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● ゲームマーケット2006(準備編) ●

 さて、今回はゲームマーケット直前ということで、今年度の作品の製作スケジュールなどを、簡単にですが時期を追って紹介しようと思います。


- 2005年6月 -

 だいたい、ゲームマーケットの候補となるものは、作業が一通り終わって新作をプレイし出す 4月末から5月くらいに思い浮かぶことが多いですが、今年は出せるようなネタがそろいませんでした。ダイスゲームとか、カードゲームとかを、ちょっとだけお披露目したのですがどちらも没にしましたし。

 しばらく、創作ゲームから離れようとしていた矢先にひとつアイデアが思いついたので、ルールを作ってテストプレイをしました。これが「マーケット・トレンド」になるゲームだったりします。

 初期版は、テーマを回転寿司にしようかとか、初期のテストプレイでは「ボーナンザ」のカードを使っていたとかそんな裏話はあります。初期版は6月JAGAでお披露目、いろいろと意見をもらったうえで、進められそうと判断して、ここからしばらく公開テストプレイが進みます。

- 2005年7月〜10月 -

 このあたりは、公開テストプレイの期間ですね。JAGA、袋小路、いたストオフなどいろいろなところでプレイしてもらって、ルールの調整などを加えました。

 初期版からのルールの改造点は、手札が8枚、値上がりと値下がりの定義の変更、底上げルールの変更、枚数構成の変更、最大枚数ボーナスの変更、マッチボーナスの導入、50未満の価格の切り上げといったあたりでしょうか。コンセプトは動かしていませんが、バランス的なものはかなりの変更になっています。

 私の場合、だいたい初期のころに、いただいた意見を元に大きな変更をいれて、あとは数をプレイして数値バランスなどの調整を入れることが多いです。セルフテストも含め、かなりの回数プレイしています。

 今回は、ベータ版を何人かの方に配布して、プレイした感想をいただいたりということをやっていました。実は、実物を入手する一番の手段はベータテストへの参加かもしれません。

 5月くらいにスタートしたゲームの場合、おおよそこの頃には完成版となるのです。ルールが8割方固まった時点で、ゲームのらくがきとしてページに載せています。

- 2005年11月 -

 今年は、テーブルゲームフェスティバルがあったので、ここで完成版の「マーケット・トレンド」のお披露目を予定していました。

 ところが、開始 2週間くらい前になってコンポーネントを作る段階で、前からやりたかったもののアイデアが形になったので、もうひとつ作ることにしました。これが「ほんのきもちです」の原型です。TGF前日の袋小路で初お披露目をし、即TGFに採用という異例のペースで世に出た作品になります。

 「ほんのきもちです」の裏話としては、とあるテレビ番組でジレンマたっぷりのケーキの分け方をやっていたのが元ネタでしょうか。これをお札でやってみたらどうなるかとか、丸見えだとゲームにならないから封筒に入れてみようとか、どうせならのし袋にして和風にしてみようとかそんなノリです。

 ちなみに、お札を封筒に入れて渡すというのは、仙台某所での「イントリーゲ」(旧版) のプレイスタイルから来ています。渡す金額を伏せたほうがあからさまにならなくて面白いのではというところから来ています。

- 2005年12月 -

 ここでは、「ほんのきもちです」のお披露目をしつつ、ちょこちょことルールの微調整を入れていました。こちらの変更点は、得点札の構成、得点袋の推測のルール、贈与の方向、得点袋の識別シールをつける、というくらいでしょうか。変更点は比較的少ない方でしょう。

 この頃から、ゲームマーケットの申し込みが始まるので、申込用紙をもらって、年末の休みの初日に版下を書いて、手続きをしてという作業をやっています。出すものが 12月上旬までにあるかどうかが参加するしないを分けることになるというわけです。

- 2006年1月 -

 この時期は、申し込みの結果待ちという感じで、大量生産の準備と版下の作成が中心かと思います。といっても 2月〜3月にかけて作業が待っていることもあり、どちらかといえば遊んでおこうという気持ちが強い時期ではあります。ちなみに、お仕事が忙しい時期に当たっていました。

- 2006年2月〜3月 -

 2月上旬から、大量生産で使う物資の入手方法の検討に入っていました。2月中旬、参加が確定してから一気に動き出しました。今年は、通販を利用して設備投資をしたり、業務用のお店に行ってコストを抑えたりということを新たにやっています。

 ここからが、買い出し→版下作成→印刷→切断→のりづけという作業を延々と繰り返す、製作作業の中で一番つらい時期にはいります。うちは外注をしていないので、ぎりぎりまで作業できるかわりに、とにかく時間がかかる作業があるというわけです。今年は、おおよそ 4週間ずっと作業という感じでした。

 今年は誰かに手伝ってもらおうかと思いつつも、年度末はちょうど忙しい時期と重なるということもあり、結局一人ですべての作業をやってしまいました。単独作業だと、自ずとコストが下がるということはあるのですが。


 今回は、Hammer Worksの 1年ということで、大まかな流れを書いてみました。4週に渡る大量生産作業がネックになり、これ以上のペースで、これ以上の個数の生産は難しい状況ですね。

 私の場合、やりたいと思っていたアイデアを元に「ないものは作ってしまえ」というコンセプトでいろいろと作っています。アイデアが出れば、ちょこちょこと作っていきたいと思っています。


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