでも若干毛色が違う「サンダーストーン」です。日本語化されています。

 こちらもファンタジックな世界観ですが、大きな違いは洞窟を探索し、モンスターを倒して得点を稼ぐのがメインになることです。これも自分と洞窟との戦いになります。モンスターを倒すための下準備として村で英雄を雇ったり、アイテムを購入したりとデッキビルドの要素をこなしていくのです。

 装備品の整え方や、レベルアップなどRPGの要素が入っているのが特徴です。要素も増えているのでデッキビルドの入門編としてはあまりおすすめできません。ルールの分量は多いです。強いモンスターが出たときに一気に停滞するとか、そのあたりも妙がこのゲームの持ち味ですね。

 バリエーションは、村に登場するカードと、ダンジョンのモンスターでの組み合わせになります。ダンジョンの出現順もランダムのため、かなりバリエーションは広いですね。

 本当にRPGをやっているような感じをデッキビルドでというのが特徴ではあります。あとは、装備品を整える速度が比較的緩やかなので、ワンチャンスでどうにかなるという感じもあったりします。難点は、組み合わせによって思いっきり場が停滞することがあるのと、英雄が品切れになりやすいということでしょうか。

・アセンション [play:game]
 3つめは、こちらもファンタジックな世界観の「アセンション」です。デッキビルドではありますが、購入対象の場札が固定されておらず、中央列からカードを購入したりモンスターを倒したりします。

 このゲームの特徴は、展開の多様性とスピード感にあります。場札のバリエーションはないものの、出たとこ勝負のランダムなのであまり気になりません。その場のカードにあわせた戦略が必要になってきます。あとは、ちょっとカードを強化すれば、最大級のカードに手が届くというスピード感もあります。

 得点は、モンスターを倒すか、カードを獲得するかで手に入りますが、どちらに力を入れるかがポイントになってきます。モンスターを倒すには戦闘力が必要になりますが、戦闘力だけではカードを買うことができません。まれにモンスターが固まって場が詰まることもありますが、それをどう利用するかもポイントですね。

 カードの圧縮がかなり効くのもこのゲームの特徴です。モンスターを倒したときの勝利点はデッキに入らないのと、デッキ自体を圧縮するカードがそれなりに入っているのです。ただ、圧縮だけやっていても勝てないのはこのゲームも同じです。

 なお、以前に紹介を書きましたが、このゲームは iOS版が出ています。完成度が高いので興味がある方は是非。中央列の関係もあり、少ない人数でも楽しめるのではと思います。


 というわけで、海外産のデッキビルドゲームを3つほど紹介しました。好き嫌いが分かれるジャンルではあるのですが、興味のある方は原点となった「ドミニオン」はプレイしておくとよいと思います。


トップ > アナログボードゲーム > 雑記